フィギュアスケート・ジュニアグランプリ(JGP)シリーズ第4戦、ポーランド大会。男子ショートプログラム(ジャッジスコア)、再生リスト、全体映像。日本から出場の山本草太と鎌田英嗣が、滑走順で1、2を引いた
1 山本草太 SP:75.16(1)
「ポエタ」♪ 宮本賢二振付。1番滑走で緊張しただろうか。トリプルアクセルはステップアウトしたが回転は大丈夫。ルッツ・トウ3-3と3回転フリップはスムーズ。フラメンコのリズムをしっかり刻んでいくステップがカッコいい。ぴしっとポーズを決めてフィニッシュ。
自己ベストまであと1点の高得点に、目が糸になる笑顔
2 鎌田英嗣 SP:61.46(7)
「禿山の一夜」ムソルグスキー♪ 大学1年、ジュニアは最後のシーズン。ダブルアクセル、ルッツ・トウ3-3と序盤のジャンプはきれい。キャメルスピンはスピードが出ず少し減点されてしまい、3回転フリップは決まったがエッジエラーeが残念。しかし、小柄な体を感じさせない雄大な動きのステップ、前より格段に滑らかになったスケーティングで魅了した。演技構成点も30点に乗せてきた。
60点越えにコーチのほうが大喜び 客席では滑り終えたばかりの山本草太も応援。
3 アレクセイ・クラスノジョン(アメリカ) SP:62.44(5)
「Jam」マイケル・ジャクソン♪ ラトビア大会3位と今大会もメダル候補が第1グループを引いて^^; トリプルアクセルでオーバーターン、ルッツ・トウ3-3とフリップ(エッジに!)もややこらえる着氷になった。元気よく踊りまくるステップは変わらず。
4 ロマン・サドフスキー(カナダ) SP:71.13(2)
「The Prophet」ゲイリー・ムーア♪ スロバキア大会優勝、今大会表彰台ならファイナル確定の選手が、これまた第1グループを引いて^^; アクセルはダブルだが、フリップ(エッジにアテンション)、ルッツ・トウ3-3と安定。美しい姿勢のキャメルスピンが素敵 エレキの調べにのって気持ちよく緩急をつけるステップ、演技構成点もスロバキア大会より上げて、見事70点越え。
9 トニー・ルー(アメリカ) SP:61.69(6)
「Tears of the Sun」♪ 細身の体がいっそう細く見える全身黒の衣装。トリプルアクセルをなんとか着氷、ルッツ・トウは無理せず3-2に。全体にスピード感があり、動きの切れがいい。
コーチは元オーストリア代表ヴィクトル・ファイファー、独特なポジションのスピンが印象的だった人 振付はニコライ・モロゾフ。
17 ペトル・グメニク(ロシア) SP:67.84(4)
「Ouverture from "Gräfin Mariza"」♪ 4月に13歳になったばかりの少年だけど、ラトビア大会6位とすでに実力を見せている。ターンからすっと跳ぶダブルアクセル、両方とも片手上げのルッツ・ループ3-3 フリップも余裕で片手上げ。難しい姿勢のキャメルスピン、コンビネーションスピンではキャメル姿勢からビールマン姿勢に持っていく柔軟性を見せる。
演技構成点ももう少しで項目平均6点というところ。どこまで伸びるか。
21 デニス・ヴァシリエフス(ラトビア) SP:69.40(3)
「踊るリッツの夜」♪ 地元のラトビア大会2位、今大会も期待の選手。トリプルアクセルはちょこっと両足着氷、3回転ルッツでやや傾いてトウループが1回転に フリップは距離も十分。
キャメルスピンで指を鳴らしたり、スピードのあるシットスピンでは手の形が可愛い。一歩がよく伸びてエッジがきれいなステップは、レベル4に加点1.60 演技構成点も全体のトップで、曲の解釈は7.00。ジャンプにミスがあっても自己ベストに近い得点が出た。
結果、第1滑走の山本草太が最後まで誰にも抜かれずトップ。2位サドフスキー、3位ヴァシリエフス、4位グメニク、5位クラスノジョン、6位トニー・ルー。7位の鎌田英嗣まで60点台と、全体に高レベルだった。
山本草太は優勝すればファイナル進出(たぶん)。ほかの選手たちもファイナルかかってるので、フリーは熱い戦いになりそう
フィギュアスケート・ジュニアグランプリ(JGP)シリーズも後半戦に入った。
第4戦ポーランド大会、女子ショートプログラム(ジャッジスコア)、再生リスト。日本からは新田谷凜、坂本花織が出場。
2 ディアナ・ニキティナ(ラトビア) SP:49.01(6)
「枯葉」♪ ルッツ・トウ3-3、3回転フリップとまあまあ。大きなミスなく終わってほっとした笑顔。技術点のわりに、演技構成点は5項目とも4点台と伸びない^^; 全体にスピードがないからなのかな
7 ポリーナ・ツルスカヤ(ロシア) SP:61.04(1)
「アダージョ」アルビノーニ♪ 川井郁子の情熱的なバイオリンで滑る14歳。ルッツ・トウ3-3を軽々と決め、長身をしなやかに使ってステップ。3回転フリップで転倒したが、ジャッジのうち4人がマイナスを2でとどめた(転倒するとたいてい-3がつく)。それほどジャンプ自体はよかったわけだ。
スロバキア大会の66.08には届かなかったが、60点越え。
9 エカテリーナ・ミトロファノワ(ロシア) SP:57.69(2)
「ボレロ」ラベル♪ 5月に13歳になったばかりだけど、この曲で堂々と滑る。トウループ3-3、フリップはエッジに!(アテンション)がついたが、ミスらしいミスはなし。コンビネーションジャンプに基礎点の高いものを入れられるようになったら、怖い存在になりそう。
アメリカ大会の得点をちょっとだけ更新。
12 新田谷凜 SP:54.06(4)
「レッド・バイオリン」♪ 振付は鈴木明子。名前のとおり、凛とした姿勢がきれいなスケーターだ。冒頭のフリップはエッジエラーeと回転不足で転倒したので大きな減点になってしまったが、音にぴたりと合ったトウループ3-3には拍手が起こる。ダブルアクセルは片手上げで決めた。
スロバキア大会よりはいい点が出て、ほっとした笑顔。
19 メーガン・ウェッセンバーグ(アメリカ) SP:48.90(7)
「I Put A Spell On You」♪ 全体にスピード感があって動きが大きい選手。トウループ3-2、2回転フリップを片手上げで。ジャンプ構成はあまり難度が高くないが完成度が高く、演技構成点に穴がない。ニキティナ選手とほぼ同じ点だけど、好対照
21 坂本花織 SP:56.89(3)
「マラゲーニャ」♪ 今日もいいスピードで滑り出し、力強いルッツ・トウ3-3にはGOE1.40! しかしフリップで転倒、ダブルアクセルもステップアウトしてしまった。一歩ごとにスピードを増すダイナミックなステップでかなりリカバリーしたかな
肘から先の動きにもう少しバリエーションがあるといいと思うけど、演技構成点でツルスカヤの次に高得点をもらえてるのは偉い。
24 キム・ナヒュン(韓国) SP:50.35(5)
「ピアノ三重奏曲ホ短調」ドボルザーク♪ 緑がかった青の衣装がおしゃれ。3回転ループからのコンビネーションでターンが入ってしまい、セカンドループが1回転に。ほかにはミスなく、背が伸びたせいか表現も大人っぽくなった。と思うわりには演技構成点が伸びないんだけど、、、単調に見えるのかな?
結果、トップにはやっぱりツルスカヤ、2位ミトロファノワ、3位坂本、4位新田谷。日本勢2人、そろって表彰台にのれるといいな
アメリカ代表でアカリ・ナカハラという選手が出ていたが、日本国籍も持っているかも? 東洋人らしい機敏さとアメリカ育ちらしい丁寧な表現やきれいな姿勢で、ちょっと注目したい。