ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

金剛力士像を仏画に! 難題にチャレンジ【仏画曼荼羅アート】

2021-02-28 11:45:02 | 仏画曼荼羅アート

仏画の中で、金剛力士像(仁王像)が描かれているのを見ることは少ない。

歴史的に見ても、私が知る限りでは著名な絵師が描いた金剛力士像の仏画は表に出ていない。出ていないというよりか描かれてないのかもしれない。

それは、装飾色彩的に乏しいことがあげられるが、総合的に絵画として美しさに欠けることが考えられる。

筋骨隆々、強面は造形的にはユニークで、ある種の共感を持つが、絵画的にはなかなか題材として受け入れ難いところがある。

その金剛力士像を描いてみたい、と神戸教室の方から申し出があった。仏画を描く下絵見本がない。写真から下絵を描く作業からスタートする。写真にあるような立体感がある造形物を線におこすのは難しい。この写真を見本にすると絵画的な描き方になる。

いずれにせよ、仏画曼陀羅アートでは特に規制や制作技法はない。失敗を恐れずチャレンジすることが強味のグループである。

課題提案したときは頭を抱えていたが、帰りには "おもしろそう!"とやる気満々に。

前回、金剛力士像を描きたいと申し出があった方は一足先に家で描き、昨日持参された。

見事な発想でまとめられていた。(トップの写真)

中央に朱で般若心経を書き、その上に細密な五重塔を。その両サイドに阿形像、吽形像を添え全体的に素晴らしい構図として仕上がっていた。

サイズは600㎜×600㎜

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大阪の残り名物、いまも誇らしげに走る。

2021-02-26 14:19:35 | 地域発展

先日、久しぶりに大阪 天王寺まで行った。

ご存知のとおり日本で一番高いビル、「あべのハルカス」があるところ。
数年前からあべの筋など、この周辺が変わりつつある。

天王寺、阿倍野界隈は大阪南地域に位置し下町中の下町として

”大阪らしさ” が残る地域である。

しかしながら、地域開発が徐々に進み、

下町の風土、情緒、雰囲気、街並みが消え去ろうとしている。



むかしから天王寺といえば「チンチン電車」が走る町として馴染み深い。

あべの筋は、いまでも堺方面までチンチンと警笛を鳴らしながら路面を走っている。

これが、目に見える大阪の残り名物であるかのように

誇らしげに今日も私の目の前を走り抜けて行った。

一部あべの筋沿いや路地裏のお店は昔ながらの雰囲気を残しているが、

その灯火がいつの日か消えていくと思えば寂しい気がする。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

願いが叶う不思議な「思うつぼ」、網敷天満宮

2021-02-25 15:43:38 | 神社

神戸 須磨の「網敷天満宮」には祈願像がいくつかある。その横には、ちょっと不思議な「思うつぼ」という壷が設置されている。

あまり目立たないが、配置はマトを得て置かれている。一つは茄子の腰掛けの横、二つ目は網敷の円座横、続いて波乗り像横、菅公母子像横、そして筆塚横である。すべての祈願像のそばに設置されている。

思うつぼは、思い描いたように物事が動くという意味から"がんかけ(願掛け)"から"がんかな(願叶う)"祈願像の絶大なる補助ツールとして貢献しているということになる。

それぞれの祈願像に手を合わせ、その後にねがい玉を滑らせ思うつぼに入れる。単純なことではあるが、玉は思うつぼに転がりこむ。ようは願いが叶う、ということである。

綱敷天満宮は参拝者を驚かせてくれる。そして楽しませてくれる。思い思いの願いを受け止めてくださるようだ。

 

ねがい玉  あみしき叶う  思うつぼ

こんな句が頭に浮かんだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

梅の名所、神戸「綱敷天満宮」のパワーにふれる

2021-02-24 11:13:24 | 文化想造塾「神社仏閣」

先日、神戸市須磨区にある「綱敷天満宮(つなしきてんまんぐう)」を訪ねた。綱敷天満宮というのは全国数カ所にある。ご承知のとおり、天満宮は学問の神様、菅原道真公が祀られている。この網敷天満宮も同様に、979年に道真公の分霊を祀ったことに始まったといわれている。
当時、九州の太宰府に左遷途上で休息のため立ち寄り、土地の漁師たちが漁網の大綱を巻いて円座を用意した。これに因んで、神戸市須磨区の地に「綱敷天満宮」が創建された、という言い伝えがある。

天満宮といえば「梅」。神戸の綱敷天満宮も梅の名所として地域の人たちに人気を博している。境内周辺には25種約120本の紅白が咲いている。中でも、「白滝枝垂れ」「森の関(紅)」「呉服枝垂れ」「紅千鳥」「ロウバイ(黄)」などがこれ見よがしに咲き始めている。

本殿の周りはいろんな種類の梅で覆われている。通常の楠や松の鎮守の森とはいささか異なる雰囲気が漂う。

その中で一番に花を咲かせていた寒梅は、つぼみが弾けたばかりで初々しい。色も形も無垢の美しさを漂わす。

梅の他に、牛・茄子の祈願像に、幼少時代の道真公をモチーフに造られた、サーフボードを持つ祈願像や、玉を転がし壷に落とす「思うつぼ」など、ちょっと風変わりな祈願の対象物がある。パワースポットとして人気を博す天満宮である。

随時、紹介させていただく。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マリー・アントワネットから天平時代のハープまでを楽しむ。<夙川ソーシャルカレッジ>

2021-02-22 11:39:46 | 地域発展

以前、夙川(兵庫県西宮市)の環境や魅力を促進させようと「夙川ソーシャルカレッジ」という文化活動をスタートさせた。その一幕を振り返り、当時、記事にした内容を改めて紹介しようと思っている。

10年前になるが、カレッジ第一弾として、夙川周辺にスタジオをもつハープ奏者の「摩寿意英子」さんのワークショップ「ハープに触ろう!」をテーマに開講した。

講師の摩寿意英子さんは、東京藝術大学日本画科を卒業後、ハープ奏者に転向。イタリア政府給費学生として,ローマのイタリア国立サンタ・チェチーリア音楽院ハープ科を最優秀の成績で卒業。帰国後,東京藝大大学院ハープ科修了し、国内外で演奏活動を精力的に開催されている。

とくにハープの歴史に精通されている方で、スタジオには年代や種類の異なるハープが並んでいる。

今回のワークショップでは、大人4人に加え可愛らしい4歳と2歳の女の子も参加してくれた。子どもたちは優しい音色と響く音に興味を示し、先生が指を添えて弦を奏でると目が輝いてくる。
一方、大人の目を惹いたのが、1760年代製のマリー・アントワネットの時代に造られ、当時実際に演奏されていたというハープ。そして紀元前2000年以上も前、メソポタミア文明時代にあったとされるハープの原型が中国シルクロードを渡り日本に入ってきた。そのハープの原型といわれている「箜篌(くご)」を復元したものが並んでいた。当時のもの(原型)は奈良の正倉院に収められている。


いまのハープの弦はガットだが、箜篌は絹の弦が使われている。それぞれが独特の音色である。演奏するテーマやステージによってハープを使い分け、西洋のクラシックならグランドハープ、西洋の歴史的意図を表現するにはマリー・アントワネットというように。

ハープのことに疎い門外漢の筆者でも感動させてもらった。とくに年代モノには使われた経緯や謂れがある。そのストーリーが音を通して伝えてられていく。

現代のハープと古代のハープ、そして18世紀のマリー・アントワネットのハープの音色を聴く演奏会を、ぜひ開催してみたいと思える、貴重なワークショップになった。

 

※2011年にスタートした「夙川ソーシャルカレッジ」の記事転載

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする