フィギュアスケート・世界ジュニア選手権2024、女子フリー(ジャッジスコア)後半。
<G3>
ステファニア・グラドゥキ(フランス) SP:58.65(10) FS:115.19(9) Total:173.84(9)
「ブエノスアイレスの冬」アストル・ピアソラ♪ ブルー。冒頭の両手上げ3フリップ+2トウから、3ループ、2アクセルを下りてキックと軽やか。後半も両手上げ3ルッツ+両手上げ3トウ、両手上げ3ルッツ+オイラー+両手上げ3サルコウと予定通りに跳んだ。
安定したY字スピン、コレオに入るときに一気にスピードを上げてスパイラル、ビールマンスピンをイリュージョンで出てフィニッシュ。
コーチがロシア系のせいか、滑りも“ロシアみ”があるような
シェリー・ジャン(アメリカ) SP:58.57(11) FS:115.47(7) Total:174.04(8)
「A Beautiful Storm」♪ ライトブルーからネイビー。きっちりと3ループ、3ルッツ+2トウ、3トウといい流れの前半。しっかりした着氷姿勢と、トランジションがうまくつながっていくことで、じわじわと感情が盛り上がっていく。3フリップ+2アクセル+2アクセルもリズムがいい。3フリップ転倒、サルコウが2回転になって転倒したのは惜しい。
コレオのハイドロから続けてスピン、I字姿勢もよかった。
ヤナ・ホルシスコヴァ(チェコ) SP:58.33(12) FS:105.89(22) Total:164.22(18)
「Shatter Me」♪ 紺にグレーと白、シルバーのストーン。冒頭の両手上げ3ルッツは乱れて単独になったが、3ループ、3トウ+2トウと決め、2本目の両手上げ3ルッツで詰まっても頑張って2アクセルをつける。わりとアップテンポの曲に合わせて速い動きが多く、駆け抜けるプログラム。
インガ・グルゲニゼ(ジョージア) SP:62.28(7) FS:110.59(16) Total:172.87(12)
「Mephisto’s Lullaby」「Breathing Under Water」♪ 薄いグレーに赤ストーン。ぐいぐいとスピードにのって滑り出し、3アクセル転倒。次も3アクセルに挑み、オーバーターンで2トウをつけたが+comboとなった。3ルッツ+2アクセル+2トウ、終盤に2アクセル+2トウと最後まで頑張る。ビールマンスピンは足首辺りをホールド。
キム・ユソン(韓国) SP:59.58(9) FS:111.22(15) Total:170.80(15)
「揚げひばり」♪ ラベンダー系。3アクセルに挑んで転倒。3フリップ+3トウ、3ルッツ、3ループ+2トウと立て直し、3ループ+2アクセル+2アクセルは盛り上がった。しかし3フリップに何か不安があったのか転倒。
全体にジャンプが固い感じがする。これからの成熟に期待。
上薗恋奈 SP:61.96(8) FS:132.74(3) Total:194.70(3)
クリーム色。3ルッツ+3トウをシャープに決めると、3ループ、3フリップ+2トウ、スピードとバランスが完璧なジャンプが続く。終盤の2アクセル+2アクセル+2トウまでリズム変わらず、流れもそのまま。独特な振付も自然にこなし、キュートな笑顔でフィニッシュ。
得点を見てびっくりのコーチたち、思わず涙の恋奈ちゃん。演技構成点が圧倒的 7番滑走のサリナ・ジョースがキープしていた首位を奪う。
<G4>
エリナ・ゴイディナ(エストニア) SP:63.03(5) FS:109.86(17) Total:172.89(11)
「シンドラーのリスト」♪ グレー。爆撃の音に耳を塞ぐ振付から。3フリップ+2アクセル+2アクセル、少し乱れたがこらえる。3ループ転倒、3サルコウOK、3トウは下りてすぐスライディングのつなぎ。後半3ルッツ+2トウを2つとまとめる。13歳だがバランスのいい技術を持っている。氷の上に倒れるフィニッシュ。
イイダ・カルフネン(フィンランド) SP:64.64(4) FS:121.68(4) Total:186.32(4)
「ボヘミアン・ラプソディー」クイーン♪ 黄色と白。エネルギッシュ 3フリップ+3トウ、2アクセル、3ルッツは下りてすぐスプリットジャンプ。3ルッツ+2トウ+2ループはフェンスぎりぎりになったが巧く下りた。後半3ループ+2アクセル、3サルコウと予定通り。
ジャンプの回転もスピンの回転も速い。フライングで入るとき一瞬バランスを崩しかけたが頑張った。
アナスタシア・ブランデンブルク(スイス) SP:62.57(6) FS:114.79(10) Total:177.36(6)
「Ne Me Quitte Tu Pas(行かないで)」セリーヌ・ディオン♪ 赤、左肩にハート形のくりぬき。冒頭の3ルッツはやや傾いたので無理せず単独に、次の3フリップにきれいな3トウをつけて成功。3ループ+2トウは良かったが、後半3ルッツで転倒。付ける予定だたった2アクセル+2トウを次の3サルコウに付けたのは偉い。
切ない恋の情感を一生懸命表現していた。
櫛田育良 SP:66.61(3) FS:114.36(11) Total:180.97(5)
「The Little Prince」♪ 赤、髪は高い位置のお団子。手に顎を乗せる愛らしい仕草から、3ルッツに無理せず2トウをつける。3サルコウ+3トウ、長くエッジに乗るターンからの2アクセルが素敵。次の2アクセルでまさかの転倒 3ループでも転倒したが、次に3ルッツ+3トウ+2ループを跳んだのはさすが。
本田真凜が見守る姿が映った。上薗恋奈の表彰台が決まる。
島田麻央 SP:72.60(2) FS:145.76(1) Total:218.36
「Benedictus」♪ ブルーグリーン系。3アクセル、オーバーターンしたが片足で立ち、4トウ、鮮やか あとは落ち着いて3ルッツ+3トウ、3フリップ+2アクセル、3サルコウ+3トウ+2トウなどを決めていくだけ。微笑みながら雄大なスパイラルのコレオ、ジャンプの締めくくりは両手上げ3ルッツ。I字スピンで腕を前から上に、シグニチャーとも言える見事な姿勢。お手本にしたいビールマンスピンを、誰よりもしっかりしたイリュージョンで出て終わる。
シーズンベスト更新の得点を見て、まず涙が プレッシャーと戦ってきたのだろう。
シン・ジア(韓国) SP:73.48(1) FS:138.95 Total:212.43(2)
「Not About Angesl」♪ 薄紫からグレー。柔らかく壮大な2アクセルから。3ループ、3フリップ+2トウ+2ループとゆったり跳ぶ。3ルッツ+3トウ、3フリップ+2アクセル、スパイラル姿勢から3ルッツまで楽々と。スケーティングも無理なく楽に伸びていて、力みが全くない。
ジャンプからそのままランジにスパイラルのコレオ。最後のスピンはキャメルのフットキャッチから頭の上まで上げたが、何かバランスを崩しそうになってレベルは2止まり。それが唯一のミスだった。
フリー、トータル共に自己ベスト更新だったが、狙っていた優勝は掴めず少し硬い表情のキス&クライ。
結果、島田麻央の世界ジュニア2連覇、2位シン・ジア、3位ジュニア1年目初出場の上薗恋奈。4位カルフネンは昨年の26位からジャンプアップ、5位櫛田育良もしっかり期待に応えられた。
6位ブランデンブルク、7位サリナ・ジョース、8位シェリー・ジャン、9位グラドゥキ、10位ルールー・リン。
来季枠は、日本が3枠。2枠が韓国・フィンランド・スイス・イタリア・アメリカ・カナダ・エストニア。
日本は、来季ジュニアグランプリシリーズ枠最大の7大会2名ずつも確保した。
明日はアイスダンスと男子のフリー