美術館の場所はバスで20分弱ということなので、歩いて行けそうにはない。開館時間が10時だとすると、もっと早い時間に出るべきなのだが、バスが10時ちょうど発のものしかないのだ。普通、開館時間を考えてダイヤを組まないかな。
とバス停で思っていると、9時50分発の文化の森行きバスというのが来たので、これも直通で目的地へ行けそうだ(文化の森行きは3系統あるようだった)。とはいっても、到着すると10時15分頃。雨の降る中、美術館へ。
美術館の建物はかなり力の入った建築物と見える。
■徳島県立近代美術館「徳島のコレクション」。地域美術館の展覧会は楽しい。
青木千絵「BODY 08-1」:宙づりになった妊婦の下半身のような体は漆の黒につつまれている。足先はかすかに浮いており、その部分の影だけがくっきりと床に投影されている。ライトによる影もポイントとなっている作品。
泉茂「逃げたスペード」:トランプ、チェスの駒、ダイスなどで形作られた人物像。シュールリアリズム系統か。
金田実生「彼の清らかな意思」:ぼんやりと描かれた顔の上半分、少年は目をつぶっている。
児島善三郎「籐椅子に掛ける裸婦」:なんというかドランそのままだな。
椿貞雄「弟茂雄像」:金田実生の肖像とは全く異なり、くっきりと岸田劉生調で描かれた人物像だ。
パウル・クレー「子供と叔母」:ピンク、オレンジ、緑、紫などカラフルだが穏やかな色彩。子供と叔母は目をつぶり微笑みを浮かべているかのようだ。今回の展示は基本的に撮影不可なのだが、この作品だけ記念にということか、撮影が可能になっていた。ちょっと嬉しい。
パブロ・ピカソ「ドラ・マールの肖像」:穏やかに目と鼻がずれている(正面と側面から見た顔を組み合わせたらしい)。
池田遥頓「鳴門」:海が滝のようにわれ、白く渦と波を作り出している。ゴジャゴジャした力感がある。
伊原宇三郎「二人」:肉厚ボディの二人は、西洋彫刻のようである。
中野嘉之「うず潮」:こちらは静かなる海の眼のようなうず潮を描いている。
他にマックス・ベックマンとケーテ・コルヴィッツの連作版画展示があり、ベックマンは大衆の姿を、コルヴィッツは戦争の悲惨さを描き出していた。
同じ建物に徳島県立博物館がある。時間もまだあるし、見ていこう。
四国の地理的な特徴。中心にある山脈で大きく南北に分かれているようだ。
恐竜の骨格展示。
魚竜の骨格展示。これはあまり見たことが無いかも。
供養塔の一種、板碑。こういうのは北海道には無いんだな。
静物標本もあるが、全く見かけないような種類も多い。
メガテリウムという生物の骨格標本。今見たら、腰が抜けるね。
自然にも北海道とは大きな違いがあり、なかなか楽しめる展示だった。本来ならもっとゆっくり解説も読むべきだったなあ。雨が強くなるなか、再びバスに乗り、徳島駅前に戻る。行きとは経路が違うため、少し乗車時間が短かったような気がする。