散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

2012東京紀行(10) 夜食

2012年06月23日 21時24分05秒 | 食べ歩き
ご飯ものを食べていないせいか、少し空腹感を感じる。ホテルの前に「HU」といううどん屋さんがあるではないか。これはちょうどいいと店頭でしばしメニューを考えながら入る。



あっさりしたおろししょうゆうどん(小)を頼み、少し物足りなさそうだと思ったのか肉シュウマイを頼む(余計だ…)。無料の天かすと、少し甘めの醤油が美味しい…。ホテルに戻り、疲れきりましたの30660歩。




2012東京紀行(9) 行ったことのある店へ

2012年06月23日 21時20分13秒 | 飲み歩き・東京
実は深川番所ギャラリーに行くと決めた時に、終わったら森下にでて、あそこに行こう、と思っていた店があるのだ。しかし、あまりにも有名な居酒屋。開店30分前に店の前を通ると、すでに10人以上が行列をしている。これでは…、とちょっと気持ちが冷めてしまった。よし、ならば清澄白河に戻ろう。

ということで、旅がスタートする時点の趣旨とは違ってしまっているが、2回目の訪問となる焼鳥「H」へ。実にのどが渇いたので、ハイボールを注文。通しは山くらげかな?





本日のおすすめを拝見して、よし、とりもつ煮込みを行ってみよう。





とりもつのいろいろな部分が入っていて、少し甘じょっぱい味付けは期待通りだ。ここから焼鳥を注文。まずはやきとり(鳥精だな)、皮。前回訪問した時の3代目はいなかったが、おそらくその母君と思われる人が炭火で焼いてくれるやきとりは、実に安定した旨さだ。



続いてレバ、つくね。今度はタレ味を求めてみたが、いい感じである。ところで、カウンターには壺に入った辛味噌があるのだが、これを少々つけてみるのも刺激があっていい。ただし、かなり辛いのでつける量には注意が必要だ。



梅干ハイ(炭酸割り)を注文し、最後に手羽先で締める。手羽先は食べ応えがあって、嬉しい限りだ。しかし、梅干ハイなんていうのを頼むのは、少々疲れが来ているのだろうか。



ここはこれくらいで切り上げて、銀座に移動。やはりカクテルを飲みたい。ということで、9か月ぶり位の訪問となる「FS」へ。1杯目は炭酸が入っているのがいいのだが、平凡なのは良くない。相談の結果、アブサンとミントリキュールを炭酸で割った、ペロケというカクテルが登場。味のベースはアブサンだが、ミントの後味がひとひねり効いている。

2杯目は前回のスモーキーマティーニから発展させ、アクアビットスモーキーマティーニを注文。このカクテルは大体アクアビット勝ちになってしまうのだが、なぜかウィスキーの甘さが感じられる珍しい仕上がりとなった。これまた面白い。少々ひねった注文に、オーナーから「先発投手なのに、最初からフォークボール2連発ですね」との野球たとえがでる。

3杯目は「最近、バンブー好きなのですが、それとは少し違う感じで…」とお願いしてみると、熟成度の高いシェリーとスイートベルモットをつかったスイートバンブーが登場する。これはシェリーの美味しさと香りが際立ち、酸味も効いているので、スイートながらそれほどしつこくないカクテルなのだ。最初からこういう味で完成されている酒があるかのようだ。



よし、もう一軒行こう。次は実に久しぶりの「hB」へ。カウンターだけで、こぢんまりとした船室チックなバーである。最初の一杯はウィスキーだ。アランモルト1999年は甘みがあって華やかな感じがする。

2杯目は少しアルコール控えめのカクテルということで、ブロンクステラスを頂いた。ジンにベルモットとライムの入る、マティーニのようなギムレットのようなレシピである。さわやかなカクテルを頂き、久しぶりにバーテンダー氏と会話して、本日の酒飲みは終了。



眠り込んでしまうと、55分後に北越谷に着くという、札幌の人間には恐ろしい地下鉄に乗り、茅場町のホテルに戻る。

2012東京紀行(8) 美術館・ギャラリー巡り

2012年06月23日 16時37分13秒 | ART
昼食を食べ終わり、取って返して「出光美術館」へ。今やっている展覧会は「祭 MATSURI」という祭や名所を舞台にした作品なのである。いくつか作品を紹介しよう。



「月次風俗図扇面」:御霊会や興福寺で行われた田楽図が描かれている貴重な作品。
「祇園祭礼図屏風」:単独で祇園祭を描いたものとしては最古の作品らしい(重文)。祭も凄く盛り上がっているというよりは、ひそやかな楽しみという感じがでている。
「洛中洛外図屏風」:三十三間堂から、大仏殿(昔京都にあった)、歌舞伎小屋、清水寺、金閣寺、二条城など京都の名所が描かれた作品。人々の様子も描くため、建物とのサイズバランスがかなりくずれている。

「江戸名所図屏風」:こちらは東照宮、浅草寺、不忍池、神田川、日本橋、江戸城、銀座、新橋と江戸の名所が勢ぞろいだ。神輿を担ぐ様子や(これは威勢がいい)、喧嘩? のシーンも描かれている。
「浄瑠璃芝居看板絵屏風」:首や胴体がぶった切られている、芝居のイメージ画らしい。
「草花蒔絵螺鈿手箱」:五段重に小皿が5枚、杯、酒が半升くらい入りそうな入れ物のセットで、お祭り気分が湧き上がってくる。

烏龍茶、煎茶、ほうじ茶の冷たいのと暖かいのが選べるサーバーで、冷たい烏龍茶を頂きながら休憩。




→皇居方面。

次は皇居方面に歩く途中、明治生命館という立派な建物(重文)があり、内部の見学ができるというので入ってみた。写真をそこそこ撮影したので、別項で紹介してみたい。しかし財閥系の建物は三井美術館といい、三菱一号館美術館といい、立派なものが多い。



皇居内に入り「三の丸尚蔵館」へ。現在は「内国勧業博覧会」という明治の日本で行われた博覧会に出品された作品の展示が行われている。ここでは、あまり有名ではない(知っている人は知っているのだろうが)こういう展覧会があるので、東京に来る時にはついチェックしてしまう。



西村總左衛門「塩瀬友禅海棠に孔雀図」:友禅でかなり精巧な絵図。凄い。
印藤真楯「古代応募兵図」:応募兵(実際は徴兵だろう)に子がすがり、妻が泣いている作品。前年に徴兵令が改正されたため描かれたので、戦争反対かと思ったのだが、こういう博覧会に出品されているということは、富国強兵の奨励なのだろうか。

松井昇「かたみ」:華美を自粛するために描かれた作品らしい。
西村總左衛門「天鵞絨友禅嵐ノ図」:今度は巨大な鷲を描いたもの。この人の作品はスケールが大きい。

こういう工芸作品はたまに見ると非常に面白い。ここで地下鉄に乗ろうと三越前方面へ。すると「GALERIE SHO」という現代アートのギャラリーが見つかった。ちょっと入ってみよう。



ELIZABETH CRAWFORD「THE DISH RAN AWAY WITH THE SPOON」:小さな瓶づめと缶、小さなスプーンが2本。静かな作品だ。
BRIGITTE ZIEGER「WOMEN ARE DIFFERENT FROM MEN」:銃をこちらに向ける女。紙には10発の銃弾で開けられたらしき穴があいている。蝶の燐粉や鉛筆で描かれたちょっとドキッとする作品。
湯浅加奈子「DREAM」:黒い宇宙にぎっしりとフルーツが描かれている楽しい作品。
高田茉依「パラサイトニッポン」:お面のような人面の口の中に、1~3つの顔が寄生している。親から離れられず、しかも栄養を吸い取る子供か。

さて、ここで清澄白河に移動。時間ができたので、こうなっては木村環さんの展覧会に行くのが当然ではなかろうか。ギャラリーがちょっとわかりにくかったので、しばらく周囲をうろうろしたが、何とか「深川番所ギャラリー」に到着することができた。


→この2階。ギャラリー名が開いた扉で見えなかったので、しばらく気がつかなかった。

「ケモノの棲む島2012-光」:夜の森で鹿たちが戯れている。その横からは白い光の球が次々と空へ昇っていく。鹿とは相いれない、何か新しい命が生まれたのか。
「ケモノの棲む島2012-2つの浮島」:高さが100m位の中空で向かい合う顔型の島。それぞれに鹿が棲み、島の間はかろうじて何本かの髪の毛で結ばれている。そこを1匹、2匹と渡ろうとする鹿がいるが…。左側の島は目を閉じており、島の下部には海のようなものがある。右側の島は目を開けているが魂がこもっているようには見えず、形は山というか、大地を表しているのだろう。この二つの間を命が通うことによって、何か新しい進化が生じるのだろうか。

この他には「長い眠り」シリーズが10点、無題の作品が2点展示されていた。無題のうちの1点では、眠っている顔がやがて半覚醒状態になり、最後には完全に目を覚ましている。そう、以下に長い眠りであっても、いつかは目が覚めるのではないだろうか。

ギャラリー主に聞くと、昨年東京で開催された木村さんの展覧会を見て、ぜひと声をかけたそうなのだ。私もはるばる見に来ることができて感慨深い。この建物をでて、川の方に階段を上っていくと、テレビでは何度か見かけている松尾芭蕉の坐像が置かれていた。そうですか、あなたはここにいたのですね。





ここで森下方面に歩いていた所、SAKuRA GALLERYという小さなギャラリーを発見。「たいせつにかんじるもの」という3人展をやっていた。中では小野有美子の作品がお気に入り。納屋のような部屋の窓から日が入ると共に、向こう側の壁が無く、そこには光を浴びた叢が浮かんでいる。ありそうで、あまり見たことのない風景だ。

長い長いギャラリー巡りを終えて、いよいよ飲みに繰り出そう。

2012東京紀行(7) 焼きそば食う

2012年06月23日 12時35分00秒 | 食べ歩き
2時間弱、展覧会を見ていたので、次に行く前に、早めの昼食を済ませておこうか。日曜の丸の内は選択の余地が少ない。有楽町まで戻って、パッと目に着いた「K」という立ち食い蕎麦屋に入ることにした。蕎麦屋と言ってももちろんうどんもあるし、丼物も、焼きそばもあるのだ。そういえば、蕎麦屋で焼きそばを出しているという店に記憶がある。



入口の食券機でやきそば(並盛)とコロッケを購入。



既に焼きあがっている焼きそばを温めなおし、コロッケを添えたものがスープと共にやってきた。うーん、かなり盛りがいいぞ。こういうところの並盛は少し量が控えめという予感がしていたのだが、大盛を頼まなくてよかった。



早速食べると、何となく程よく素朴な焼きそばがいい。コロッケは出来立てではないが、衣はパリッとしており、アツアツだ。そして驚きというか意外な嬉しさはスープである。中華スープではなく、蕎麦つゆにネギを入れたものなのだ。何となくこの味には意表をつかれた。ぜひB級グルメファンには試していただきたい味だと思う。


2012東京紀行(6) バーン・ジョーンズ

2012年06月23日 12時29分08秒 | ART
ホテルの部屋でのんびりしつつ、9時頃耐えきれなくなって出発する。今日は何しろ「バーン・ジョーンズ展」の初日なのだ。今回の旅の最大目標が、この展覧会を見ることなのである。

歩いていける距離にあるので、茅場町→日本橋→八重洲→丸の内と歩いて、三菱一号館美術館に到着。まだ開館まで30分ある。やがて入口のシャッターが上がったのでそちらの方向に進んでみると、すでに並んでいる客が3人いた。よし! 何と行列の4番目だ。



以前、東京国立博物館で「書」の展覧会をやっていたときに大行列だったので、東京はいかなる展覧会でも大行列になると思っていたのだが、展覧会初日のせいか、知名度のせいか、それほどではない。しかし待っているうちに興奮してきて、段々心拍数が上がってくるな。10時にやっと開場となり、前の3人が相当年配だったせいで、どさくさにまぎれて1番で入場、単独でエレベータに乗り、展示のスタート場所にただ一人着く。

結果的には、まずは主要作品のみ、ほぼ一人で最後まで見きることができた。途中飛ばした作品もあったので、最初に戻って2周目に突入したが、その時点でもそれほど混雑している様子はなかった。あれ? 予想外だな。みんな、バーン・ジョーンズに興味ないのか?

さて、個別の作品の感想に触れていこう。
「慈悲深き騎士」:キリストとゴツイ鎧を身にまとった騎士との対比の妙だと思う。
「「怠惰」の戸口の前の巡礼」:緑の服の女性が、巡礼を迎えている。一見「怠惰」には見えないのだが…。不思議な作品だ。
「闘い:龍を退治する聖ゲオルギウス」:連作「聖ゲオルギウス」シリーズの1作。これは龍が小さすぎないか? ちょっとした大トカゲくらいのサイズである。騎士の眼がずいぶん残酷に光っている。

「プロセルピナ掠奪」:この人がさらわれたために、冬の季節が生まれたという伝説の話らしい。通りすがりのおばさまに教えてもらったのだが、インテリの人がいるものだ。
「ペレウスの饗宴」:最後の晩餐チックな舞台が、カラフルかつ繊細に描かれている。
「牧神の庭」:大自然の中に笛を吹く牧神と、それを聞く男女が描かれている。よく見ると、カワセミの姿や自然の色彩が表現されている。

「運命の車輪」:これぞ象徴派たる傑作。車輪を回す女神と、それぞれ奴隷、王、詩人を象徴する3人の男が描かれている。
「魔法使い」:バーン・ジョーンズが自分を模したらしい老魔法使いとその弟子の姿。いろいろなモチーフが象徴感を増している。
「ピグマリオンシリーズ4部作」:これも今回の展覧会を代表する4部作だ。もちろん有名な自分の作った彫刻に恋してしまい、それが女神の計らいで本物の女性になるという話なのだが、なにしろ背景が建物、石、木と満遍なく上手い。また、人間になった女性の姿が非常にうまいのだ。手足をあれほど繊細に描く洋画家というのは、あまり見たことがないような気がする。

「メドゥーサの死2」:連作「ペルセウス」シリーズの1作。首を切られたメドゥーサと、それを迎えに来た二人の姉。姉の顔が「海の幸」に描かれている、福田たねさんの顔に似ている。
「果たされた運命:大海蛇を退治するペルセウス」:鎧を着た金属的なペルセウス、シャープでぬめるような大海蛇。そして白い肌が余りにも目立つアンドロメダ。それぞれの対比が作品を印象付けているだろう。そして不自然なほど寄り添った2人と一体。それぞれは写実的ではあっても、全体としては写実風景ではない。あくまでも象徴を1画面に強引に配置したのだろう。



「王宮の中庭・習作」:今度は連作「いばら姫」の1作だ。いばら姫にはつられて眠り込んでしまうお付きの人たちがいるのだが、それを一人一人描いた習作なのである。習作とはいっても、バーン・ジョーンズのデッサン力と色彩感が光る。



これで後「黄金の階段」あたりが来ていれば、大満足というところであったが、まあそれでも十分堪能できた展覧会であった。彼の作品は遠くから見ても美しいし、近くで見ても、決してものすごく上手いという感じでもないが、十分に上手いのである。藤田嗣治とは違う意味で、描いた女性が非常に美しいのが印象的であった。

また、「ピグマリオン」あたりは、非常に近代的というか「少女漫画の祖」と言っても過言ではないような気がした。おそらく、マンガを文化として研究するためには、絵画の知識がどこかで必要になってくると思うのであった。

もちろん図録を購入して外に出る。

2012東京紀行(5) 散歩&朝食

2012年06月23日 08時28分05秒 | 食べ歩き
ホテルにいると、どうも空気が乾燥しているせいか断続的に目が覚めてしまう。午前1時、3時と一度目を覚まし、結局は5時半ころ起床。まだ涼しい東京の朝、軽く散歩に出かけてみた。近所を一回りし、コンビニで新聞と水を買ってホテルに戻る。

7時からホテルの一階に併設されている「P」で朝食。トースト(クロワッサンを追加)、ゆで玉子、サラダ、アイスカフェラテを食べる。朝食としては十分だ。ロビーに自由に使えるパソコンがあるので、自分のブログを確認(特に変わりなし…)。