2011ふくしま駅伝が去る20日、白河市総合運動公園陸上競技場から福島市の県庁前までの96・5キロのコースで例年通りに行われたが、放射性物質の汚染によって、福島市内にすぐに避難すべき地域があるのに、あまりにも軽率な開催ではなかったか。さらに、13市27町9村の約800人が参加したといわれるが、参加者のなかには、成人前の子供たちもおり、健康への配慮がどこまでされたかも、はなはだ疑問である。そのコースは、1時間あたり1ミリシーベルトに迫る地域であり、それが身体によいわけがないし、参加者がこの日のために、わざわざ県外にまで出かけるのは難しいだろうから、県内で走りこんできたというのが、容易に想像されるからだ。主催者の福島陸上協会と福島民報新聞社は、そのことを真剣に考えたのだろうか。さらに残念であったのは、参加選手のゼッケンに、東北電力という社名が刷り込んであったことだ。いくら東京電力とは違うとはいっても、原発を推進していることでは同じではないか。とんでもない仕打ちを福島県民が受けているのに、電力会社から協賛金を貰うというのも、主催者の神経が疑われる。全世界から福島県は注目を集めており、できもしない除染でお茶を濁すことへの批判も、日に日に高まってきている。そんななかで、今回の駅伝が実施されたことは、私たち福島県民が、現実を直視する勇気に欠けているからだろう。
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