私にとって写真とは何なのか?
中学生の時から撮り始めて46年。大部分は、ホタルをはじめとする昆虫写真で、その他は自然風景の写真であるが、私はプロの写真家ではない。芸術家でもない。写真は「趣味」である。撮って楽しければ良い。しかしながら、写した結果には最低でも自己満足したいし、できれば自然の美しさ、素晴らしさ、大切さを伝え共有できる作品でもありたい。
「写真」は写実であり「絵」とは違う。人間が意識的(意図的)にデザインや彩色をして描いたものが「絵」だが、「写真」は、真を写すと書く。客観的な「真実」を記録したものだ。撮影テクニックは別の話として、昆虫写真の場合は、その種の特徴が分かる図鑑的なもの、あるいは生態の瞬間の正確な記録であると言える。自然風景写真はどうだろう。撮影者の意識や個人的感情とは関係なくただ映される「画」を超えて、目の前にある風景から感じる抽象的で漠然とした感覚を「写真」というものに具体化したものでありたい。
そんな偉そうなことを考えながらも、昨今は、撮影を楽しむことも自然と対峙する素直な心も忘れ、打算的でさえある。趣味であるから、何も撮れなければ時間もお金(高速代やガソリン代など)が無駄になる。以前は、そんなことも考えずに遠征そのものを楽しんでいたことを、以下に掲載した6年前に撮影した写真を現像しながら思い出した。
ちなみに掲載写真の一枚目は、長野県辰野町にある「小野のシダレグリ自生地」で撮影したシダレグリである。魔力さえ感じる奇怪な樹形。国の天然記念物に指定されており、天然のシダレグリの木が3.4haの純林を形成している。二枚目は霧ケ峰高原の霧氷を写したものだが、霧氷の丘にかかる霧と背後の雲は、将に一期一会の光景であった。
今年は、お陰様でしばらくの間、時間だけはできた。8月末までにあれこれと計画しており、自家用車での移動は山形から兵庫まで、6月末には3年連続の沖縄遠征。昆虫では未撮影および撮り直しの種が40種、自然風景では、ホタルを含めて35カ所で撮影する予定である。勿論、金銭的制約はあるが、自由な時間の多さがカバーしてくれるだろう。
私にとって写真とは趣味であるが、「自然界から使者」として紹介されたこともあるので、自然と会話し、対峙し、心で感じ受け止める感性を養っていきたい。
以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。
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