蓬莱山からの水を修行僧にたとえ、堰を超え中海を通り大海にそそぎ入り、悟りの境地へ入る様を表している、といわれている。
蓬莱山からの水を修行僧にたとえ、堰を超え中海を通り大海にそそぎ入り、悟りの境地へ入る様を表している、といわれている。
本堂をはじめ多くの塔頭は非公開である。寺院内を垣間見ることしかない。近世寺院の雰囲気を残している境内を歩いてみた。初秋の風に木々が揺れ静寂な時空を楽しませてもらった。
先日、阪急百貨店で開催されていた職人展に行った。いくつか驚く匠の技が施されたものに出会った。その一つが、写真にある「船箪笥」である。聞きなれない箪笥に興味をそそられ、また見て通り金具で覆われているアンティークな形に足が止まった。さらに北前船の進化とともに、というフレーズに惹かれて。
さてさて、わからないことだらけである。北前船とは?船箪笥とは?それにまつわる歴史は?など好奇心を駆り立てる言葉が溢れていた。わからないことは聞くに限る、と匠工芸の村田社長にぶつけてみた。
すると懇切丁寧にご説明いただいた。それを咀嚼すると、船箪笥とは、江戸中期から明治末期にかけ、大阪や富山など日本海を往来した北前船に積まれ、多くの船にはなくてはならない道具箪笥として役割を果たした。
何故こんな重い箪笥が船内に必要であったのか、大阪から荷を積んで蝦夷地(北海道)まで荷を運ぶ船を北前船と呼ばれていた。その船主がモノを買い蝦夷地で売るという商売人。船がお店となるわけである。そこに箪笥が必要不可欠なものになる。つまり金庫である。
説明をうけた帳箱といわれる箪笥は、7つのカギがある。それぞれの扉に、また内部の箱のカギがそれぞれある。さらに奥にはからくり箱がある。これでは盗んでも密箱にはたどり着かない。これぞ比類なき独自の構造が匠の技で施されている。
そして、気になった船箪笥といわれる所以は、この重い箪笥が水に浮き水が中に入らない、という最大の特徴をもっている。
当時、これを造った職人の技と知恵が注ぎこまれ、いまにそれが伝承されているわけである。この匠の技が伝承され製造されているのが、福井にある匠工芸。日本で唯一の会社になっている。
youtubeでも紹介されているので、ご興味がある方は、ぜひ。
https://m.youtube.com/watch?v=n1_6KqkBcns&t=0h0m6s