散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

2012東京紀行(4) 初めての居酒屋

2012年06月22日 22時00分03秒 | 飲み歩き・東京
さて、今回は事前に行く店を調査しないように心掛けてきた。余りにもネット上の評判をあらかじめ調査しておくのが、つまらない感じがしてきたからだ。ということで、八丁堀~茅場町界隈をぶらりとしながら、適当に飲み屋に入ってみることにした。

一軒目は八丁堀のたち飲み「G」だ。確か新橋にも系列店があり、行ったことがあるのだが、その辺は許してもらおう。夕方までのサービスメニューの中から、緑茶ハイを注文し、つまみは自家製チャーシューを選んでみた。

緑茶ハイを飲みつつしばし待つと、千切りキャベツの上にチャーシューが載せられ、温められたものが到着。辛子をちょっとつけて一口、うーん、甘い味が疲れた体にしみわたる。これはお手頃、旨いがそろったつまみである。また、下にあるキャベツが味を吸ったところもいい付け合わせになっている。





次は会津の宮泉という酒と煮まぐろを注文。煮まぐろは角切りのまぐろかなと思ったら、かなりすじの部分が含まれた、ダイナミックなサイズだった。煮てある場合、すじの部分はねっとりとした口触りを生んで、効果的なのである。





隣の見知らぬおじさんが「この店初めてかい。ここは酒も豊富だし、いいところなんだ」と声を掛けてくれた。なかなか明るいうちから楽しい雰囲気で、機嫌良く次へ。





2軒目は18時頃になって、茅場町の「T」へ。いかにも古典的な居酒屋である。まだ混雑していない店内に入り、カウンターの隅に着席。のどが渇いたのでハイボールを注文。通しはメンマの煮たものである。

まずは今日の大サービスメニュー(何と120円)、ささ身昆布〆を注文。薄切りになったささ身に、何やら黒いものが付いているが、どうやら昆布をペースト状にしたものらしい。魚の刺身のように平らな昆布で締めた身の部分だけが到着するのかと思っていたので、少々驚いたが、味はなかなかである。





続いて焼鳥を注文。まずは鳥正肉、軟骨。



次はレバ。オーソドックスな焼鳥だ。ここで焼酎の生茶割りを追加。



1軒目のボリュームも効いてきて、つくねで締める。やや少し平凡という気がしないでもないが、気取らずに入れる居酒屋に満足。もっと人数が多ければ、いろいろなものが楽しめるだろう。





3軒目はふらふらとつい行ったことのある八丁堀のバール「m」へ。ここは相変わらずの大人気だが、カウンターの一番手前に立つことができた(立ち飲み店である)。白ワインのシャルドネを頼み、やや満腹ながらも千代幻豚のリエットを注文。

いや、驚いた。280円のリエットがここまで旨いかね。やはり大人気店で量が出るせいなのかなあ。これは確実にまた来たくなる店だ。この他にも洋風つまみ5品、和風つまみ5品など実に食べ物が豊富。飲み物も酒屋だけあって、驚くほどの種類があるのだ。

また数年前に来たときに働いていた女性が、まだ二人ともいることにも感心した。やはりお店の人が、長く続けられる店の方が良いと思う。最後に私も強い酒が飲みたくなって、サクランボマティーニを注文してみる。ほのかな甘さだが、多分結構強いはず。





段々怪しくなり、帰りにコンビニでハイボール缶と夜食を買って帰宅。ふらふらの23647歩。





22時頃、早くも就寝。

2012東京紀行(3) 東京へ

2012年06月22日 16時18分31秒 | ART
みなとみらい駅から横浜駅に出て、また京急で日本橋へ。散々道に迷いながら、とりあえずホテルにチェックイン。まだ時間があるので、ぶらぶら界隈を歩きながら、予定を一日早めてブリジストン美術館に行くことにしよう。

まだ周辺地理を把握していないので、若干遠回りになってしまったが、何とか到着。ブリジストン美術館では開館60周年記念「あなたに見せたい絵があります。」という展覧会をやっている。この美術館の所蔵品と石橋美術館の作品ばかりなので、見たことのある作品も多いが、紹介していこう。





坂本繁二郎「自像」:彼特有の描き方なので「影薄そう」と思ってしまったが、結構長生きなのね。
中村彜「自画像」:この作品は描かれた顔から、通称「にがむし」と呼ばれていたらしい。暑苦しい人柄が感じられる。
小出楢重「帽子をかぶった自画像」:この時代には珍しくおしゃれさんかも。

関根正二「子供」:自分が死んだ年に子供の顔を描いたのだが、弱冠二十歳、何を思っただろうか。
アンリ・マティス「画室の裸婦」:緑をバックに、赤い裸婦。これは何となく好きだ。
岡田三郎助「水浴の前」:こんな縦長の画があったとは。ニンフのような女性である。

黒田清輝「ブレハの少女」:なぜか筆遣いも描かれた少女もワイルドで、黒田にしては珍しいのでは。服の水色は黒田カラー(「湖畔」のようだ)といえるだろう。
坂本繁二郎「帽子を持てる女」:女性像は珍しい。やはり淡色で描かれていて、プリントっぽい感じもする。
ロートレック「サーカスの舞台裏」:神話ではなく、画家の同時代を描いたのだ。

オノレ・ドーミエ「山中のドン・キホーテ」:ドン・キホーテとサンチョを実にカッコよく描いている。風刺画以外も描いていたのか。
藤島武二「天平の面影」:画題が青木繁っぽいが、やはり藤島の方が一般論としては上手いな。
青木繁「天平時代」:今回は青木繁が5点あり、嬉しい。自画像でも使っていたオレンジの輪郭線が妙に決まっている。

青木繁「海の幸」:3度目にして、今回はじめて額縁をよく見たが、四隅には開きになったような魚が、周囲には魚のうろこのような形が彫りこまれている。
ギュスターブ・カイユボット「ピアノを弾く若い男」:新収蔵品。アパートの部屋でピアノを弾く、ずいぶん近代的な作品。
岡鹿之助「セーヌ河畔」:ルソーっぽいね。佐伯祐三の作品にもあった「PICON」の看板が描かれている。

雪舟「四季山水図」:えっ! 石橋美術館で持ってるの? 国宝じゃないの?
シスレー「森へ行く女たち」:建物の黒い屋根と白い空の対比が素晴らしい。目がすっとする思いだ。
ピート・モンドリアン「砂丘」:点描により構成要素に分解はされているが、具象作品だ。

この美術館は古代美術の作品から、レンブラント~ポロックまで所有しているので、「あの画家だったら見たことがあるよ」というためには、相当手っ取り早い美術館である。もちろんそれだけではなく、良い作品も多いのだ。

この辺で一杯やりに行くことにしよう。

2012東京紀行(2) エルンスト展

2012年06月22日 14時12分57秒 | ART
横浜美術館の「マックス・エルンスト展」会場に入ると平日、雨という条件も重なったせいか、比較的混雑していなかった。落ち着いて最初から見ていくことにする。



「偶像」:彼が35歳ころの作品。最初からいきなり良い作品、フレッシュである。
「博物誌」シリーズ:フロッタージュ技法だが、下にあるものがそのまま浮き出たのではなく、きちんとした形を作り出している。
「籠の中の鳥」:籠と鳥が描かれているのだが、何と鳥は籠の前にいるのである。実際には自由であるにも関わらず、勝手に籠に呪縛されているということか。

「メキシコ湾流」:黒い海には網目のようにうねりが描かれており、色彩のグラデーションが綺麗だ。空には白いリングが描かれている。金環食のようにも、光の弱い月のようにも見える。
「石化した森」:彼の代表作の一つだろう。同じパターンで3点の作品があった。岩山のような存在感のある森と、やはり太陽を模した白いリングが描かれている。
「小麦の芽吹く風景」:畑というか砂丘というか、赤・オレンジ・紫・黄色・緑・黒で大地が描かれている。空は緑で、これは色彩中心の傑作だ。

「慈善週間または七大元素「第五のノート木曜日 元素‐暗黒 もう一例-イースター島」:鶏と熊の合体したような生物(楳津かずお作か?)から姿を隠す女。
「ニンフ・エコー」:シュールな植物の図。同時期に小川原脩が描いた作品に似ている。
「少女が見た湖の夢」:沼と動物の隠れ姿が描かれている岩と樹木。普通に描いた作品もコラージュのようなイメージである。

「ユークリッド」:四角錐の顔をした貴婦人。よく見ると背景の線が平面を分割し、多彩な色で塗り分けされている。
「二つの基本方位」:真っ赤な空、色彩分割された地層、二つの火山からそれぞれ緑色と紫色の煙が上っている。印象的な作品。
「パリの春」:ゆるキャラ登場というか、マチスかミロぽい雰囲気。

「嘘八百」:こちらもマチス調というか、オレンジの球はセザンヌっぽいというか。
「大アルべルトゥス」:結晶化した紺の背景、赤と黄色で顔のイメージが出現している。
「ポーランドの騎手」:石化した森と馬の顔の二重イメージ。なかなかの傑作だと思う。

「三本の糸杉」:赤・黄・緑の3本の糸杉。何となくハリボテ感が漂う。
「最後の森」:初期の岩のような森ではなく、幾分柔らかくなったような感じ。中央には緑の穴のあいた円が配置され、背景が黄色に光っている。初期の力が蘇ったか。

全体としては、前半は期待通り、後半は少々「あれ?」と思ってしまった。何となく自分の作品の再構成というか、キリコの後期問題(全く同じような作品をただ再作成していた)という気がするのだ。途中から何となくマチス、ミロに近いなあという感じを抱いてしまったところもある。まあ、彼の人生を追って作品を見ることができたのは、やはり収穫だと言える。

美術館の外に出ると、すでに雨は上がっていた。よし、東京へ移動だ。




2012東京紀行(1) まず横浜

2012年06月22日 12時10分26秒 | 食べ歩き
6時55分琴似発の電車で新千歳空港へと向かう。朝の札幌はかなり涼しい。飛行機の中のドリンクサービスでは、久々にコーヒーが復活していたような気がする。珍しくコーヒーを飲んでみたのだが、なかなかおいしい。



今回は羽田空港から珍しく京急で横浜へ向かう。乗りかえてみなとみらい駅へ。残念ながらこの時点の横浜は雨。念のため持ってきた折りたたみ傘をつかい横浜美術館へと向かう。他に「大エルミタージュ美術館展」等も考えはしたのだが、自分の好みからすると「マックス・エルンスト フィギュア&スケープ」展を見るべきだと考えたのである。

おっと、その前に腹が減っているので昼食だ。雨のせいもあり、美術館内のカフェで「きのこごはん」というのを注文してみた。しかし、横浜だし、こういう所だし、値段がちょっと高いなあ。予想していたのは、ピラフだったのだが、完全に和風のどんぶりにご飯と吸い物が付いてきた。



味はというと、バターの風味と共に、かなりきのこの香りもするので、悪くはなかった。ま、ここはこのくらいにしておこう。よし、次は展覧会だ。