日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

貴志祐介著「黒い家」

2024-07-08 | 読書

先週読み終えた一冊
貴志祐介著「黒い家」角川文庫刊
https://honto.jp/ebook/pd-review_0610148350.html

読書の時間はお風呂から出て、寝るまでの1時間だが
これ以上読み進めると、怖くて眠れなくなる、、
何日か中断して、終いには昼に読み終えた。

なんたって心の痛さや、身体の痛みを感じ取れない
サイコパスが犯人

人を殴るのを見るのは怖い
人を罵倒している場所からは逃げたい性格ゆえ
文字から暴力を想像させる小説にサイコは避けたい

けど、読み出したら止まらない、、

生命保険会社の支払い査定が仕事の主人公

あの手この手で保険金の支払いを企てる顧客達
作者の前職を生かした物語設定

請われて顧客の家を訪ねると
広い屋敷に陰鬱な古びた家
嫌な匂いが立ち込めた影ばかりのような黒い家


(ドクダミもあったか?)

普通の暮らしに忍び寄る得体の知れない恐怖
周辺の人々を殺され、恋人が行方不明になり、、、
おお怖い。。。

執拗なサイコパスと同じく
辞めたくてもやめられない面白さ

カラッと明るい日に読んでくださいね。

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本城雅人著「終わりの歌が聴こえる」

2024-06-22 | 読書

少し前に読んだ文庫本
本城雅人著「終わりの歌が聴こえる」幻冬舎文庫

https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784344433823/

19年前に死んだ人気のロックグループのギタリスト
二人の刑事が真相究明に再捜査を始める。

今現在と19年前を行ったり来たりしながら、
現在の刑事の捜査と
グループの社長兼世話役の記録で物語は進む。

4人グループに綻びがで始めるも、不動の人気の最中
天才ギタリストが沖縄のホテルで死んでしまう。

他殺か自死か突然死か??

解散しても人気を維持したままのボーカルが活動を再開し
社長兼世話役は音楽ライターとなっている。

挿入されるロックの歌詞
歌詞ってこんなに大事なんだと思いつつ読み進めると
刑事たちが誤りそうな道筋を正してくれる。

    

ロックファンでもない私が夢中になって読んだ一冊です。

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桐野夏生著「燕は戻ってこない」

2024-05-16 | 読書
「燕は戻ってこない」 集英社文庫 
3月末出てすぐに読んだ一冊
桐野夏生の本は文庫本になり次第に読むことにしている。

漫画にもなってるみたいだが、漫画が先かもしれない。

派遣社員の29歳の女性、北海道から出てきて一人暮らし
非正規雇用のフルタイムの病院事務をしているが
日々の暮らしはカツカツ
お昼におにぎりが贅沢という貧しさ、
非正規雇用仲間に勧められた、卵子提供のバイト(?)のはずが
代理出産を持ちかけられて、
紆余曲折ありながらも代理出産することにする、、



葛藤や女友達、男友達の事(男デルヘル?)
いろいろあるものの
この女性はコミニュケーション力抜群(と思う)
代理出産に行かなくとも他に道はありそう、、
世間なみの考えから抜け出さずに読んでしまった。

日々葛藤、日々迷いつつも、女性なりの誠実さを失う事なく
出産する……

人が誠実に働いていても、
生活を維持できないなんて社会がおかしい

怒りを覚えながらも、桐野夏生の世界にハマってしまう。

弱者だったはずの女性が、プライドを取り戻し、
敗れかぶれながらも、飛び立っていく結末に拍手喝采!!

おすすめの一冊です。

NHKのドラマ化(火曜夜10時)されていて
見たい気もするがどうしようか??
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人気のコーナー

2024-04-18 | 読書
先日寄った新宿の本屋さん

本でないものが並んでいた。



レトルトカレー
見たこともないようなパッケージや
びっくりするほどのお値段の物まで

すでに売り切れもあり
人気のあるコーナーみたい。
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染井為人著「海神」

2024-04-01 | 読書
能登の地震が続いている中で読んだ一冊
「海神」染井為人著 光文社文庫刊

東日本大震災日から始まり、2021年3月15日に至るまで
被災した東北の島に起こる様々なこと
島ゆえに支援が届かない中、
本土で活躍しているボランティアを連れてきて
冬眠だけでは手が回らない支援を手際よく捌く男
島に連れてきて大助かりのはずだった、、

次第に横暴になり、傍若無尽に振る舞い出す。
それとも知らずに、一生懸命に務める人気者の女性
次第に住民の間に不信感が漂い
新聞記者が真相解明に動き出す。

本の帯には
 「災害は金になる」
災害支援金を私毎に使い、贅沢な暮らしをして、お金を溜め込む

あってはならない事が起こり、人殺しまで始まる。

弱っている人につけ込むのはもってのほかだし
つけ込む人がいるのも珍しいことでは無いかもしれないが
被災地の噂はいくつも聞いた。

能登の震災後に読んでしまって、より悲惨さにつまされた。


   咲き出したトキワマンサク

いつどこで起きてもおかしく無い日本の地震
家具の転倒の危険はない我が家
でもその時になったらどうなることやら、、

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貫井徳郎著「悪の芽」

2024-03-15 | 読書
貫井徳郎著「悪の芽」 角川文庫刊

一昨日読み終えた。
 帯の一文「何気ないひと言が殺人鬼を生んだ
ちょっと違う気もするが、、

出世街道を順調に進み、幸せな家庭を築いている安達
物事を深く考えもせず、時流に流されている(?)大学生
小学生の頃のいじめで不登校になり、何かと不運がつきまとう斎木
斎木に娘を殺された厚子

ちょっとした思い付きが他人の人生を狂わせる。
斎木の無差別殺傷事件を契機に
人生を狂われた人、狂う一歩前で踏みとどまった人

順調だった日々にひび割れを生じた安達
パニック障害で出社できなくなる
それでも、偽ることなく小学生の頃のいじめを語り
斎木を知ろうとする。

ネット上の主人公になりかけた人たちが、一歩手前で立ち止まり
正気に戻って物語は収束する。


   集団の中の1羽はどれ?

自分の姿を晒すことなく、一方的に他人を貶める
嫌なことです。

しかし、この中に出てくる「頭がいいから」には引っかかる
頭がいいからこんなことは知っているでしょう。
頭がいいからわかるでしょう、、

物事を知ることや、理解することは
頭がいいからでは割り切れない。
そこを引っかかりながら読み終えた。
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岩井俊二著「キリエのうた」

2024-03-08 | 読書
岩井俊二著「キリエのうた」 文春文庫刊
以前から机の上にあったが、気が進まずにいたが
一昨日読み終えた。

おりしもブログアップしようとしていたが
昨日の朝日新聞の夕刊
一面にデカデカと「なあ岩井、なんか撮れよ」の見出し
文中に出て来た中島医師と著者の岩井俊二氏
とっくに上映されてた映画
「キリエのうた」 の事だった

毎年3月には必ず合唱で取り上げられる「花は咲く」の作詩が岩井氏
作曲はお友達(?)の菅野よう子氏
今までは背景を知らずに歌っていた。


  挿絵です

一般的に小説は作者の背景を知らなくても楽しめるし
胸(心?)の中の落ち着くところに収まるけど
新聞記事を見て私の無知に呆れた。
著者の実際のことと創作と合わせて腑に落ちた。

新宿南口で歌っていたキリエ
実際にも夕方になると
甲州街道の騒音の中で歌っている人が何人もいる。
今度じっくり聞いてみたいと思う。
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雨穴著「変な家」

2024-02-17 | 読書
この前本屋さんで変な本を買ってしまった。

「変な家」 飛鳥新社刊

その前に見かけた時
あまりにも嫌な平面図の表紙だったので買うのをやめた。
二度見の時は「家のついた本は読む」ことを思い出して買ってみた。
(表紙が替わっていた)

あまりの変加減に帰ってすぐに読んでしまった。

子供が生まれるので家を買う決心をした柳岡さん
中古ながらも環境はいいし、築年数は浅いし、
開放的な明るい内装に買う気になったものの
間取りが変なところが引っかかって相談に訪れた、、

デカデカと載っている間取り図
確かに変!
トイレはリビングの中にあるし
1階の寝室は小さすぎる

そんなこんなで専門家に相談
そうこうしている内に、関連がありそうな死体が発見される、、

ミステリー好き、住宅設計の専門家だった身にとっては
食い足りない、詰めが甘い、、


    挿絵、咲初めの仏の座

などと思うものの
2023年で最も売れた小説らしい
カバーにデカデカと書いてあるのもわざとらしいが
映画にもなってるらしい(来月のはロードショー)
映画「変な家」

びっくりなことになっていた。

作者の雨穴は仮面を付けた黒服の人
作中の平面図のスケッチをみると同業者らしい、、

漫画が面白かったのか、理解不能です。
漫画「変な家」
私が変なのか??

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ディーリア・オーエンズ著「ザリガニの鳴くところ」

2024-01-27 | 読書
年明け2冊目の本
ディーリア・オーエンズ著「ザリガニの鳴くところ」ハヤカワ文庫刊
とても長い小説 、なんと600ページ弱
それでも章立てが56もあり、休み休み読めてしまう。
それにしても章立てごとにタイトルがあるものの
目次が無い!
物語が行ったり来たりでストーリーをなぞるのに一苦労

頁を繰ると、登場人物のリストの次に「I 湿地」の項目
なのにIIが無い!


ノースカロライナ州の湿地の小屋に置き去りにされた6歳少女
残り少ないお金で買い物をし、
無くなったら貝を取ってお店で買い物をして暮らしていた。
湿地の鳥や貝を観察し
人に見つからないようにひっそりと暮らしていた「湿地の少女」


    (挿絵。空堀中の和田堀公園)

心を許せるのはお店の夫婦、
次に同じ年代の少年と親しくなるも
少年が勉学に行き、別れ別れに、、

大人になった少女は、湿地の動植物に詳しく専門的になるが
近くに現れた男性と一緒に暮らしたいと願望するものの、、

別れた男性が殺される、、

少女の生い立ちと、男性の死と、別れた少年の専門性
全てが絡み合い、解決に向かい幸せになれたはずの
「湿地の少女」

驚くような結末



映画にもなっている(22年公開)

お勧めの一冊です。

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小池真理子著「神よ憐れみたまえ」

2024-01-11 | 読書
元日から読みはじめた一冊

小池真理子著「神よ憐れみたまえ」 新潮文庫刊
文庫本化されるのを待っていた。

シリアスそうな内容だし、
文庫本にしては並々ならぬ厚さゆえ
年末は手に取る気にはなれなかったが
読みはじめたら止まらない。

まだ豊かになる前の日本
住宅事情がよくない状況下
東急五反田線にあるお屋敷街
中でも目立つような家構えのお家
裕福な3人家族の家で悲劇が起こった。

親夫婦が惨殺され、
「血塗られた令嬢」と報道された可愛い少女
通いの家政婦さんの家に滞在し
親子4人家族に家族同然に大事にされて暮らした。

親元が裕福な故、ピアノの練習に励み
生活に困る事はなかった。
それでも世間に再度名の知れる行いは避けて過ごした。

気の染まぬ祖母と優しい伯父に囲まれ
大人になる、、

優しく寄り添ってくれる人達と
ずっと裏切られていた人

気丈に暮らし続けながらも、思い通りにならない人生。

それでも安泰な日々を取り返した束の間

人生の終焉を迎える前にやってくる避けられない危機、、

こちらの方も興味深いけれど
きっと上手くいくよね、、で終わった。



少女10歳が60歳を越えるまでの、遠大な物語

つい一緒になって涙をこぼしてしまった一冊。
おすすめです。








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原田マハ著「キネマの神様」

2023-12-28 | 読書
先日読んだ一冊
原田マハ著「キネマの神様」 文春文庫刊

買ってきてからパラパラとめくると
アチコチに太字の羅列
なんかやだな、、と積んでおいたが
食卓から読みたい本がなくなってしまい
渋々読み始めた。

上り調子だったキャリアバリバリの女性
ひよっとした事から会社を辞める羽目になり
無職、少ない蓄えで両親の職のマンションの管理人代理をする。
(そう悲観したことでもないと思うが)
年老いた父はやめられないギャンブルと多額の借金
と映画が趣味。
一昔前の名画を詳細まで覚えて語る。

この本の人たちはみんな映画好き
映画館の館主、映画評論家、引きこもりなどなど
いったな語り出したら止まらない、、

パソコンを使えないはずの父が、映画の話を書き込むと
世界的な評論家とのやりとりが始まり
失業中の娘は職を獲て、父は一躍人気者になり
潰れそうな名画座は満席となる。

あり得ない話がどんどん続き
最後は涙が止まらなくなる。

近頃にない起承転結に読者は翻弄される、、


    挿絵です

しかし、映画ファンでない人は置いてけぼり??


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貫井徳郎著「さよならの代わりに」

2023-12-13 | 読書
先日読み終えた一冊
貫井徳郎著「さよならの代わりに」 幻冬舎文庫刊

小さな劇団員の和希
背が高くてハンサムにしてお人好し、
曲がったことが嫌いな好青年
劇団での立ち位置は今ひとつだが
ウエイターのバイトを真面目にこなし
恋人と思いたい人には
「お見合いをする」と告げられても諦めきれない。

そんな時、可愛くて世間擦れしてない風貌の
祐里に変な頼まれごとをする。
「女優さんの部屋に誰も入れないで」

劇団主催の新庄さんに殺人容疑がかかる
殺されたのは新庄さんの不倫相手にして
劇団二番目の女優さん
突き刺さったナイフにばっちりと指紋がついていた。

可愛いい女の子は未来から来たと言い
殺人容疑の直系家族!という。

過去に遡って未来を変えたい、、
ありそうでありえない物語
、、でも、和希と裕里のに入れ込んでしまった読者は
「どうか無事変わるように」読み進めるが、、、

末尾の解説は、読みきれない。
興奮しつつホッと読み終えたところで
「どうかな、、」疑問符だらけ
分析はいらない、余韻を楽しみたいのに、、

    

緑の葉がこんなに赤く変わるなんて
「どうして?」より素直に楽しみたいね。





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桐野夏生著「日没」

2023-11-10 | 読書
一昨日読み終えた桐野夏生著 
「日没」岩波書店刊

とても怖い内容で、一旦やめて
他の本を読んでから読み続けた。

近未来か裏社会か映倫ならぬ文倫のある時代の日本
海の向こうの大国でもまかり通っている世界なのかも、、

文倫から反社会的な本を書いていると著者に呼び出しがくる
行けば反論は通らない世界
自作の擁護をすればするほど窮地に陥り
否応なく粗末な独房に閉じ込められる。

食事は粗末な上、量が少なく
ついガツガツと食べてしまう。

時に呼び出され、反省したか確かめられるが
意志強固な作家は反論して余計なドツボに嵌る。

ほんの少しの希望を見つけて
所長や医師の意に染まるようにするが
作家たるもの反社会性な思考がないと(勝手な思い込み)
なれない職業にして、
つい、激論になり暴力も出てしまう(自己に忠実?)

ニッチもさっちも行かない状況になり助けの手が・・



どうにもこうにも、希望が湧いてこない物語ではある。

桐野夏生にしか描けない物語。

随分前に見た映画華氏451
まだ希望が持てる側面があったが
「日没」は希望のかけらなし

桐野夏生は自由なものがいくらでも書ける(?)日本で
追い詰められることがあったのだろうか?

そういえばまだ、末尾の解説は読んでいなかった。
気分を落ち着かせてから読みたい。
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東畑開人著「野の医者は笑う」

2023-10-02 | 読書
先週読んだ一冊
「野の医者は笑う」 文春文庫刊

東畑開人氏は朝日新聞の社会季評に記事が出て、その都度んでいた。
大学での教え子がいたので
「どんな先生」「面白い先生よ」とのこと。

 ー心の治療とは何か?ー

そういえば以前知人に臨床心理士もいた。
長年専門分野で働いていて、
退職後に東北の震災の支援に行くのが「とっても気が重い」と
精神が弱っている人を立ち直らせる(?)のは想像するだけで大変そう、、

東畑氏は沖縄県の医療機関で働き、次の就職先の大学へ赴任する前に
沖縄県に多くいる「野の医者」達の実態を調べるべく
野の医者達に会に行く。


    (野の花)

沖縄のおばあから、優雅なレディー、権威ある野の医者まで。
(野の医者とは東畑氏の造語、、みたい)

ず〜〜と昔、私も悩み多き頃
野の医者に会った事がある。
相対しているときは感心して聞いていたものの
冷静に考えると筋違いだったなあ〜〜と目が覚めた。

沖縄の野の医者は色んな小道具で相談に乗り、
解決したかに見えるけど
一人になると、問題なは残ったまま、、かも

とは言ってなく、東畑氏は真剣に面白がってのめり込むが
大学へ行くまでの期間限定

語り口(文章)が「面白い先生」そのまま

心理に詳しくなくとも、行き先に迷いはなくとも
楽しんで読み終える。

私はと言えば、目が覚めてから
心に引っ掛かり続けるものはなく
あっけらか〜〜と過ごしている。

悩みの沼から出られなくなったら「東畑先生」と考えるだけで
一層、悩みとは無縁の世界にいられそうだ。



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辻村深月著「琥珀の夏」

2023-09-20 | 読書
先週読んだ一冊
辻村深月著 「琥珀の夏」 文春文庫

単行本の広告を見て、文庫本になったらと待っていたけど、
意外に早く文庫本になった。

宗教施設の夏合宿に参加した少女ノリコ

小学校では親しい子ができなかったのに
施設では優しくしてくれるミカがいて親しくなった。
森の中の施設は決まり事が多くて大人たちの元
違和感を覚えながらも楽しい1週間を過ごす。


(単なる挿絵です)

そんな3年を過ごして弁護士なったノリコ
夏の施設で白骨死体が見つかり世間に知れることとなり
偶然ノリコに施設の調査の依頼が来る、、

一時期の記憶が修正されることなく固まって取り残された
「琥珀」状態。
誰にでも一つや二つある気がするが
さほど問題視せずにきてしまったことが
大人になって重大な出来事だと気づく。

私の琥珀は中学の修学旅行で感動した平等院の鳳凰堂
華やかで優美な姿を50数年ぶりに見て違和感を覚え
また12年後に訪れて、元に近く改装されたのにまた感動し
今年行った帝国ホテル、20代の頃通りすがりに見た記憶
琥珀を確かめられないのが未だの残念!

無駄なことを書いてしまったが
ノリコは小学生の記憶のミカを
オカルトから引き戻すことに成功した。

こんな簡単なことではないけれど
子供にとって親は生きる道標
親子を引き離すなんて宗教はもともと間違っている。

ハラハラドキドキ、是非ともおすすめの一冊です。



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