日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

小池真理子著「アナベル・リイ」

2025-02-28 | 読書

先月読んだ本
小池真理子著「アナベル・リイ」角川ホラー文庫     https://www.kadokawa.co.jp/product/322312000925/

カバーイラストを見て、
ホラー小説とは気づかずに読んでしまった。

小池真理子は新聞に連載されていた「月夜の森の梟」から
読み始めていたので、怪奇小説が多いとも知らなかった。


大学を出てスナックでアルバイトをしている悦子
お客のライターに惹かれつつも、自制する日々
ライターが連れてきた大根役者の女性千佳代
臆面もなく「えっちゃん・えっちゃん」と懐かれ
親しくなるが、ライターと結婚し、呆気なく死んでしまう。

周りに不審死があり、千佳代の仕業と気付き出す、、、

色々あった挙句、ライターと悦子が結婚したものの
悦子の前に千佳代が現れだし、一気にホラー色が強まる。

長い人生、
幽霊と付き合わされて生きてきた悦子の物語です。

しずしずと恐怖が忍び寄ってくる物語でした。

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岩井圭也 著「完全なる白銀」

2025-02-03 | 読書
昨夜読み終えた一冊
「完全なる白銀」岩井圭也 著 小学館文庫
https://www.shogakukan.co.jp/books/09407422
 
読み始めてすぐに、
いつも通りの一気読みはいけない、と思い、
日にちをかけてゆっくり読み終えた。
 
    
 
デナリ?聞いたことがない山
だけどマッキンリーは知っている。
最も難しい山のK2と同じくらい冬のマッキンリーは手強い
あの不死身の植村直己すら帰れなかった
・・くらいの知識だったけど
 
時あたかも、かの大国の大統領が
地域住民の呼び名の「デナリ」から「マッキンリー」に戻す
蛮勇をふるい、どうしようも無い人だと改めて思った。
 
 
アラスカの親友リタが冬のデナリの女性初単独登頂を果たし
下山中に行方が分からなくなる。
登頂の真偽が取り沙汰され、
名誉回復のため親友二人が登ることにする。
アラスカのシーラと日本のカメラマンの緑里
 
緑里のカメラマンとしての葛藤の日々と
アラスカでリタとシーラに出会った背景を織り交ぜた物語構成。
 
暖房の効いている部屋で読み進めるが
完全なる白銀(パーフェクトシルバー)の世界に飛ぶ意識
だんだん冷え込みを感じながら読み終えた。
 
かの大統領に反感を覚える人(そうでない人も)必読の一冊です。
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東野圭吾著「むかし僕が死んだ家」

2025-01-16 | 読書

年初に読んだ本
東野圭吾著「むかし僕が死んだ家」講談社文庫刊
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000197594

カバーが刷新されて、
しおんさんの儚げに本を開かんとしている女性のイラスト
そこいらじゅうびっしょりと濡れそぼっている。

なんとも不思議な題名だが
 ー彼女の不透明な記憶に潜む悲しい真実ー
 「伏線は螺旋となり、あなたの心を虜にする」

昔の仕事柄「家」とつく本はほって置けない、、

むかし付き合っていた女性が結婚しているのに
「亡父が残した地図の場所に一緒にに行ってほしい」と頼まれ
断りきれずに行く羽目になる。
女性は小学校以前の記憶や写真がない

松原湖近くの古ぼけた空き家にたどり着くが
不思議な家だった。
家の形や家具は整っているものの
人の生活の痕跡が全く見えない。


(ただの挿絵です)

二人が探索するのと一緒に巡るが
探せば探すほど不思議感が募る、、、

いつ読者は、いつ危険な目の遭わされるか
ドキドキしながらページを繰るが、危ないことは皆無

ようやく、「ぼくが死んだ家」の謎が分かって終わりになる。

丁度、身の回りにショックな事柄が起きて
がんじがらめになっていた私だが
意識を遠のかせてもらった一冊でした。

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藤沢周著「世阿弥最後の花」

2024-12-30 | 読書

先週お身終えた一冊

藤沢周著「世阿弥最後の花」河出文庫刊 
https://www.kawade.co.jp/np/search_result.html?goods_flg=1&name=%E4%B8%96%E9%98%BF%E5%BC%A5%E6%9C%80%E5%BE%8C%E3%81%AE%E8%8A%B1

 ー都で一世を風靡した男は、72歳で流刑となった
  波乱の晩年、その謎と奇跡の物語ー

能楽師世阿弥はなんとなく知っていたが、どんな物語だろう、、
難しそうなことにならなければいいが、、

狂言は好きで見に行く事も多いけれど
能は面の中の声が聞き取りにくいし、
物語がわからないので敬遠気味だった。

時の将軍、足利義教の怒りに触れて
訳もわからずに佐渡に島流しにあった世阿弥72歳
能にのめり込むあまり、息子に厳しくあたり早くに亡くす。
心にしこりを持ったまま、佐渡に渡る。

佐渡の風景やわだかまりのない人々と接するうちに
年相応のひらけた心根を取り戻す。

佐渡の地に怨念として漂う霊

創作能を舞い、日照りに慈雨を降らせ
(雨乞いは旱天に雨が降るまで辞めない、知らなかった)
なぜだか雨が降り村人の信頼をより篤くする。

霊を昇華させ、村人達に能を教え、
鬼の世阿弥(?)から仏の世阿弥に昇華して
静かに別れを告げる、、、

作者の語り口はどこまでも優しく、難なく読み終える。

世阿弥を知った気になる、貴重な一冊です。

 

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リズ・ニュージェント著「サリー・ダイヤモンドの数奇な人生」

2024-09-26 | 読書

先週読んだ文庫本
リズ・ニュージェント著「サリー・ダイヤモンドの数奇な人生」
ハーバーBOOKS刊
https://www.harpercollins.co.jp/hc/books/detail/15661

初めて知った出版社にして初めての作家

帯には、アンソニー・ホロビッツ絶賛!
「圧倒的なキャラクターが誕生した」
予測不能ミステリー
本国アイルランドで9週連続1位

「・・・胸が張り裂けるのに、底なしに笑える」ハーラン・コーベン

6才から40才を超えたサリーの紆余曲折の物語の終盤
さあて、どうしたか???
・・振り出しに戻ってしまう。
笑ってしまうほどの肩透かし、、

小児性愛にして異常なほどの変質者に囚われた少女
変質者は逃亡し、囚われた女子と幼い子が救出される。

救出された幼い子は社会性を失ったまま精神科医に育てられが
社会性を育むプログラムで順調に社会性を身につけていたが・・

以前、長い間行方不明になって、
見つけられた女の人に記事を見たことがあるが
悲惨な事柄ではあるが、この本を読んで
悲惨さが現実的に受け止められる。

闇雲な物語でありつつ
震撼とさせられるミステリーの一冊。

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浅田次郎著「母の待つ里」

2024-08-31 | 読書

台風10号の影響で黒い雲が低くなってきた。

いまにも降りそうだが、
いまかいまかと上を見ても
いまだに降らない、

先日読み終えた一冊
浅田次郎著「母の待つ家」新潮文庫刊
https://www.shinchosha.co.jp/book/101929/

自然体で生きてきた大企業の独身社長
40年ぶりにふるさとに帰ったが
見知らぬ土地に、親しげな人たち

「きたが、きたが、けえってきたが――。」

母に囲炉裏端に誘われ、昔ながらの郷土料理を味わい
薪で沸かしたお風呂に入り
雨戸を立て込んだ部屋の布団で寝て感慨に浸る、、

どこかに齟齬を抱えながら読み進む

地域ぐるみの(作者の)壮大な作り話

「ジェッジェジェ〜」の里での仕掛け?

作り話(小説)に入れ込んだ、
作り話に乗っかり嬉々とした人たち。

想像を絶する寂しさ(?)の体感者達(と思う)
違和感(小説に違和感とはどうしたものか?)を抱きつつ
作者の企みにまんまと乗せられて、涙ぐむ。

そんな3人に後から駆けつける一人が加わり
4人が入れ替わりで紡ぐ望郷の物語
既にBSでドラマ化もされて、
9月にはまた放映されるらしい。

出来た社長秘書が「息子さんでなければダメですか?」
愛の告白にも気づかず、鈍感な社長
見てみたい気もする。


ブログを書き終えてベランダを見ると
グッショリ濡れていた。

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桐野夏生著「インドラネット」

2024-08-12 | 読書

一昨日読み終えた一冊
桐野夏生著「インドラ ネット」角川文庫刊
https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g322307000523/

帯には「あいつは死んだのか。
    それとも俺から逃げているのか」(ちょっと違う気がするが)
    見るもの、聞くこと、すべて信頼できない
   「人捜し」。

今までの桐野夏生作品とは一線を画す物語(と思う)

世を拗ねている冴えない青年
働いている職場では嫌われ、
嫌われていることを変えようともせず
ゲームに逃げて、辞めてしまう。

高校時代の友達はカンボジアに渡り、行方不明だが
唯一明るい思い出と自慢できる時代。

ひょんなことから、行方不明の友達を探すべく
あてもなく、カンボジアに行く。

そこで遭遇することは、帯に書かれた言葉そのまま

長身、人目を引く美貌に明るい性格の「空知」
憧れの友達だった。

ついた途端お金はとられ、頼った人はお金目当てばかり

腕力はなし、交渉力なし、、
それでもあれやこれやで、カンボジアを渡り歩く

冒険小説さながらの成り行きに、ドキドキハラハラ、、


7/31大雨の後

死んでも良い、殺されてもいい、
人探しがダメなら日本に帰ってもいい、、

20年近く前の探偵「ミロ」シリーズを彷彿とさせる。

結末は唖然とさせられるが
「やはり」とも思う。

どうぞ一読を、、

明日、次を書くつもり、、

 

 

 

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堂場瞬一著「罪の年輪」

2024-07-31 | 読書

堂場瞬一著「罪の年輪」文春文庫刊
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167921804

12年ぶりに読む堂場瞬一
2005年から12年まで新刊が出るとすぐに読んでいた、
ヒットしはじめた鳴沢了シリーズには特に入れ込んで
とんがった鳴沢に愛する家族ができそうになって
しリースが終わるのには納得しかねていた。

ラストライン6「罪の年輪」は
帯に「超高齢の容疑者と対峙する岩倉の戸惑い」と書かれていて
暫くぶりに読む気になった。

ベテラン刑事、岩倉剛「ガンさん」の名前に記憶があったので
何冊か読んでいたのかもしれない。

老人施設の入居者が夜中に連れ出されて
玉川上水の河川敷で発見された。

87歳の老人が自首してきたが
動機に納得するものが得られない。
刑事は55歳、若い頃ほど動きが早くないし
文中のボヤキが多い!

きっと作者も一緒に歳をとって、
身につまされているのだろう、、が多過ぎる。

納得でにない事はとことん突き詰め
87歳の被害者の正体を突き詰め
87歳犯人の家族の秘密を暴く

立川署でそこそこ満足していたのが
一転、また本庁に移動することにし
恋人とも娘とも上手く付き合っていけそうな
ガンさん再生の物語だったみたい、、

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東野圭吾著「クスノキの番人」

2024-07-26 | 読書

東野圭吾著「クスノキの番人」実業の日本社文庫刊
https://www.j-n.co.jp/kusunokinobannin/
先週読み終えた一冊

帯には「小さな奇跡を時々書きたくなります」
「推し本、あります」って

貧いい家庭に育ち、
真面目に生きてきたつもりが、つい犯罪者になり
刑務所に入るところで、助け舟の叔母さま出現

訳のわからないまま、巨大なクスノキの番人にさせられる。

訳がわからずにも、言われる通り、指示された通り
楠の木の勤めを果たしていくが、理解のできないことばかり、、

若い娘と結託して楠を訪れる人の謎を探り出す。

散歩コースの楠
まだまだ、霊力を発揮するには千年もかかりそうだが

東野さんの楠のモデルは?
https://www.asobo-saga.jp/spots/detail/f407f55d-a51c-4be8-a286-c632a27fff7dhttps://takeo-jinjya.jp/ 
武雄神社? (樹齢3000年)

http://www.city.aira.lg.jp/shokan/gyosei/shisetsu/kanko/okusu.html 
蒲生の楠? (樹齢1500年)

渋谷からそう遠いところでは無さそう。

犯罪者になるはずの貧しい青年
実は賢くて、機転が効いて
助けられた叔母さまの信頼を得て
財産の全てを譲り受けて、未来は明るい、、はず

だけど、叔母さまに見つけ出される前に
暮らしていたお婆さん、、どうなったのだろう??

気になる、、

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貴志祐介著「黒い家」

2024-07-08 | 読書

先週読み終えた一冊
貴志祐介著「黒い家」角川文庫刊
https://honto.jp/ebook/pd-review_0610148350.html

読書の時間はお風呂から出て、寝るまでの1時間だが
これ以上読み進めると、怖くて眠れなくなる、、
何日か中断して、終いには昼に読み終えた。

なんたって心の痛さや、身体の痛みを感じ取れない
サイコパスが犯人

人を殴るのを見るのは怖い
人を罵倒している場所からは逃げたい性格ゆえ
文字から暴力を想像させる小説にサイコは避けたい

けど、読み出したら止まらない、、

生命保険会社の支払い査定が仕事の主人公

あの手この手で保険金の支払いを企てる顧客達
作者の前職を生かした物語設定

請われて顧客の家を訪ねると
広い屋敷に陰鬱な古びた家
嫌な匂いが立ち込めた影ばかりのような黒い家


(ドクダミもあったか?)

普通の暮らしに忍び寄る得体の知れない恐怖
周辺の人々を殺され、恋人が行方不明になり、、、
おお怖い。。。

執拗なサイコパスと同じく
辞めたくてもやめられない面白さ

カラッと明るい日に読んでくださいね。

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本城雅人著「終わりの歌が聴こえる」

2024-06-22 | 読書

少し前に読んだ文庫本
本城雅人著「終わりの歌が聴こえる」幻冬舎文庫

https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784344433823/

19年前に死んだ人気のロックグループのギタリスト
二人の刑事が真相究明に再捜査を始める。

今現在と19年前を行ったり来たりしながら、
現在の刑事の捜査と
グループの社長兼世話役の記録で物語は進む。

4人グループに綻びがで始めるも、不動の人気の最中
天才ギタリストが沖縄のホテルで死んでしまう。

他殺か自死か突然死か??

解散しても人気を維持したままのボーカルが活動を再開し
社長兼世話役は音楽ライターとなっている。

挿入されるロックの歌詞
歌詞ってこんなに大事なんだと思いつつ読み進めると
刑事たちが誤りそうな道筋を正してくれる。

    

ロックファンでもない私が夢中になって読んだ一冊です。

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桐野夏生著「燕は戻ってこない」

2024-05-16 | 読書
「燕は戻ってこない」 集英社文庫 
3月末出てすぐに読んだ一冊
桐野夏生の本は文庫本になり次第に読むことにしている。

漫画にもなってるみたいだが、漫画が先かもしれない。

派遣社員の29歳の女性、北海道から出てきて一人暮らし
非正規雇用のフルタイムの病院事務をしているが
日々の暮らしはカツカツ
お昼におにぎりが贅沢という貧しさ、
非正規雇用仲間に勧められた、卵子提供のバイト(?)のはずが
代理出産を持ちかけられて、
紆余曲折ありながらも代理出産することにする、、



葛藤や女友達、男友達の事(男デルヘル?)
いろいろあるものの
この女性はコミニュケーション力抜群(と思う)
代理出産に行かなくとも他に道はありそう、、
世間なみの考えから抜け出さずに読んでしまった。

日々葛藤、日々迷いつつも、女性なりの誠実さを失う事なく
出産する……

人が誠実に働いていても、
生活を維持できないなんて社会がおかしい

怒りを覚えながらも、桐野夏生の世界にハマってしまう。

弱者だったはずの女性が、プライドを取り戻し、
敗れかぶれながらも、飛び立っていく結末に拍手喝采!!

おすすめの一冊です。

NHKのドラマ化(火曜夜10時)されていて
見たい気もするがどうしようか??
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人気のコーナー

2024-04-18 | 読書
先日寄った新宿の本屋さん

本でないものが並んでいた。



レトルトカレー
見たこともないようなパッケージや
びっくりするほどのお値段の物まで

すでに売り切れもあり
人気のあるコーナーみたい。
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染井為人著「海神」

2024-04-01 | 読書
能登の地震が続いている中で読んだ一冊
「海神」染井為人著 光文社文庫刊

東日本大震災日から始まり、2021年3月15日に至るまで
被災した東北の島に起こる様々なこと
島ゆえに支援が届かない中、
本土で活躍しているボランティアを連れてきて
冬眠だけでは手が回らない支援を手際よく捌く男
島に連れてきて大助かりのはずだった、、

次第に横暴になり、傍若無尽に振る舞い出す。
それとも知らずに、一生懸命に務める人気者の女性
次第に住民の間に不信感が漂い
新聞記者が真相解明に動き出す。

本の帯には
 「災害は金になる」
災害支援金を私毎に使い、贅沢な暮らしをして、お金を溜め込む

あってはならない事が起こり、人殺しまで始まる。

弱っている人につけ込むのはもってのほかだし
つけ込む人がいるのも珍しいことでは無いかもしれないが
被災地の噂はいくつも聞いた。

能登の震災後に読んでしまって、より悲惨さにつまされた。


   咲き出したトキワマンサク

いつどこで起きてもおかしく無い日本の地震
家具の転倒の危険はない我が家
でもその時になったらどうなることやら、、

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貫井徳郎著「悪の芽」

2024-03-15 | 読書
貫井徳郎著「悪の芽」 角川文庫刊

一昨日読み終えた。
 帯の一文「何気ないひと言が殺人鬼を生んだ
ちょっと違う気もするが、、

出世街道を順調に進み、幸せな家庭を築いている安達
物事を深く考えもせず、時流に流されている(?)大学生
小学生の頃のいじめで不登校になり、何かと不運がつきまとう斎木
斎木に娘を殺された厚子

ちょっとした思い付きが他人の人生を狂わせる。
斎木の無差別殺傷事件を契機に
人生を狂われた人、狂う一歩前で踏みとどまった人

順調だった日々にひび割れを生じた安達
パニック障害で出社できなくなる
それでも、偽ることなく小学生の頃のいじめを語り
斎木を知ろうとする。

ネット上の主人公になりかけた人たちが、一歩手前で立ち止まり
正気に戻って物語は収束する。


   集団の中の1羽はどれ?

自分の姿を晒すことなく、一方的に他人を貶める
嫌なことです。

しかし、この中に出てくる「頭がいいから」には引っかかる
頭がいいからこんなことは知っているでしょう。
頭がいいからわかるでしょう、、

物事を知ることや、理解することは
頭がいいからでは割り切れない。
そこを引っかかりながら読み終えた。
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