散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

小樽へ(4)

2011年06月11日 21時34分36秒 | 飲み歩き・北海道内
17時を過ぎ、あまり体調が良いとは言えないながらも、何か飲み食いしない訳にも行くまい。工夫のないことだが、前回行った居酒屋「S」へ。メニューが豊富で、他にも食べたいものがあったのだ。

まずは小ビールを注文し、通しは煮つぶ。ヤリイカ刺身、白貝バター焼きを注文。





イカはまあ普通かな。白貝は予想以上に美味しかった。淡白な所をバターで補ってはいるのだろうが、筋肉質な部分と内臓のほろ苦さが絶妙。バターに溶け込んだ貝の汁も実に美味い。

続いて、ホタテグラタン。これも良いねえ。体調が落ち込んでいる時はこういう暖かいものに限る。ホワイトソースに負けない、プリプリのホタテがたっぷり入っている。



次は三升味噌やっこ等をつまんで、燗酒に切り替えつつ、特大ボタンエビの塩焼。これは卵を持った太い胴体を殻ごとバリバリ食べる。最後に頭の部分をえぐり、これがまた美味い。



大体満足して、締めに平目のエンガワ、ウニ乗せ寿し。縁側の部分から、ウニに負けない良い脂が出てきて、小ぶりの寿司めしがさらさらと胃に入って行った。今日もなかなか満足して、2軒目へ行こう。





2軒目は恒例のバー「A」。先客は何度かお会いしたこともある方が1名。空いていたのでカウンター真ん中に腰を下ろす。



1杯目はジンフィズ、2杯目はシャンゼリゼといつものカクテルを飲む。体調はかなり復活してきた感あり。その後、どんどん客が詰め掛けて(最大20人はいたか?)、マスターの飄々とした冗談もさえる。

3杯目はマッカラン12年を使った、贅沢極まりないレディースカクテル。ウィスキーの美味さが支配的だが、それでいてクラシックなカクテルらしいカクテルだ。



最後は少しアルコール控えめにして、ヨコハマを注文。グレナディンシロップを余り入れなかったため(甘さ控えめ)、オレンジ色のカクテルが到着。これを飲んで、イベントがあったために、店に来るのが遅くなったママにもご挨拶をして、小樽駅へと向かう。



小樽駅は改装中で、以前は左手にあったトイレが右側に移動し、非常にきれいになっていた。美術館もそうだが、古い小樽も良いものだが、多少はきれいに改装していくことも必要だろう。トイレだけ拝借して(JRさん、ゴメン)、バスで琴似へと向かう。今日も何とか小樽で気分が楽しくなった。

小樽へ(3)

2011年06月11日 17時08分35秒 | ART
15時過ぎに小樽美術館へ到着。新装なってから、初めての訪問である。まずは奥の新しい事務所で券を購入し、1階の「小樽洋画研究所と中村善策展」から。この場所は基本的に変わらないままである。

加藤悦郎「坂道」:濃厚な感じの坂である。ちょっとだけ岸田劉生の「道路と土手と塀」を思わせる。
中村善策「林檎園の一隅」:これは私の好きな作品で、曲がりくねった林檎の木が心象風景を思わせるような感じを出している。
大月源二「新聞社」:地味な小品だが、昔の仕事場の雰囲気がいい。

続いてこれを楽しみにしていた、2階の「アンリ・ルソーと素朴な画家たち展」へ。

アンドレ・ボーシャン「若い男の肖像」:シンプルな色彩で、変に内面をえぐりだしたりしていない、いい人物画だと思う。
アンリ・ルソー「サン=ニコラ河岸から見たシテ島」:静かでいい風景画。
同「フリュマンス・ビッシュの肖像」:遠近法が少し変な所もあるが、静謐な人物画。今回の素朴派の人たちの画は、なぜか「音がしない」印象を受ける。

カミーユ・ボンボワ「池のほとりの女性たち」:不思議な色彩センス。
同「黒い背景の花束」:カラリストと言えるだろうと思うのだが、決して原色だけではない微妙な色彩も造り出している。
アンソニー・グリーン「時計の修理/1946年の記憶」:変形キャンバスに地の底から伸びてくるような階段と赤いカーペットが描かれている。登場人物の老夫婦と、鏡の中にいるかのような時計職人。夢の中の映像を思わせるような、不思議で奇怪な作品。



そして3階の一原有徳記念ホールで「幻視者一原有徳の世界展」。



ロビーがなかなかカッコいい記念ホールから、一原の工房を再現した部屋もある展示室へ。まず目を奪われるのは、何と言ってもその作品群だ。私は何と言ってもモノタイプの作品がすきだ。

「LEY(B)」「LEY(b)」:何重にも直線のパイプ状のものが描かれ、無機質な空間を表現している作品。単純な構図でありながら、つい奥底を覗き込んでしまう。
「SOP(2)」:宇宙のどこかにこの風景がきっと存在しているに違いない。
「VON1001」「ブラックホール」:何とこの作品は床置きなので、自分の周囲すべてが一原作品という得難い経験ができる。

但し、本人は作品を風景っぽく見られるのが心外だったようである。地平線のように見える部分も、作業効率化のためだそうで、本来は画面全てをパターンで覆いたかったのだが、作品を多く制作したいこともあって黒塗りの部分を作ったとのこと。まあ、見る側にとっては違うものが見えるのもやむを得ない所だろう。この他にも1950年代の油彩、オブジェっぽい作品もあり、興味深い。

美術が多少なりとも好きで、一原有徳の作品を見たことが無い人は、ぜひ行って欲しいと思う。私は世界に通じる版画の第一人者だと思っているのだ。



1階に戻り市民ギャラリーを眺め(今回は文学館はパス)、休憩室でしばし休憩。さて17時になった。

小樽へ(2)

2011年06月11日 15時44分24秒 | 旅日記
焼きそばを食べてから、いつもの古本屋へ。どうも本日は調子が良くなく、本の題名が目に入ってこない。私はいついかなる時でも本屋に行くと、精神活動のレベル感が上がる男なのだが、今日はどうもなあ…。ということで、南小樽に向かう。



時間つぶしに風呂でも行こうと思い、延々と歩く。段々天候も良くなってきたせいか、少し暑い。温泉施設「O」へやっと到着。入浴料は予想より高い800円であった。しばらく風呂に入るが、どうも汗が出切らない感じ。

風呂を出て2階の休憩所へ。どうも今のところビールを飲む気にもなれず、とりあえずリボンシトロンでのどの渇きをいやす。



もう少し休憩所でのんびりしようかと思ったが、意外に時間がなくなっていた。海沿いを歩いて、本来の目的である小樽美術館へと向かう。小樽にはアジアの観光客が戻っているようだった。但し人数が完全に回復したのかどうかまでは分からない。それから変な自転車で引くシクロのようなものがいるのだが、どうにも雰囲気が悪く見苦しい…




小樽へ(1)

2011年06月11日 12時36分42秒 | 食べ歩き
本日の札幌は○○○○○○○○祭。我慢しながら午前中はギャラリー巡りをする考え方もあったが、体の調子が悪く行けなかった(飲み過ぎ)。やっと昼頃にのろのろ活動を開始し、バスで小樽へと向かう。駅前で本屋に行ってから、長崎屋地下の焼きそば店「D」へ。

以前2回の訪問はソース焼きそばだったので、今回はあんかけ焼きそばを試してみよう。とはいっても、ベースのソース焼きそば(味付けは薄め)に、野菜・豚肉・海老のあんをかけるという、荒技メニューなのである。



ビジュアルはかなり美しい。味はというと麺のソース味は控えめなので(普通に食べる時もソースをかけて調整する)、あんがかかってちょうど良い感じだ。具が予想以上に豊富なのも嬉しい。

途中で一部分にさらにソースをかけたり、辛子を混ぜたりしながら完食。いや、この素朴な味は良いですよ。