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お寺のオバサンのひとりごと

心のマッサージにお寺へ行こう!

その14 衆生(しゅじょう)

2006年12月07日 | 仏教
 きょうの仏教語は「衆生」です。 

 人間だけでなく、いのちあるもの全てを「衆生」と言います。

 仏教では、「人間の命」も「ゴキブリの命」も仏さまの前では平等な命とみます。
 特別、人間だけが優れていて「人間がその他の動植物・自然のお世話をする」という高見に立った考え方はしません。
 
 「じゃあ、人間もゴキブリ同様殺しても構わないのか」と、へりくつ言う人がいるかもしれませんが、その全く逆の意味。
 
 「仏さまから願われている全ての命は尊重されなければならない」という平等の命です。

 でも、現実はそうはいきません。ゴキブリを見つけたら、スリッパ持って追いかけますし、蠅、蚊もたたき殺す。蛇を見れば気持ち悪いと思う。
 結果だけを見れば「結局キレイごと言っているだけじゃないか」と言われるかもしれない。

 でも、仏教者は蠅や蚊を殺すことを「当たり前」とは思っていないんです。殺す行為は同じですが、そこに、わずかでも「私の勝手な都合で殺してごめんなさい」と詫びる気持ちがある。

 自分のペットは溺愛するが、自分の苦手な動物は毛嫌いする。これも「当たり前」でなくて「私の勝手な思いで命を差別して、ごめんなさい」と詫びる気持ちがある。

 これが同じ衆生の私に仏さまから賜った心だと思います。
コメント (2)
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