共同通信によると、福島第一原発から20キロ圏内にとどまらずに、30キロ圏内までも、避難指示にするということを、枝野幸男官房長官が示唆したとか。放射線量の累積を考慮すれば、それは当然の処置だ。いよいよ福島県は最悪の事態を迎えることになりそうだ。そうでなくても、北西に約40キロである飯舘村だって放射能汚染が深刻になっており、福島市のすぐ近くまで危機を迫っているのである。避難指示の拡大が事実であれば、新に10万人もの避難者が生まれることになる。もっと早くになぜ手が打てなかったのだろう。しかも、この場に及んでまだ検討中なのである。3月11日の大震災の後に、浜通りの人たちの多くは、一旦は逃げ出したが、落ち着いたと勘違いして、今は住み慣れた地に戻っているのである。今度また避難しろといわれても、どこに行けばいいか、戸惑ってしまうはずだ。民主党政権は、原発のトラブルがすぐにでも収束に向かうと考えていたのだろうが、それに反して、現実は日々深刻になっている。福島県を三つの地域に分けると、浜通りから中通りまでが約50キロ、中通りから会津までが約50キロである。それだけに、半径30キロというのは、とんでもない広大な面積なのである。しかし、今は何をさておいても住民の命を最優先にすべきだろう。その意味からも、決断を先延ばしすることは断じて許されないのである。
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