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沖縄には赤・黄色・ピンク・緑・紫とカラフルな魚が多く生息しているのですが、市場に並ぶ魚もカラフルです。ハマダイの赤、ヒブダイの黄色、アオブダイ・ハゲブダイ属の緑、そしてアオダイの青・・・。アオダイの青は本当に食用魚?というくらいに濃いブルー。
今回ご紹介しますのは、そのアオダイにそっくりなシマアオダイParacaesio kusakarii Abe, 1960です。
アオダイ属は日本国内には5種類が分布し、いずれの種類も食用となっています。アオダイParacaesio caerulea (Katayama, 1934)とウメイロが多く流通し、次いで本種という感じでしょうか。
体色は灰褐色ですが、尾の近くに薄ら青色が見えます。体側には薄い褐色の横帯があり、アオダイと区別できますが、シマアオダイの一部の個体では、この横帯を欠くことがあり、注意が必要です。確実に見るならば主上顎骨、シマアオダイには鱗がありますが、アオダイにはこの鱗がありません。
シマアオダイのそっくりさんに、ヤンバルシマアオダイParacaesio stonei Raj and Seeto, 1983というのがいます。
ヤンバルシマアオダイはシマアオダイにそっくりですが、ヤンバルシマアオダイでは横帯が腹部にまで到達するのに対し、シマアオダイでは側線をわずかに超える程度であることや、ヤンバルシマアオダイも主上顎骨は無鱗ですが、シマアオダイでは有鱗であることなどにより区別できます (写真はシマアオダイの主上顎骨) 。
またシマアオダイは老成すると、後頭部が膨出するのですが、ヤンバルシマアオダイではそれがないようです。ヤンバルシマアオダイはまだ食べたことがありません。というか、写真でしか見たことがない種類です。
●刺身
今回シマアオダイは2キロ近くあった個体、全長は50cmほどですが、大きいものは体長で60cmくらいになるようです。写真はフラッシュ撮影ですが、薄いピンク色のきれいな肉質です。臭みもなく、見た目だけで美味しそうですね。
実際に美味しいもので、脂ののりもいい感じ。中骨は煮つけにしてみましたがこれは今日食べる予定です。
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