ディスインフォメーションという言葉がある。マスコミなどを利用して情報を歪曲して伝え、それで一国の世論を自分たちに有利に導こうとするのである。スタニスラフ・レフチェンコによる証言で、そうした活動のネットワークが暴露されたことがあった▼1975年から約5年間にわたって「新時代」の東京記者であったレフチェンコは、アメリカに亡命した82年末、ソ連のKGB積極工作班将校として活動していたことを暴露したために、日本中が大騒ぎになったのである▼中薗英助の『スパイの世界』では古臭いやりかたのように書いてあるが、まとこしやかな情報を流すというのは、情報戦にとっては不可欠のことであり、その必要性はこれまで以上に大きい。その本が世に出たのはソ連が崩壊した翌年であった。日本国内におけるソ連のエージェントがあぶり出されることが予想された。それに先手を打ったことは明らかだ。日本海に北朝鮮の工作員が侵入することについても、一部はアメリカによるでっち上げであるとも述べており、ディスインフォメーションに手を貸す内容となっている。北朝鮮による日本人拉致などは、当然ごとく取り上げられていない▼今度はソ連ではなく中共の崩壊が迫っている。中共のエージェントとして働いたか、今も働いている者たちは、いつ自分のことが暴露されるか戦々恐々としているはずだ。今のマスコミの報道はあまりにも偏向している。中共の工作機関に「イデオロギー、冒険好き、金銭目当ての三代動機」で足をすくわれた者たちが暗躍している。必ずや実像は明らかにされるだろう。レフチェンコのように泥船から逃げ出した元スパイによって。
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