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2020年に釣れた磯魚のご紹介。この魚はスズキ目・カゴカキダイ科・カゴカキダイという。このぶろぐのネタが尽きたというわけでは決してないのだが、まだ画像の整理などが行えていないため、古いネタでしばらくごまかすスタイル。カゴカキダイのこのぶろぐの登場は初めてではないのだが、最近は「名前だけ」登場、もしくはさばかれて登場ということになっており、魚そのものの登場は2011年の秋にまでさかのぼり、実に11年ぶりということになりそうだ。黄色っぽい体に、黒色の縦線が特徴の美しい色彩で、チョウチョウウオによく似ているが、トリクチス幼生を経ないことなどが異なる。また分類もカゴカキダイ科とされ、イスズミ科の中に含めた文献もある。
主に昼間磯や防波堤の周辺に見られるが、やや深い場所から底曳網で漁獲されることもある。高知県の足摺沖など100mを超えるような場所から漁獲されることもあり、生息域は幅広いようだ。昼に釣れることが多いのだが、夜間に釣れることもあるため昼夜問わず活動しているようである。餌はオキアミやキビナゴの切り身など様々な餌を食べている。
このときのカゴカキダイは塩焼きで食した。ほかに写っているクロメジナとニジエビスも食したが、カゴカキダイが一番美味しかった。実はかなり美味な魚としても知られているのだ。塩焼きのほか刺身、煮つけなどが美味である。ただ体はあまり大きくないので、多数漁獲されたときにほかの魚と一緒に食するスタイルが多いだろうか。基本的に関東近辺以南の本州~九州に生息しているが、琉球列島などでも見られる。また東北地方などでも幼魚が見られる。観賞魚として飼育されることもあるが、黄色が薄くなることもあるので注意したい。水質なのか、光なのか、それとも餌が理由なのか、原因はよくわかっていない。丈夫で飼いやすいが大きめの水槽で飼育したい。
さて、カゴカキダイ属は従来カゴカキダイMicrocanthus strigatus1属1種とされていたがオーストラリア産の種を含む計2種とする意見がある。Microcanthus howensisが豪州南東部に、Microcanthus vittatusは豪州南西部にいるとされたが、最近前者はMicrocanthus joyceaeのシノニムとされて消え、一方後者はカゴカキダイと同種とされているようだ。なお日本産のカゴカキダイの学名については変更がない。Chaetodon strigatus(=Microcanthus strigatus)は長崎産のものをタイプ標本として新種記載されている。
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