フィギュアスケート・世界選手権2024、アイスダンス・リズムダンス(ジャッジスコア)。
[追記] コレオリズムシークエンスについて、今季課題のシルバーサンバで記述しています。
<G1>
ハンナ・ヤククス/アレッシオ・ガッリ(オランダ) RD:51.99(35)
「地獄に道づれ(Another One Bites The Dust)」「Play the game」「Radio Gaga」クイーン♪ 赤トップ黒パンツ、白ランニング口ひげ。ツイズルは少しずれた。まずは落ち着いて第1滑走を務めた感じ。クイーンのメドレーとしては、大人しいかな
オリヴィア・オリヴァー/フィリップ・ボヤノウスキー(ポーランド) RD:54.19(34)
「Relax」「Careless Whisper」「Uptown Girl」♪ 黒。丁寧に合わせたツイズルはレベル4を揃える。パターンダンスのレベルはB止まりだったが、ストレートラインリフトのポジションチェンジがくるくると速かった。
アドリエンヌ・カーハート/オレクサンドル・コロドフスキイ(アゼルバイジャン) RD:49.56(36)
「Caribbean Queen」「Love Zone」「Stay the Night」♪ 黒キャミでパンツ、紫がかったピンクのシャツ。ホップから入るツイズルはそろってレベル3。全体に女性の表情がいい。前から首の後ろに横向きに乗せてからイーグルの右ひざに立たせるストレートラインリフト。
ミラ・ルード・レイタン/ニコライ・マヨロフ(スウェーデン) RD:61.13(27)
「The Race Club Mix」「La Habanera」「I Love You」♪ 白黒チェックに黒ジャケ。回転の速いツイズルで2人レベル4。シルバーサンバのスピードが速い! ミッドラインステップには男性の片手側転も入り、ローテーショナルリフトもぶんぶん振り回した
<G2>
ソレーネ・マジンゲ/マルコ・イェフゲニ・ガイダイェンコ(エストニア) RD:57.09(33)
「Walk This Way」「Push It」♪ 黒、革ジャケ風。ツイズルは男性の進む距離が大きいのがよくわかる。シルバーサンバはサンバのステップが目立たなかった。男性が低い姿勢でハイドロ風の動きのカーブリフトが面白い。ミッドラインステップでは男性が一瞬逆立ちしてから腹ばいになる振付
陳溪梓(チェン・シーズ、Xizi CHEN)/邢珈寧(シン・ジァニン、Jianing XING)(中国) RD:58.80(30)
「Get Down On It」「Cherish」「Celebration」クール・アンド・ザ・ギャング♪ 黒つなぎでブルーをあしらう。ツイズルきれいにまとめ、全体にすっきりした感じ。曲が変わったときに滑りの雰囲気があまり変わらないので、今後の課題かな。
パウリーナ・ラマナウスカイテ/デイヴィダス・キザラ(リトアニア) RD:58.52(31)
「I Love Rock ‘N Roll」「Crimson and Clover」ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ/「Call Me」ブロンディ♪ 黒セパレート、黒Vネック。珍しくミッドラインステップから始める。ツイズルは3つ目に入るタイミングがずれた。女性がジャンプで乗るローテーショナルリフトが良い。
マリア・ホルブツォヴァ/キリル・ビエロブロフ(ウクライナ) RD:63.30(26)
「Holding Out For a Hero」「Straight From the Heart」「If You Were a Woman (And I Was a Man) 」♪ 黒セパレートでパンツ、グレー系シャツ。回転速いツイズル、ミッドラインステップからステーショナリーリフトまでのアップテンポから、がらりと雰囲気を変えてパターンダンスはレベル3。曲と要素の構成が合っていたと思う。
<G3>
ジーナ・ゼンダー/ベダ・レオン・ズィーバー(スイス) RD:58.19(32)
「Race」「Joe le Taxi」♪ 赤に白黒チェックで背中に80の文字。男性を車に見立てて女性が運転するポーズでスタート。ツイズルまとめ、男性片足で前に抱えるストレートラインリスト。ダイアゴナルステップでは男性が大きなジャンプを入れ、男性がまた車になって女性が急ブレーキでストップのフィニッシュ
マリア・ノソヴィツカヤ/ミハイル・ノソヴィツキイ(イスラエル) RD:59.16(29)
「Faith」「Careless Whisper」「Wake Me Up Before You Go Go」♪ ブルー系、白T黒ベスト。シルバーサンバをいい感じにまとめる。ツイズルはややふらついてGOEプラスもらえず。ストレートラインリフトで男性が片手で髪をかき上げるところ、なんか可愛い
オリヴィア・スマート/ティム・ディエク(スペイン) RD:71.81(15)
「Call Me」「Rapture」ブロンディ♪ ブルーのつなぎ、黒系。組んで日が浅いので滑走順が早いが、格の違いを見せつける。電話のプッシュ音で始まり、完璧に合わせたツイズル。ミッドラインステップのグライド感。男性の靴に片足を乗せて開脚のカーブリフト。ノリノリのシルバーサンバ、ラストは通話が切れた音
アンナ・シモヴァ/キリル・アクセノフ(スロバキア) RD:62.76(27)
「ゴーストバスターズ」「I Can Wait Forever」「Name Game」♪ カーキにオレンジのライン。おなじみの曲で盛り上げながらツイズル。右肩に乗せてから腕と足をホールドするローテーショナルリフトがなかなかアクロバティック。全体にきびきびと動いていた。
コーチも納得の自己ベスト。
<G4>
マリア・イグナテワ/ダニイル・レオニドヴィクス・ゼムコ(ハンガリー) RD:64.59(24)
「Boys (Summertime Love)」「Total Eclipse of the Heart」「Push It」♪ ラベンダーと黒、シルバーの上に黒メッシュ。ツイズル安定、パターンダンスタイプステップからミッドラインステップへ自然に流れる。ストレートラインリフトの姿勢変化良かった。
ヴィクトリア・マンニ/カルロ・ロトリスベルガー(イタリア) RD:63.64(25)
「Walk like an Egyptian」「Need You Tonight」「Rhythm Nation」「I Want to Know What Love Is」「Dancing With Myself」♪ 黒セパレートでパンツ、黒Tシャツの胸にテレビ。スピード感のあるシルバーサンバ、ツイズルが音とぴったり合った。ジャンプで入って女性の片足をホールドするローテーショナルリフト。
小松原美里/ティム・コレト RD:66.92(20)
「ゴーストバスターズ」「True」♪ 薄カーキ制服風パンツ。スムーズにダイアゴナルステップをまとめる。ツイズルで女性がややふらつき、レベルは2と3でGOEマイナス 後ろ向きにジャンプして乗るローテーショナルリフトはばっちり。後半は悪くなかった。
フィービー・ベッカー/ジェームス・ヘルナンデス(イギリス) RD:66.39(21)
「1999」「Purple Rain」「Let’s Go Crazy」プリンス♪ ラベンダー、黒に紫。きれいな姿勢のツイズル、ゆったりと見せるパターンダンスタイプステップ。シルバーサンバは二人で同じステップを多用してアピール。
<G5>
ダイアナ・デービス/グレブ・スモルキン(ジョージア) RD:74.46(12)
「Bad」「Liberian Girl」「Cheater」マイケル・ジャクソン♪ 赤ホットパンツ、黒革ジャン。ニースライドを織り込むミッドラインステップ、ツイズルはさすが。深く膝を曲げたイーグルや、膝を曲げて反り返って重なる動きなど、ユニークな工夫がいろいろ。
さっそくQがつく。
折原裕香/ユーホ・ピリネン(フィンランド) RD:68.66(17)
「Like a Prayer」「Love Song」「Express Yourself」マドンナ♪ シルバーのレオタード風、黒Vネック。可愛くセクシーな裕香ちゃん、ツイズルまとめ、伸び伸びと滑っていく。回転させながら肩をまたぐポジションのストレートラインリフト。指先まで2人がシンクロして表現する意識の高さを感じた。
エミリー・ブラッティ/イアン・ソマーヴィル(アメリカ) RD:65.21(23)
「When Doves Cry」「Let's Go Crazy」プリンス♪ 黒にカラフルな指し色のつなぎ、黒系。快調にミッドラインステップ、ハイドロ風が入るステップ。スライディングなどをしてから入るツイズルも素晴らしい。シルバーサンバで男性がまさかの転倒 頑張ってローテーショナルリフトをこなした。
ジェニファー・ヤンス・ヴァン・レンズブルク/ベンヤミン・ステファン(ドイツ) RD:65.86(22)
「Beds Are Burning」「Don't Leave Me Now」「Runaway」♪ グレーと黒。ツイズルは僅かにずれたがレベルはそろって4。後半スピードを出してミッドラインステップ、何度も手元で回転させながら肩に乗せていくローテーショナルリフト。
ここで小松原/コレト組にQがついた。
カロラーヌ・スシス/シェーン・フィーラス(アイルランド) RD:68.04(19)
「Ghetto Life」「Fire And Desire」「Super Freak」♪ 赤つなぎに革ジャン、黒革ジャン。切れのある振付とスピード感のあるステップ、一方で大きくグライドするところも見せる。男性の肩に横向きに乗って女性側がノータッチのローテーショナルリフト。
シーズンベストにQがついて笑顔のキス&クライ
<G6>
カテリナ・ムラズコヴァ/ダニエル・ムラゼク(チェコ) RD:73.05(13)
「Self Control」「Total Eclipse of the Heart」「Holding Out for a Hero」♪ ピンク、黒。スピードにのってシルバーサンバに入っていった。イーグルに逆立ち姿勢のカーブリフトで歓声が上がる。若さ溢れる演技
ホリー・ハリス/ジェイソン・チャン(オーストラリア) RD:71.44(16)
「Material Girl」「Into The Groove」「Express Yourself」マドンナ♪ ゴールド、黒。動きが伸びやかでキュート。選曲のバランスがよく、要素ともよく合っていた。
シーズンベストに笑顔弾ける
ロワシア・デモージョ/テオ・ル・メルシエ(フランス) RD:75.74(11)
「Rapper's Delight」「Why Can't We Leave Together」♪ 紫、紫と黒。面白い選曲で、まずラップで切れのいいツイズル。ルンバ風でパターンダンスタイプステップ、縦姿勢から横姿勢に変化させるローテーショナルリフト。ラテンぽい曲に変わってシルバーサンバ、ミッドラインステップもアピールたっぷり。
シーズンベストにうなずく。
ナタリー・タシュレロヴァ/フィリップ・タシュレル(チェコ) RD:68.25(18)
「The Knowledge」「Juicy Fruit」「Serious Slammin'」♪ 黒系。切れのいい動きでシルバーサンバ、ツイズルは2人の距離がすごく近い。パターンダンスタイプステップでレベル4。しかしリフトしようとして乗せられなかったような、、、?
ミスはあってもフリー進出に問題はない。
リム・ハナ/クァン・イェ(韓国) RD:71.89(14)
「Let’s Go Crazy」「When Doves Cry」プリンス♪ 紫と黒。シニアデビューシーズンのフレッシュなカップル。ツイズル合わせ、一歩を大きく見せながらミッドラインステップ。パターンダンスタイプステップもレベル3が取れた。男性が大きなホップを見せてシルバーサンバに、元気よくローテーショナルリフト。
ミスなく終わって充実の顔。得点にコーチも喜ぶ
<G7>
クリスティーナ・カレイラ/アンソニー・ポノマレンコ(アメリカ) RD:79.26(8)
「Whole Lotta Trouble」「Edge Of Seventeen」♪ ブルーとベージュ、黒。このグループになるとスピード感が違う。ほぼ準備動作なく入るツイズル、ゆっくり逆立ちさせてゆっくり下ろすカーブリフトが凄い。勢いを増しながらシルバーサンバ。充実!
自己ベスト更新
ユーリア・トゥルッキラ/マティアス・ヴェルスルイス(フィンランド) RD:75.89(9)
「Tell It to My Heart」「I'll Always Love You」「Prove Your Love」♪ 黒、黒ノースリーブ。クラシック系が得意なカップルだが、女性の髪形など雰囲気を作っている。きちっと姿勢を決めてツイズル、女性の片足を持つところから低い姿勢になるステーショナリーリフトは、立ち上がりながら肩上に乗せる。
マージョリー・ラジョワ/ザカリー・ラガ(カナダ) RD:82.30(5)
マイケル・ジャクソン・メドレー♪ 赤にブルーでパンツ、全身赤系。「スリラー」演出でぐいぐい進むツイズルから、とにかくよく動く。シルバーサンバで向かい合ってステップ踏むところが好き
自己ベスト更新に会場も興奮
エフゲニア・ロパレヴァ/ジェフリー・ブリソー(フランス) RD:80.01(7)
「Sans contrefacon」「Tristana」♪ 濃い緑系ストライプ、同系色で透け感。お人形っぽい動きが可愛いプログラムで、問題なくツイズル。女性が途中でニースライドを入れるミッドラインステップ。男性が横に女性を抱えるステーショナリーリフト、女性の表情がいい。
フレンチポップスの曲なのか、テクノっぽい こちらも自己ベスト!
アリソン・リード/サウリウス・アンブルレヴィシウス(リトアニア) RD:80.99(6)
「Welcome to the Jungle」「Paradise City」ガンズ・アンド・ローゼズ♪ 黒キャミソールでパンツ、黒。速いツイズルの終わりに男性がバタフライ、カッコいい 深く膝を曲げるイーグルで重なるトランジション、伸びと切れのバランスがいいプログラム。
自己ベストまであと少し。
<G8>
ロランス・フォルニエ・ボードリー/ニコライ・ソレンセン(カナダ) RD:75.79(10)
「トップガン」♪ 透ける赤に黒スカート、カーキ。逆立ち状態で前に持ち上げながら片足滑走のストレートラインリフト、下ろしながらぶんぶん回す ツイズルで女性がバランスを崩してしまった ステップの中で見せるちょっとしたホールドやリフトが洗練されている。
パイパー・ギルス/ポール・ポワリエ(カナダ) RD:86.51(3)
「No More I love You's」「Addicted To Love」♪ 紫に光るグリーンでパンツ、黒。スライディングや一瞬寝そべるなどの振付が入るステップ、完璧にコントロールされている。ほぼ前触れなく曲の変化と同時に入っていくツイズルもぴったり。肩上から次第に前に移動するローテーショナルリフト。女性の表情を見ているだけでも楽しい
シャルレ―ヌ・ギニャール/マルコ・ファブリ(イタリア) RD:87.52(2)
「Holding Out For a Hero」「Against All Odds (Take a Look At Me Now) 」♪ ターコイズブルーのつなぎ、そろいのトップス。全ての動きがびしっとポーズを決めている。首に足をかけてイーグルの膝上に立ってからまた首に足をかけて回転して下りる、全部の姿勢で写真が撮れる。
シーズンベストでトップに立った
マディソン・チョック/エヴァン・ベイツ(アメリカ) RD:90.08(1)
「地獄に道づれ(Another One Bites The Dust)」「Who Wants To Live Forever」「I Want It All」クイーン♪ 黄色、黒。女性のシャープな動きが目を引く。前半はアップテンポで切れよく、高速のツイズル。パターンダンスタイプステップはメロウな曲で大きなグライドを見せ、横っ飛びに乗るローテーショナルリフトは右肩に乗せて。
ぞくぞくするアピール満載 シーズンベスト。
ライラ・フィアー/ルイス・ギブソン(イギリス) RD:84.60(4)
「Sweet Dreams (Are made of this)」「Here Comes the Rain Again」♪ ピンクに黒セパレートでパンツ、ピンクに黒。高速ツイズルの後にそろって寝そべるトランジションがお洒落。男性の靴に女性が手を乗せて回るスピニングのような動きとか、スポーティーでわくわくする。
シーズンベストには届かず。
結果、チョック/ベイツがトップに立ち、2.56点差でギニャール/ファブリが2位、1.01点差でギルス/ポワリエが3位につけた。4位フィアー/ギブソン、5位ラジョワ/ラガ、6位リード/アンブルレヴィシウス。
小松原/コレトは20位でフリー進出。折原/ピリネンも17位でフリー進出となった。
フリーは明日未明(今夜の深夜?)2時半から。