野田佳彦首相はノコノコハワイで出かけて行ったが、鴨が葱をしょって来るようなもので、手ぐすね引いて待っているアメリカの餌食になるだけだ。日本時間では13日朝、野田首相と初会談したオバマ大統領は、リップサービスはほどほどにして、早速、日本に非関税障壁の撤廃を求めてきた。これに対して野田首相は、アメリカの意にそうために、日本がBSE対策でアメリカ産牛肉の輸入制限をしている問題について触れ、緩和に向けた動きとして、食品安全委員会へ諮問することを約束した。それほど厳しいにもかかわらず、NHKなどはまだ交渉の余地があるようなニュースを流しているが、そんな余裕が今のアメリカにあるわけがない。石原慎太郎は『宣戦布告「NO」と言える日本経済』という本を1998年に出している。その時点ですでに、石原は現在の危機を予言していた。「日本は20年後には国家とは名ばかりの実体の無いものになりはて、アメリカに使役されるだけの民になってしまうだろう。国家というフレームワークを失った民の群が、たとえばユダヤ人がいかにも嗜虐的なナチス体制下で、数百万人が無抵抗であるがゆえに一方的に殺戮されていったかを思い出せば、その末路が見えてくるでしょう」。国家解体を改革と叫ぶ民主党に政権を渡したことで、なおさらそれが早まってしまったのではなかろうか。
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