表面的には、国政のレベルでは自民党が多数派が形成して、日本の政治をコントロールしているかのようにみえる。しかし、実際は違うのではなかろうか。安倍首相の政策に賛成している政治家は、自民党内で多数派ではない。かろうじて内閣支持率が回復してきているので、今は逆らわないだけではないか。安倍首相が将来の夢をぶちあげても、もう一つ盛り上がらないのは、党内の基盤がそれほどでないからだ。宏池会のグループはここにきて、憲法改正に懐疑的な発言をし始めている。安保関連法案が通過するまでは黙っていたが、これ以上は安倍首相に付いていけないとの意思表示である。戦後レジームから脱却するためにも、党を超えた形でも結束が必要になってきている。おおさか維新の会や民主党内の保守派は、安倍首相と憲法改正で共闘すべきだろう。安保法案で安倍首相を徹底的に批判したのは共産党である。大阪の二大選挙で自民党の推薦候補が苦戦しているのは、共産党と共闘しているからであり、安倍首相を支持する保守派からすれば、まさしく敵を利する行為なのである。どうしてそれを認めることができよう。自民党が憲法改正を党是としていることも知らずに国会議員のバッチを付けているようでは、この先が思いやられてならない。安倍首相は盤石ではなく、保守派の国民の声が後押ししなければ、現実にはいつ孤立してもおかしくない。絶対に油断をしてはならないのである。
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