ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

おやじの琴線を揺らすのは「港の風景」 【尾道風景Ⅱ】

2022-06-30 14:15:40 | 地域発展

 

尾道。瀬戸内で有数の観光地として人気を博している。観光に訪れるのは女性が多い。女性にとって見どころが多い町なのだろう。昔と今が適度に混在し “オシャレなまち” として心に響いているようだ。女性に限らず、男性にも魅力的な町として存在が高まっている。

 

それは、アクティブな活動から芸術文化の探訪、そして自然の恵による尾道グルメと郷土料理のコラボ。それに情緒観あふれる瀬戸内風景などあらゆる観光要素がつまっている。とくに女性の心を捉えてやまないのが「猫ちゃん」。狭い坂道に猫の風景が女性の “かわい~” の琴線を響かせている。

 

観光名所・名物にこと欠かない尾道であるが、おやじの切れかけた琴線を揺らすのが「港の風景」。むかしと変わらない風景にどうも引き寄せられてゆく。思い出に浸ることができる昔のままの風景を、時をへて楽しむのも観光の目玉になるような気もしたが・・・。

 

     小津安二郎監督作品の「東京物語」の尾道ロケの写真が塀に

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

 

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山門の「増長天」「広目天」が神呪寺の風格を示す

2022-06-29 15:20:34 | 文化想造塾「神社仏閣」

                 神呪寺(甲山大師)

 

ご縁があればよく寺社参拝させていただくのだが、残念ながらご縁がつながらない場合は足を踏み入れる機会がない。先日、ご縁に導かれたように、兵庫県西宮市甲山町(かぶとやまちょう)の「神呪寺(かんのうじ)」という寺院に参拝する機会を得た。この寺院は、筆者の家から車で20分程度の、いわゆる地元のお寺さんである。

 

ご縁をつないでくれたのが、今年5月に開催されたひらりんフェスティバル。会場になった宝塚の平林寺を再興した如一尼さんのお膝もとが神呪寺ということからご縁がつながった。そのご縁を辿り参拝させていただいた。

名前は聞いたことがあるがいまだかつて訪ねたことはない。真言宗御室派の別格本山で由緒ある寺院である。六甲山系の一部にあたる甲山の山麓にあり、通称甲山大師(かぶとやまだいし)とも呼ばれている。寺号の神呪寺は神を呪うという意味ではなく、甲山を “神の山” とする信仰があり、この寺を 「神の寺(かんのじ)」としたことによるといわれている。

 

                 神呪寺山門

 

訪ねて驚くことに、甲山の中腹にある寺院ということで山岳信仰の深さを感じさせる佇まいである。関心を惹いたいくつかの事象を紹介する。まず今回、目に留まった「山門」。スマホを掲げレンズをのぞき込むと三門の両サイドに仏像が安置されていたのに気づいた。仁王像と思ったが、注視すると仏法の守護神にあたる天部の仏像が安置されていた。山門に向かって右に「増長天(ぞうちょうてん)」、左に「広目天(こんもくてん)」である。山門に安置されているのは金剛力士像が多いが、ここ神呪寺は天部像である。

 

           天部像「増長天」

           天部像「広目天」

 

天部像の中でも四天王とは、「仏様」と「仏法」を悪から守護する最強の神様をいう。また、守護神という性格に加え、仏様だけでは救いきれない衆生(人々等)にご利益を授け救済をしてくれる福徳神という性格も持つ神様ある。その中の増長天は南の方向を、広目天は西の方向を守る役割をもっているといわれている。増長天、広目天ともに眼光鋭く、忿怒相の顔をしている。そして手には武器を持ち、仏法の守護神として山門に安置されているのだろう。

その姿が見えにくいのは残念であるが、神呪寺の格式高い風格を示している。

 

                山門の上部

 

新しいご縁で導かれた神呪寺を、資料をひも解きながら紹介してみたいと思っている。

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

 

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仏画と般若心経で心と体が整う

2022-06-28 13:29:10 | 仏画曼荼羅アート教室

般若心経を書くと「心と体」が落ち着く。「心と体」が冷静に穏やかになる。1時間ほどの集中と文字の力なのだろう。それを言葉以外の俗な体験表現でいうなら、サウナ風呂から出て水風呂で体を冷やすときの、あの感覚である。私個人の比喩なので、それぞれが違うことは重々承知である。さらに、サウナと水風呂を繰り返していくと、心も体も不思議と整っていくのである。

 

仏画曼陀羅アート教室では、前回の課題が大日如来と4菩薩での曼陀羅制作。仏像と般若心経の組み合わせで、中央に大日如来像、周りに観自在菩薩像、普賢菩薩像、文殊師利菩薩像、弥勒菩薩像を配し組み立てるものだった。

大日如来像が中央に配置され、その前に276文字の般若心経を扉のように書き添える。般若心経の奥に大日如来像が経典に包まれるかのように安置されたイメージとして表現されている。

 

                    大日如来と4菩薩での曼陀羅制作

 

それを各教室の皆さんがチャレンジし仕上げたものを並べた。今回の課題で、新しい発見があった。大きな作品なので、般若心経も当然大きく書くことになる。見本を見ながらで一文字一文字丁寧に思いを込め書いているのが一目瞭然である。家で仕上げた方たちのも、絵にも文字にも力がみなぎっている。一歩、また前進した。心と体が整い書かれた作品に仕上がっていた。

 

 

 

リポート&写真/ 渡邉雄二 制作/ 仏画曼陀羅アート教室の皆さん

 

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仏教音楽も加わり “鎮魂”と“感謝”を込め開催された「レクイエム音楽祭」

2022-06-27 14:16:29 | 雑感

 

新型コロナウィルス感染症により、尊い命を失われた方々に対し慰霊のための鎮魂と、命の危険を顧みず医療に献身的に携わっている方々を労い感謝を捧げる「レクイエム音楽祭」が6月12日に、池田くれはロータリークラブ(服部潤承会長<佛日寺住職>)の主催で、池田市民文化会館アゼリアホールで行われた。

 

このような音楽祭は今回が初めて。同クラブが各方面に声をかけ6団体の賛同で実現した。その中に、一般では見るチャンスが少ない僧侶による「声明(しょうみょう)」や「梵唄(ぼんばい)」が慰霊の鎮魂と感謝の意を込め唱えられ、会場に響きわたった。

 

                   梵唄(声明)を披露

 

「声明」とか「梵唄」は一般の我々には馴染がないが、分かりやすく簡単に言うなら仏典に節をつけた仏教音楽のことをいう。同音楽祭では池田市の真言宗久安寺が「声明」を、そして佛日寺が「梵唄」で出演。

声明は、真言宗に伝わるもので、今回はその中の一つである「散華(さんげ)」で仏を讃え、花を散らし供養した。古くは蓮の花びらを散らしたが、現在では花弁形の紙製が用いられている。今回は、同音楽祭を「鎮魂」と「生きる」という強い思いを込め散華された。

 

梵唄は、隠元禅師によって伝えられた、黄檗宗独自の声明である。中国明代の唐韻で発音し、経典を唱えるときに鳴らす梵音具である鏧子(けいす)や木魚(もくぎょ)、大引鏧(おおいんきん)、小引鏧(こいんきん)、香灯(ひゃんてん)、鐃鈸(にょうはち)などの鳴り物法具でリズムとって読誦する。

前半は、亡くなられた方々が成仏されることを願い三宝讃を、そして後半は、仏様がこの世で苦しんでいる人々を救うため西方讃という内容の梵唄を披ろう。

 

              鳴り物法具で梵唄を披露

 

米山奨学生学友や女声合唱の皆さん、そして高校生による吹奏楽や子供たちの合掌に仏教音楽が加わり、いままでにない音楽祭として、新型コロナウィルス感染がいまも続く中で大きな感動を与えた。

 

      服部潤承師(池田くれはロータリーくらぶ会長・佛日寺住職)

             梵唄を披露した僧侶の方々

 

リポート/ 渡邉雄二 写真/ 黄檗宗佛日寺

 

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大林宣彦監督らが築いた礎、未来ある「尾道映画祭」

2022-06-24 13:01:40 | 地域発展

「ふたり」を見終わったとき、会場から大きな拍手がおこった。映画のあとに拍手が鳴る光景はそんなにあるわけではない。今回の「尾道映画祭」という舞台の最後の上映作品に対して惜しみない拍手が会場に鳴り響いた。

会場内の客席で観ていた、故大林宣彦監督の奥様で映画プロデューサーの大林恭子さんや娘さんの大林千茱萸さん、そして「ふたり」に主演した石田ひかりさんたちに対しての労いと感謝を込めての拍手だったように思う。そう思いながらも、2年前に亡くなった、尾道出身の映像の魔術師ともいわれた、同作品を監督した大林宣彦監督への “哀悼の意” がお客様の拍手に込められていたようにも聞こえた。

 

 

私は、「ふたり」を見るのは初めてで、こういった機会に尾道で見られるのは心高ぶるものがあった。全編が尾道ロケというこの作品が、32年の時を経て、尾道映画祭で公開されたのは感慨深いものだった。

ちょっぴりドジな14歳の実加(石田ひかりさん)としっかりものの姉・千津子(中嶋朋子さん)の姉妹が繰り広げるストーリー。ある時に、不慮の事故で亡くなってしまった姉が、幽霊になって現れ実加を励まし苦境を乗り越え成長していく姿を描いたもの。赤川次郎の同名原作をもとに大林監督が映画化した作品である。

 

 

大林監督は、尾道を舞台にした「転校生」を皮切りに「時をかける少女」、「さびしんぼう」を世に送り出し、のちにこれらが尾道三部作といわれるようになった。

そして、1991年に、再び尾道ロケでこの「ふたり」を撮り。続いて4年間隔で「あした」と「あの、夏の日」を撮り、新尾道三部作として尾道シリーズを製作した。

 

小津安二郎監督の「東京物語」で “映画の街・尾道” の足掛かりをつくり、大林宣彦監督が映画の街の基礎を固めた。尾道から発信できる「映画」は次の世代の作家やクリエーターがどのように尾道とかかわり発信していくかが未来を創ることに。いまから楽しみである、何を見せてくれるのか。

 

余談話であるが、今回も、客席から遠目であるが舞台の石田ひかりさんを拝見した。20年ほど前にも、犬と散歩している石田さんを遠目から見たことを思い出した。ご主人がまだ大阪勤務のころ、西宮に住んでおられたことからそういう偶然があった。私も犬と散歩中で、たしか犬種が一緒だったことを記憶している。だから、なんだ! ということではあるが、私の拍手は石田さんへの応援の気持ちを込めて!

 

 

リポート&写真/ 渡邉雄二・尾道映画祭実行委員会 Reported & Photos by Yuji Watanabe

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