ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

任天堂の原点!威風堂々たる存在。 雰囲気は残し「かるた」から「ホテル」へ

2021-07-30 14:32:39 | 有形文化財

大手ゲームメーカーとして世界のゲームファン魅了する任天堂(Nintendo)。

その聖地といえる京都市下京区にある旧本社ビルがホテルに生まれ変わろうとしている。

 

2年前に勤務(アルバイト)していた職場近くに気になる建物があった。

鴨川にほど近い七条通と五条通の間の、正面橋を西に入った住宅の路地裏の一角に、

堂々たる近代的建造物がそびえ建ち、目を惹く存在だった。

当時、玄関先まで行ってみるとこんな掲出看板がかかっていた。

"トランプ・たるか"と妙な文字の看板が掲出されていた。

内部は人の気配はなく、長い間、空き家状態のビルだ。

看板の下に「堂天任内山」と古さを感じさせる右からの読む漢字の看板。

 

聞いてみると、ここが、世界の「Nintendo」の発祥地であり、

その大正ロマンを色濃く残すビルヂィングなのである。

創業当時は、写真にあるように “かるた” をメインに作っていた会社である。

創業者の山内房治郎氏が、明治22年にスタートし日本一のカード製造会社となった。

2代目社長が「合名会社山内任天堂」と「株式会社丸福」を設立し、現在の任天堂へとつながっていった。

その原点の地がここである。

 

 

任天堂(京都南区) の創業の地として残る旧本社ビルが、この夏にホテルに生まれ変わる。

昭和初期に建てられたアール・デコ風の建物の雰囲気をできるだけ残しながら増改築

(設計監修は安藤忠雄建築研究所/施工は大林組)し、

レストランやバーを備えた約20室のホテルに改装され、歴史を語れる新しい空間に生まれ変わる。

 

 

数年前からホテルラッシュで沸いたが、新型コロナウィルス感染で

国内外からの観光客はゼロに近い状態の中どう立ち向かうのかが見ものである。

任天堂が直接運営に携わるわけではないが、世界の任天堂の神通力が道を開いていくよ気もするが・・。

楽しみである。

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金メダル奪取、神がかり!

2021-07-29 14:26:45 | TOKYO 2020

 

一昨夜は、卓球混合ダブルスで、水谷隼、伊藤美誠両選手が中国チームを大逆転の末破り金を獲得。

五輪では日本卓球界初の金、悲願を成し遂げた。

 

そして昨夜は、ソフトボールで日本がアメリカを退け13年ぶりの連覇。

予選では逆転負けだったのを、決勝で上野選手の渾身の力投と日本の守りで見事な勝利をおさめた。

 

五輪で金メダルを獲るのは実力と人一倍努力があっての賜ものに違いないが、観ているともう一つあるように思う。

勝ちへのリズム、そして運。人の力が及ばない何かが働いているかのよう。

つまり"神がかり"ということになる。両方ともそう思える試合だった。

 

翌日は、体操男子個人総合で橋本大輝選手、柔道女子70キロ級で新井千鶴選手、

女子水泳200m個人メドレーでは、大橋悠依が400mメドレーに続き2冠。金メダル奪取が続く。

 

写真は、卓球がフジTV、ソフトボールはテレビ朝日の映像から転用。

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鶴林寺の、お釈迦様と因縁深い「菩提樹」と「沙羅樹」

2021-07-27 13:29:33 | 文化想造塾「神社仏閣」

先日、加古川(兵庫県)へ行ったときに、聖徳太子開基伝承の寺院のひとつ「鶴林寺(かくりんじ)」を訪ねた。

鶴林寺は西の法隆寺と称され、国宝の太子堂をはじめ数々の文化財を有する、播磨地方有数の寺院である。

目に留まったのが、本堂を挟んで両脇にある「菩提樹」と「沙羅樹」の2本の木。

神社で言うなら御神木と同じ意味をもつ木である。

 

 

それぞれの木の横に立て看板があった。それには、下記のような内容のことが書かれ興味を惹いた。

菩提樹は、お釈迦様が菩提樹の下で悟りを開いたと言われている木である。

片方の羅紗の木は、お釈迦様が入滅された時に、周辺に羅紗双樹が繁っていたと言われている。

ともにお釈迦様との因縁の深い木である。

ともに6月中頃からが花が咲き見ごろになる。

 

[菩提樹]

お釈迦様が成道の時、この樹の下で坐禅されたという因縁のある木。

日本ではインド種が生育しないため古来この中国種の木によって菩提を悟られたお釈迦様をしのんできた。

 

 

[沙羅樹]

お釈迦様が入滅になる時に、周囲に繁っていた娑羅双樹が枯れ、

枝の先がまるで鶴が翔ぶような姿に見えたことから仏教に因縁のある木とされた。

これが当寺の名前の鶴林の語源である。

日本ではインド産の木が生育しないため古来、このナツツバキを沙羅と呼んで涅槃に入られたお釈迦様をしのんできた。

 

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蝉一匹から王安石の心情を読み取る 【一茶庵煎茶追想】

2021-07-26 15:51:30 | 一茶庵「易社」

 

夏の風物詩という言葉が妥当かどうかわからないが、蝉の鳴き声で目が覚めることがよくある。

うるさい、といえばそれまでであるが、短い命を精一杯表現しているかのように思える。

そして夏のおとずれ知らせてくれる。

 

そんな蝉の違った喩え方やストリーを中国の古典から学ぶこともある。

煎茶稽古で、掛けられていたお軸からー

 

今夜(先日)のお軸は、蝉が一匹。

漢文漢詩的には、蝉はこの時期によく登場する題材の一つである。

中国では秋蝉(しゅうせん)といわれ、騒がしい比喩として使われ、

また地中から出てきたセミは復活の象徴とされている。

玉(美しい石)などをセミの形に彫り、復活の装飾品にしているのもあるという。

 

 

そこで、今夜のお題で登場したのが、北宋の政治家であり文人として名を馳せた王安石の「題西太一宮壁」。

漢詩としては珍しい六言絶句である。

 

柳葉鳴蜩綠暗,

荷花落日紅酣

三十六陂流水,

白頭想見江南

 

非常に高いレベルの詩のようだが、われわれにはその凄さはなかなか読みとれないが、訳すならば、

 

柳葉鳴蜩緑暗

柳の樹でセミが鳴き、柳の葉が色濃く繁り暗くなっている。

つまり、騒がしい批判の声があがっており、鬱陶しい。そんな時期の暗さを表現している。

 

荷花落日紅酣

蓮の花は、沈もうとする太陽に花が紅に染まっている。今は絶頂期であるものの、やがて衰退期を迎える。

 

三十六陂流水

三十六の湖沼が四方八方に広がって流れている。

 

白頭想見江南

これを見ると故郷の江南を思い浮かべ故郷を連想する。そこで隠棲したいものだと想いを馳せる。

 

 

ということになる。

蝉を引用しながら一節ごとに、柳の草色、太陽の赤、流水の水色(茶色?)、

そして白髪の白など、文字で色を表現し楽しんでいる詩である。

人生の終焉には故郷を偲ぶのは人の常なのかもしれない。

 

蝉が一匹しか描かれていないお軸も珍しい。

煎茶を愉しむ人たちは、お軸を見ながら描いた人の意図を読み取り想像し話題を広げ楽しむのである。

小難しいあそびと思いながら筆者のような頭の固い者には頭の体操になっていいのかもしれない。

そこで、稽古ではこのお軸から「王安石」の題西太一宮壁を連想。佃宗匠らしい計らいである。

お茶は、やはり雁が音ということになる。

 

※この記事は2018年9月「心と体のなごみブログ」に掲載したものを加筆し転載

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向源寺の国宝、十一面観音像に魅了される

2021-07-23 15:13:49 | 文化想造塾「神社仏閣」

仏画曼荼羅アートの佛日寺教室に参加している方の中で、趣味で十数年仏像を彫っている方がいる。

先日、その彫っている仏像を持参していただいた。一つは金剛力士像、そしてもう一つが十一面観音像。

持参していただいた仏像(写真)は、滋賀県長浜市にある向源寺(こうげんじ/以前は渡岸寺と呼ばれていた)

にある国宝の十一面観音立像を見本に製作されたものである。

「まだまだ人に見せるのは恥ずかしいですが」とおっしゃるが、なかなかの出来映えに驚かされた。

向源寺にあるものは仏像頭部の後ろに暴悪大笑相の顔があるのが特徴で、それも見事に反映されていた。

 

 

持参していただいた仏像を見ながら、以前に向源寺の十一面観音像など、

いくつかの仏像を見て回ったことを思い出した。

全国で、国宝の十一面観音菩薩は7像ある。その一つが、長浜市にある向源寺の観音像である。

十一面観音は、頭上に十または十一の小面をもち、十一の観音の働きを一身に具現したものであるとされている。

向源寺の観音像は、頭の上にある菩薩相と後ろに暴悪大笑相なるお顔が掘られてあるのが特徴で、

密教像特有のインドの仏像の感じを伝えていると言われている。

さらに、十一面観音像の魅力は立ち姿の造形美である。

見てのとおり、腰を横に振ってくねらせているところが美しいと言われている。

性別は問わないが、女性感あふれている仏像には間違いない。

 

 

向源寺から車で15分ほどのところに「石道寺(しゃくどうじ)」というお寺がある。

ここには十一面観音菩薩は三体あり、その一つが重要文化財のケヤキ一木造りの観音像。

唇に鮮やかな紅がほどこされた可憐な姿が目を惹く。

 

 

国宝や重要文化財の数では、滋賀県は東京、京都、奈良に次いで4番目に多い。

それは諸説あるだろうが、木材が豊富だったこと、

そして木材の乾燥や保存に適した地域だったことが一番大きいと言われている。

さらに、京都や奈良に近いということも大きな理由のようだ。

コロナ終息した折は、ぜひ湖東、湖北、湖西の探訪の旅を楽しみたいものである。

 

7体の国宝十一面観音像がある寺院

 

 

向源寺 滋賀県  

六波羅蜜寺 京都府  

観音寺 京都府 

法華寺 奈良県 

聖林寺 奈良県 

室生寺 奈良県 

道明寺 大阪府 

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