散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

新年度の東京2(11)神田

2019年04月07日 17時48分32秒 | 飲み歩き・東京
やっと少し何か食べる気になって、立ち飲みの「K」へ。飲み物は黒ホッピーを注文。食べ物はまずは様子見で肉刺し3種盛を頼むとするか。



肉刺しはガツ、鶏レバー、鶏たたきの3種盛り合わせであった。ガツは酸味のある味付け。後で少しラー油を落として食べる。鶏レバーは最初から少し辛めの味付けで、なかなか美味い。



焼酎をお替りして、次はパクチーよだれ鶏奴という謎メニューを注文。やって来たのは冷奴の上に蒸し鶏がのり、全体的に辛い味付けがされている。横にはなかなか多めのパクチーが添えられており、結構なボリュームだ。



一品でいろいろな味が楽しめるいいつまみだったが、また腹が一杯になって来た。よし一旦ホテルに戻って休憩しよう。



ということでホテルに戻るが、ウトウトと寝込んでしまい目が覚めると19時だった。ここからもう一度服を着て外出する気力が無い。そういう事もあろうかと思って、コンビニで今晩用の缶酎ハイとつまみは買っておいたので、シャワーを浴びてから部屋で一杯やりますか。



すっかり大人しくなった私である。

新年度の東京2(10)銀座

2019年04月07日 16時16分26秒 | 飲み歩き・東京
とにかく疲れた。しかし、それほど腹は減っていない。ということで、日曜日も開いている銀座のバー「B」へ。軽く一杯やろう。

まずはこの店ならではの角ハイボールでスタート。15時開店だが、先客は2名。しかしながら、この二人がなかなか下品な声を上げる。早く出ていかないかな・・・。



2杯目はちょっと変化球でペルノートニック。ペルノー特有の味わいを楽しんでいると、やっと先客が出て行った。



しかし、そうなると客は私しかおらず、なかなか辛いものがある。いずれにせよここは2杯で切り上げて、神田に移動。


新年度の東京2(9)モロー他

2019年04月07日 15時20分33秒 | ART
この後、有楽町まで歩いて、汐留に移動。

■パナソニック汐留美術館「ギュスターヴ・モロー展」。ギュスターヴ・モローと聞いたら、見なくてはならない。
「バルクと死の天使」:未完成っぽいが、モローだよなあ。
「出現」:サロメの体つきがエロいんだよな。
「サロメ」:肉感的なタイプばかりではなく、少女顔でスリム、白い肌のサロメもいた。

「デリラ」:こちらは褐色の肌で南国風美人に見える。
「セイレーン」:日没の海を見渡す岩礁に3人のセイレーン。風景画としての要素もある。
「レダ」:レダが白鳥に変身したゼウスを引き寄せる、主体的な動きをしている。女性は受け身のようであって、実は自ら運命を引き寄せるというモローの女性観の表れか。

「エウロペの誘拐」:これは古典的、神話的な描写。それにしても、牡牛に変身して女に迫るゼウスの間抜け面がなんとも。
「サッフォー」:自死のシーンをせめてもの華麗な服とアクセサリーで表現している。
「エヴァ」:このエヴァ(一般的にはイブ)は表情が強く、体も筋肉質だ。
「一角獣」:細かくカラフルで全体としてにぎやかな印象。



うむ、そこそこ満足した。

■鉄道歴史展示室「貨物ステーション カモツのヒ・ミ・ツ」。この展示室、写真の撮影が完全不可というのを何とかしてほしいものである。

貨物列車に関する資料が展示されていたが、かつて鮮魚特急とびうお号(長崎~東京市場)、鮮魚特急ぎんりん号(博多港~大阪)と時速100キロの高速貨物が走っていたのだとか。また、貨物は行き先が細かく分かれるので、1920年代からパンチカードが導入され、1930年代にはパンチ、分類、結果の印字を1台の機械でやっていたのだそうだ。JR貨物の人たちが、私の仕事の先人たちでもあるようだ。

また賃銭表という荷物を運ぶ値段表があり、珍しい所ではタピオーカ、レモナード、ヒスキット(ビスケット)も記入されていた。ちなみにタピオーカの運送料は卵と同じ12銭5厘だそうである。

ここで力尽きて、銀座方面に向かう。するとちょうど資生堂ギャラリーがあるではないか。

■資生堂ギャラリー「荒木悠 LE SOUVENIR DU JAPON」。
「The Last Ball」:昔風のホールの中央に弦楽四重奏団、その周りを男女がダンスをするかのようにiPhoneで互いの姿を写したものを映像化。その様子全体を映した映像も別にあり、何とも目まぐるしい。
「戯訳「江戸」」:ピエール・ロティ「秋の日本」という130年以上前の文章を字幕として、現代の東京(浅草、芝)を映像化した作品。今に残る寺社もあるので、なんとなく字幕と映像が合っているようでもあり面白い。



新年度の東京2(8)ラファエル

2019年04月07日 14時31分09秒 | ART
有楽町方面の地下を歩いていると、行幸地下ギャラリーで「世界の鉄道」というパネル写真展示をやっていた。

 

ちらっと見て、こちらへ。


→地下に入口があったんだ。

■三菱一号館美術館「ラファエル前派の軌跡」。「ラファエル前派」と来るならば、見ておかなくては。
ウィリアム・ターナー「ナポリ湾(怒れるヴェスヴィオ山)」:小さな画だがまさに大噴火の様相である。
ジョン・ラスキン「木の習作-風景のなかの2本の木」:木の枝がぐるりと円を描いているところがあり、世の東西があっても同じことを考える人はいるものである。前半はラスキンの作品多し。
ジョン・エヴァレット・ミレイ「滝」:ものすごく細やかで上手い。すべてが本物の色彩を持って表現されている。この作品のある「ラファエル前派」の部屋は写真撮影が可能。これも一応撮っては見たが、ちゃんと写っていないだろうな。



ジョン・エヴァレット・ミレイ「結婚通知-捨てられて」:これまた上手い。しかしながら、ミレイはリアルに描くことに拘束感を感じ、画風を変えていくのだとか。



ジョン・ブレット「釣り人」:円形のキャンバスに描かれた小さな宇宙のような作品。氷のような白い岩と、陰に立つ釣り人。久野志乃の作品を思わせずにはおかない。
ウィリアム・ヘンリー・ハント「ヨーロッパカヤクグリ(イワヒバリ属)の巣」:これは見たことがあるような気がするが、奇跡の細やか作品。
フレデリック・サンズ「ヴァルキューリ」:自分の身を抱くようにポーズを取りながら、頭蓋骨を踏み、カラスと対峙する女性。死の香りである。

エドワード・バーン=ジョーンズ「赦しの樹」:裏切りで死んだ女性が、気の毒に思った神々によってアーモンドの樹に変えられる。裏切った男性が詫びを入れようとすると、樹の裂けめからメリメリと女性が出てきて、男性に飛びつくというシーンである。女性は裏切った男性を赦しているのだそうだが、相手の目を見つめて腕で体を完全にロック。絶対許していないと思う。男性はビビった顔で逃げ腰になっているのだが、これはまるで「キャリー」のエンディングではあるまいか。作品としては間違いなく気合の入った、今展覧会随一の作品。私の年間ランキングにも入るだろう。


→男「えっ、お、お前、生きてたのかよ」と思っています。

エドワード・バーン=ジョーンズ「コフェテュア王と乞食娘」:未完成ながら、皮や鉄帷子の質感が素晴らしい。
エドワード・バーン=ジョーンズ「三美神」:古典的な三美神とは違って、現代風である。「キャッツアイ」を洗練させた絵画に仕上げた感じか。

少々、3年前にBunkamuraで見た「ラファエル前派展」より大作が少ない気もするが…。



なお、同じ建物では次の展覧会もやっていた。

■三菱一号館美術館「松元悠 活蟹に蓋」。アートアワードトーキョー丸の内2018」三菱地所賞受賞者の展覧会。
「窓(栄村)」:絵画作品に短文の説明が「新しい家、こちらを見る村人と目が合う」と書いてある。また、説明用のチラシにGoogle検索用のキーワードとして「忘れられた被災地」とあったので、今、検索してみた。すると2011年3月12日未明に長野県栄村で震度6強の地震があったというではないか。正直なところ、これは知らなかった。この他の作品も検索してみると色々あるようだ。なかなか面白い展覧会であった。


新年度の東京2(7)どうやって

2019年04月07日 12時24分05秒 | 食べ歩き
あまりの空腹に残念ながら工芸館をパスし、丸の内方面に戻る。普段ならば隣の新聞社ビルで食事を取るところなのだが、日曜日とあって全館休館なのである。そして、この近くには全く飲食店がみあたらない・・・。

怒りと共に猛烈に歩き、結局、丸の内まで来てからカフェっぽい店「M」へ。空いているのがここだけだったのだ。メニューを見ると、サンドイッチ、パスタ、ハヤシライスなどのメニューがあるが、なかなかいい値段するね。あまりボリュームを大きくしたくないと、イベリコ豚とアボカドソースのサンドイッチを注文。メニューに書いてあったランチスパークリングワインもつい頼んでしまう。



スパークリングワインはかなりドライな味だ。続いてカボチャのスープ。なかなか美味い。



そしてメインとしてやって来たサンドイッチはうーん、どうやって食べるんだろう。ナイフとフォークも置いてあるからカットするのかな。



いや、普通手づかみで食べるだろうと、えいやっと持ちあげて食べてみると、これが実に食べづらい。ハンバーガーなら肉が簡単に噛み切れる気もするが、ローストポークは噛み切れないのだ。おまけにアボカドソースもはみ出してくる。味は悪くないんだけどなあ。

後に私の隣に来た女子が同じものを頼んでいたので、一体どうやって食べる気かと思ったら、箸でサンドイッチを分解しながら食べていた。それが正解です!

新年度の東京2(6)近美

2019年04月07日 11時35分21秒 | ART
一旦、5時に目覚め、結局6時過ぎに起床。今日の朝食はマルちゃん正麺焼そば。麺の戻り方が名前通りすごいのだが、正直なところ、私は本格麺よりもチープな味を期待しているのだなあ。

 

それはさておき、結構ゆっくり目に出発。10時をかなり過ぎてから東京国立近代美術館に到着する。



■東京国立近代美術館「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」。
「人間嫌い」:一人列車に乗る男を遠目に描いた作品。初期作品は見たことが無いので新鮮だ。
「他人の恋」:とは言ってもすぐにシュルレアリスム時代に突入。宙に浮いている足は天使か女神なのだろうか。人物も白く抜けたように描かれているところがあり、不思議な作品。
「Poisson d’Avril」:科学本の挿絵からアイディアを得た作品。なぜか実験をしている男がふわっと空中に浮いているように描かれ、軽妙さが感じられる。



「無敵の力」:男が三人押しくらまんじゅう状態で椅子に座る。ふざけているのか、真面目なのか。
「溺死」:横たわる男の口元に持って行っているパイプで溺死させようとしているのか。三岸好太郎が描くような蛾が登場している。思えば三岸の死ぬ直前と同時代の作品だ。
「教授たち会議で他のことを考えている」:真面目そうに見える教授たちだが、椅子の背中がモニターのようになっており、そこにはヌードやボート遊びをしている映像が浮かんでいる。彼らの心の中を写しているという意味だろう。

「題不詳(人ならば浮名や立たむさ夜ふけて我た枕に通ふ梅ヶ香)」:題名からわかるように女性が床に入っている和風の題材。奥の方に唐突に武者が描かれているのも変だ。
「牛」:巨大な2頭の牛が描かれているが、それは穴が開いており安普請の作り物のようだ。満州に行った経験から、その虚像を描いたのではないかと言われている。
「人」:人も同様に石化して、体が朽ちていくようだ。

「雲」:一転して緑、赤、黄緑、青、灰色、白、ピンクで描かれた雲。
「花」:小川原脩にもあるような、南国シュール系植物。
「海」:かなり迫力のある波で、クールベを思わせる。

「船舶兵基地出発」:一人乗りボートで荒海に漕ぎ出す少年。軍部への協力はしなければならなかった模様。
「世相群像」:戦後の作品。右手側の混乱と死から、左側の手を取りあって明るい世界へと進むさまが描かれている。直接的に人の表情は描かれず、ポーズが内心を表現している。
「顔」:戦後にブラジル、メキシコに行った影響で、原色が爆発し始める。
「埋葬」:この1枚だけ撮影可能だった。



「牧神とニンフ」:青い空とオレンジの肌が印象的な作品。ギリシャへと旅行した影響らしい。
「地獄」:ああ、最後は何だか教訓めいて行くんだよな。
「トイレット・ペーパー地獄」:何だか安手な風刺に見える。

「悪のボルテージが上昇するか21世紀」:争う人々の向こうにマンハッタンらしきビル群と、すべてが朽ち果てた荒野が描かれている。
「独立美術協会展絵葉書」:おお、資料に素敵な絵葉書があった。これ、復刻してほしいなあ。そういえば、福沢と三岸は独立美術協会の創立会員だったか。作品の中に、どこか似たモチーフが表れていたのであった。

私好みのシュルレアリスム時代から、ちょっと後半は違ってきたなとの思いもあるが、科学への傾倒、深刻ぶらない画風は興味深いものがあった。

■東京国立近代美術館「常設展」「イメージコレクター・杉浦非水展」。第一日曜日は、ここの常設展が無料なのだそうだ。特別展よりも常設展の方に人が多くて困った。

かなり手を抜いてみるものの、「杉浦非水展」はかなりの物量だった。そう大きくない展示会場に、ポスター、スケッチ、イラスト、絵葉書、雑誌、本などのデザインコレクションが大量にあるのだ。もう少し見たかったが、猛烈に腹が減ってきた。