もう一度言う。石原伸晃幹事長では、自民党は選挙で勝てないと。「総選挙でどちがら勝っても政界再編だから」という無駄口をどうしてたたくのだろう。福島県議会選挙で自民党は、政権与党でもないにもかかわらず、前回の選挙よりも、1議席上回ることができた。2009年8月の総選挙で小選挙区は全滅しており、よくぞ善戦したものだと思う。先頭に立つべき幹事長が、後ろから味方を撃つような言動をして、それで許されると思っているのだろうか。民主党内の保守派というのは、あくまでも目くらましである。それと組もうというのは、まさしく利敵行為ではなかろうか。石原は政策新人類ともてはやされた時期もあったが、政治的ダイナミズムを勝ち抜く器量は持ち合わせていないようだ。どうせ都会人の石原幹事長では、TPP反対の「尊皇攘夷派」を理解するのは難しいだろう。三島由紀夫は林房雄との対談で、「福澤諭吉のいちばんの歴史に対する洞察のなさというのは、攘夷論者のなかに、改革する能力を予見しなかったことですよ」(『対話・日本人論』)と一刀両断にしている。明治維新においても、国益を守るために「尊皇攘夷派」が登場したことで、日本は滅ばされずに済んだのである。それでいて、鎖国に逆戻りしたわけではないのだ。いよいよこれからが正念場であり、自民党は民主党との対決姿勢を前面に出すべきである。
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