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哀れ牛の子

2008-09-04 15:23:50 | 出版記事
我が家では昨年もお話したアヒルと鴨の混成親子のぬいぐるみ“ガアガアちゃん”が三羽やっと定位置に落ち着きました.孫達が今年もやっぱり抱いてあちこち連れてまわりました.愛くるしいカルガモの子供たちとアヒルのお母さん(?)です.子供は何でもかわいいですよね.人間の子も猫の子も犬の子も・・・・・・ライオンの子だってワニの子だって可愛いことに違いはありません.カマキリの巣や蜘蛛の巣からやみくもに出て来る小さな小さな子供達だってかわいいと思います.それなのに日本で飼われている乳牛の子供の事をご存知ですか?乳牛の現実をご存知ですか?以前テレビ放送で知ったのですが、それはそれは悲惨な目を覆うばかりの状況です.

そこには見るも無惨聞くも無惨の乳牛の母と子の現状が映し出されていました.皆さん、乳牛ってお乳がでる牛と思っていらっしゃいませんか?でもでも考えてみてください.お乳が出るというのは哺乳類のメスの特徴です.お乳って何のために出るのでしょうか.お乳は子供のために出るのです.お乳は子供を産まないと出ないのです.乳牛だって同じです.

現代の人間の女性は我が子に与えるお乳で手いっぱい・・・・・.昔のような貰い乳だってままなりません.一滴だって我が子に与えたい大切なお乳です.でも乳牛の母は可愛い我が子に与えたいお乳を無理矢理搾乳機につながれて人間のために搾り取られるのです.母牛の温かい乳房を横取りされた哀れ子牛はというと、良くて絞った牛乳の一部を、最悪の場合は何でしたか忘れましたけれど人工的なお乳代わりの飼料を与えられるのだそうです.子牛に母の乳房の味を知らせてはならないのだそうです.人間が横取りできなくなるからです.乳牛の母と子は完全に母と子特有の至福を奪われてしまっています.そして母牛は牛乳を出し続ける為に無理やり妊娠させられ出産させられ続けるのです.

そして挙句の果てには乳牛として見切りをつけられ、なんと肉牛として売られるのだそうです.子牛もオスが生まれれば殆んどが肉牛として飼育され数年後にされます.メスはまた悲惨な母の運命をたどります.こんなことをしていいのですか?自分の平和と幸福を主張できますか?平和な日本に生まれて権利を主張することは容易いことです.でも物言わぬ動物たちにこんな仕打ちをして、自分たちだけの幸福を主張できるのでしょうか.

もう少し違う酪農のあり方ってないのでしょうか.子牛からほんの少し分けてもらうような・・・・・母牛と子牛の幸福の味がする牛乳ってないのでしょうか?そんなに無茶苦茶消費するから、本来離乳後は飲まない乳をいつまでも飲むから、体に過重な負担をかけて病気になるんです.母牛の悲しみの味がする牛乳を横取りして飲んで幸せになれるはずがないというものではないのでしょうか?牛乳は母牛と子牛からのおすそ分けとして高級品にすればいいのだと思います.なんでも人間が安価に大量に食べて良い訳がありません.食べ物はいのちと引き換えです.つつましく分かち合っていきたいものです.そしてもっともっと自分が食べているもののことを知るべきだと思います.

牛科の動物はことさら可愛い目をしています.あの目を思い出してください.あの可愛い目は、何も言わずにじっと現実を受け入れてヌレヌレと見つめています.人間が恥ずべき態度を改めるべきではないでしょうか.
コメント (5)
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