参議院選挙はこれからが終盤戦である。中村菊男が「わが国の選挙運動において、それが白熱化するのは運動期間中の後半期にはいってからである。選挙運動が最高潮に達するのは終盤の5日間であり、もっとも精力の集中せられるのが投票日の前日前夜である」(『政治学の基礎』)と書いていた。いくら各種の世論調査が発表になっても、最後の最後まで、各候補者は気を抜くことはできないのである▼今回自民党が勝つかどうかは、東北6県の1人区がどうなるかにかかっている。これまでは自民党を離れた者たちと革新系が手を結び、保守の牙城であっても、自民党候補を破ることができた。小沢一郎、渡部恒三、鹿野道彦に勢いがあったからである。しかし、世代交代が進んでおり、自民党がどこまで攻勢に転じるかである▼共産党も含めた野党共闘ということで、保守的な層の反発を招いている。もし自民党が6議席全てを獲得すれば、憲法改正も夢ではないのである。逆に1議席か2議席にとどまるのであれば、非改選を含めて、かろうじて自公が過半数を制したとしても、敗北にほかならない。公示になって以降、安倍首相が何度も東北に足を踏み入れているのは、そうした理由があるからだ。東北で自民党が力を回復することになれば、改憲に向けて、日本の政治が一歩踏み出すことになるのである。
応援のクリックをお願いいたします