日本がアメリカとの真の友好を樹立するためには、広島や長崎の原爆投下をもう一度問題にしなくてはならない。アメリカへの復讐の思いをかきたてるためではない。あれは明らかに戦争犯罪であったからだ。今のアメリカに謝罪を求める必要もないし、賠償なども要らない。日本人の誇りを取り戻すだけなのである▼それを口にできなかった屈辱が、戦後の日本人を卑屈にしてしまった。国家としての尊厳は否定され、日本が悪者であったとの、東京裁判を受け入れることになった。いわゆる韓国の「従軍慰安婦問題」などで日本の対応が遅れたのは、自虐史観が日本人の間にゆきわたっていたからだ。アメリカが東アジアから撤収し、日本が中共や朝鮮半島と直接対峙するようになれば、当然のごとく日本は国家として身構えなくてはならない。アメリカにとっても、日本は国家としての誇りを取り戻すことは必ずやプラスに働くはずだ▼どんな国であっても万全ではない。日本が軌道修正をするのを、歴史修正主義として批判するのではなく、鷹揚な態度で見守るべきなのである。これまでの態度をアメリカは変更する必要はない、日本人の悔しいい思いを圧殺するのではなく、それを大目に見る度量が求められるのである▼東アジアの平和を維持するには、日米同盟は不可欠である。それを深化させるためには、日本がアメリカにおもねるのは間違いなのである。長谷川三千子は「『アメリカを処罰する』というメッセージが日本人に突きつけたもの」のエッセイで、同じような主張をしている。戦後レジームからの脱却とは、アメリカに物申せる日本になることであり、それがお互いのためなのである。
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