本日のギャラリー巡りはHOKUBU記念絵画館→市民→エッセ→大丸→紀伊国屋→札教サテライト→STV北2条→時計台→道新→大通→富士フイルム→三越→スカイホール→さいとう→NEW STARの15か所。
■HOKUBU記念絵画館「長尾淘太とエスプリの全景」。長尾淘太の作品はフランスの都市と農村を描いたもの。モロッコにも行ったことがあるため、ややアラブ風味のものもあった。
「ユーゴスラビアスピリット」:青い空に石造りの街。教会の塔が見える、穏やかな作品。
「ベルベル人の男」:北アフリカの人ということか。青いターバンを巻いており、異国風味。
3階は三岸黄太郎、増田誠、児玉幸雄、蛯子善悦、三岸節子らの作品。
中谷龍一「教会への道」:腰の曲がった女性が教会に向かって歩いている。人の存在に目が行く作品だ。
三岸黄太郎「幻の城」:「幻」のせいもあるだろうが、穏やかだが人を寄せ付けない雰囲気がある。
児玉幸雄「ムフタール通り」:楕円のキャンバスに描かれた、活気のある市場の様子。
広瀬功「パリ風景」:ガッチリとした石造りの建物が、作品の4分の3を占めており、それぞれの壁の色の違いが表現されている。夕景の赤い色彩と、黒く影のような街路灯の線が効果的である。
ここから、市民ギャラリーへ歩いて移動。途中のルネッサンスホテルで、オーロラ3人娘(死語)を発見。
豊平川の所の交差点では、古いビルの改修だろうか、取り壊しだろうか。テナントは一軒もなくなっているようだ。
市民ギャラリーの入口には、何のキャプションもなく彫刻が3点おかれている。
一体何事かと思ったら、全道展の準備をしているのだった。審査は本日終了したらしい。
■ギャラリーエッセ「季の会 北の女流画家展」。
佐藤美和子「unison(恵み深き母よ)」:左右対称に描かれた、聖母のイメージ。鏡に女性の母(作者?)が描かれており、絵画的シンボルに満ちている。
塚崎聖子「飛びたいうさぎたち」:自転車に乗る子供、ローラースケートを履いたうさぎ、うさぎの帽子で跳ねている子供。いずれも、空へ向かいたい志向が見てとれる。
■紀伊国屋「物語にみる源平合戦」。
「平家物語 奈良絵本」:平敦盛や那須野与一の登場する、盛り上がりシーン。色彩が素晴らしい。
「木曽物語絵巻」:牛の角に松明を付けて攻めかけるパノラマ的なシーンと、今井四郎兼平が刀を咥えて自害するシーンが描かれている。自害シーンは血が出ておらず、少しコミカルなようにも見える。
「平家物語延宝五年版」:平家軍が谷底に落ちる、倶梨伽羅落としの名場面(悲惨な場面)。このシーンの挿絵が沢山あったので、娯楽読物としてはポイントなのであろう。
■STV北2条ビル「野沢桐子展」。
私の来場も3回目、ついに作者の野沢さんにお会いしてしまった。つい「「Who is Joker」でガーンと来て、それ以来のファンで、BISENのOB展(*)、パルコの展示も見ています。個展をとても楽しみにしていましたので、ここに来るのも3回目です」(←ストーカー?)と、激白してしまう。
(*)BISENと言ってしまったのですが、北海道芸術デザイン専門学校でした。すみません。
東日本大震災以降に描かれた「Japanese 2011」では、これまで使ってきた赤の色彩を使えず、またこれまでの作品でもポイントの一つだった照明器具に光を入れることができなかった、と教えていただいた。
「この作風だと、沢山描けないですよね」と聞くと、「特訓して、昔よりは速く描けるようになったんです。肌の質感も特訓して、以前より…」とのこと。特訓好きな、熱い方なので、まだまだこれからもやってくれそうだ。今後のご活躍を期待しています。
■時計台ギャラリー「第46回白日会北海道支部展」。
高橋芳夫「エーゲ海への憧憬」:背景に明るいエーゲ海。手前に陶器が3つ。この陶器がいい形をしているのである。
大久保育美「鎮魂花」:水につかる女性とその周りに花がある。非常に上手いのだが、リアルというよりは、象徴。メランコリックな感じがする。
■時計台ギャラリー「内崎さき子日本画展」。
「冬のアカシア」「アカシアの季節」「朝陽の中で」:いずれも大きな樹を中心に置いた作品。それぞれ全く違った樹であり、人物画のようですらある。
■富士フイルムフォトサロン「石井愛子写真展」。山形県鶴岡市の水族館にいるクラゲの写真展。クラゲは宇宙のようでもあり、地球のようでもあり、そして生物である。
■スカイホール「第13回道草展」。
蒼野甘夏「What a Wonderful World」:可愛いチビザルが2匹。日本画で猿といえば、墨で描かれ、手の長い不気味な感じだが、こちらは至って可愛いキャラクター的な猿である。
■さいとうギャラリー「水戸麻記子絵画展 MITORAMA -再会-」。
「4月の雪」:コートを着たサボテン男が、雪空を見上げるカッコいい作品。
「カフェにて」:後で水戸さんに伺ったところ正解だったが、「北都館」を描いたもの。
「花壇を踏んではいけません」:赤レンガ前の花壇で、ケムール人が飛び跳ねている。
「サンローゼ」:先日、私もサンローゼに行ったが、あの独特の空間、貴重である。この作品では怪しい毛玉男が座っている。
「身長3mの宇宙人」:いや、どこかで見たことがあるなあと、猛烈に気になり聞いてみた所、子供の頃の怪奇現象を紹介する本に載っていた宇宙人とのこと。今検索してみたが、「フラットウッズモンスター」と言って有名な宇宙人だったのだね。画では、明るいフラワーガーデンに登場しており、「明るく描いてみたのですが、トラウマです」と水戸さんが言っていた。
それから、JR ART-BOXに出品している「北海道ツラの皮」の熊谷大介氏が夫だそうだ。今度、熱くプロレスの話をしましょう。私は主に90年代全日のファンです。