この間高知県で採集したシマハギを水槽に入れた。この個体は干潮時水深20cmほどの浅いタイドプールで発見したもので、全長5cmほど。ニザダイ科の魚は例年流れてくる魚は違うのだが、このシマハギは毎年流れてくる。ただし幼魚ばかりで、成魚は見ない。本種は極めて浅い場所(冬季は冷たくなる)を好むので、冬季の低水温に耐えられない、いわゆる「死滅回遊魚」といえるのかもしれない。
シマハギは過去に3回ほど飼育にチャレンジしている。初めては2007年(高知県産)、次に2010年(鹿児島県産)、3度目は2018年(千葉県産)だが、いずれも短命だった。今回の4回目はすぐ餌を食べるなど、状態が大変よかった。水槽の壁面の藻を食べてくれるが、LPSをつつく様子は見られない。
シマハギは「白い体に黒い横帯」というシンプルな色彩であるが、よく見ると背中が薄い緑色で、鰭が黄色っぽくなる。ニジハギやナンヨウハギほど「派手」という魚ではないが、美しい色彩の魚である。(いまのところは)性格おとなしめで、ほかの魚をいじめることもない。
なお今回はシマハギのほか、ばなんさんが採集されていたニセカンランハギ、潜りではニジハギとサザナミハギが見られた。ニジハギも2年連続で見ているのだが、昨年の個体と同じサイズである。やはり死滅回遊魚といえるのかもしれない。クロハギやモンツキハギなども今年はほとんど見られなかった。
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