ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

布袋唐子嬉戯図に、おもわず「もらい笑み」!  【真言宗智山派 智積院】

2023-05-17 10:55:34 | 寺社絵画

 

 

このたびの智積院参拝で、やはり「この画」の前に立ち止まりしばし眺め写真を撮った。

いろんな画を見る機会があるなかで、私にはこの画が最高ランクの一枚である。

智積院の講堂の正面にある使者の間に飾られてある「布袋唐子嬉戯図」が、その画。真言宗の画僧である月樵(げっしょう)道人が大正の初めに描かれたもので、布袋さんの振りまく笑顔に童子たちも可愛らしく笑っている。

 

この画を見るたびに自然な笑顔や笑声が乏しい日常を思う。道人の、布袋さんを通し子どもたちへの眼差しが伝わってくる。今回も、この画からおもわず「もらい笑み」した。

 

 

 

 

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

 

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尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/

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若冲の弟子、意冲の「山寺図」に惹かれる

2022-03-01 16:23:54 | 寺社絵画

 

宝蔵寺の寺宝展で、若冲の弟子と思われる意冲が描いた2作品が飾られていた。初公開の「菊慈童図」と「山寺図」。この山寺図は水墨画のような雰囲気である。

山水画独特の、下から上へと続く山、その後ろに高い山が見え、さらにその向こうにも山のシルエットが薄っすらと墨の濃淡で表現され、いわゆる遠近法で描かれている。

 

 

私の興味は、意冲の画もさることながら賛として添えられている漢詩。解読は無理だけど、文字を辿るとなんとなく想像できる。山の情景と、奥深い山にある寺のことが書かれてあるのだろう。

説明ボードには、賛は皆川湛園(みながわきえん)とあった。皆川湛園は江戸中期の儒学者で、

絵画は円山応挙に学び卓越し技能を有し高い評価を受けている画人でもある。

 

その漢詩を和訳にしたものがボードにあったので、それを書き写した。

 

靄は山々の小道に深く垂れ込め

風は他の谷の梢を鳴らして吹き渡る

雲のかかった峰に残照がとどまるなか

幾層もの仏塔だけが

ひときわ高くそびえている

 

このような掛軸は、煎茶席でゆるりとした気分で語り合いながら眺めるのがいいような気がする。

 

リポート&写真/ 渡邉雄二 撮影は同寺院了承(寺宝展) 場所/ 宝蔵寺(京都)

 

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白い仔犬と白い象の、微笑に魅せられ 【京さんぽシリーズⅠ】

2021-06-05 14:16:35 | 寺社絵画

相国寺 開山堂は春の特別拝観で公開されていた。

入口からお堂に入ったところの

隅っこの杉戸に白い仔犬が描かれていた。

円山応挙筆とあった。

白い毛でなんとも言えない可愛らしさ、

いまにも扉から抜け出してくるかのような絵である。

 

 

また、方丈の廊下の杉戸には

原在中の白象が優しく微笑んでいる。

 

 

ともに江戸時代に活躍した絵師で、

大典禅師のお気に入りの絵師として相国寺と深くかかわった。

相国寺には、伊藤若冲はもちろん二人の絵も多く所蔵されている。

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大徳寺方丈の「探幽」と建仁寺方丈の「等伯」の襖絵に注目

2021-05-19 15:19:04 | 寺社絵画

大徳寺本坊は、禅寺系の寺院と同じように南から勅使門、三門、仏殿、法堂が

一直線に並んでいる(ちなみに南禅寺は西から並ぶ)。それらの奥に書院や方丈がある。

方丈建築は通常、南側に3室、北側に3室の計6室から構成されるのが一般的であるが、

大徳寺は南側に4室、北側に4室の計8室という珍しい造りになっている。

 

その方丈の襖絵は江戸時代の初期に活躍した狩野探幽が描いたものである。

84面に紙本墨画の水墨画、竹林禽鳥図、禅会図など9種もの墨画が残されている

(現在は、1枚が焼失し83枚) 。それが一部公開されている。

とくに山水図で見られる余白は狩野探幽の持ち味とされている

"余白の美"を追求し、江戸絵画に大きな影響を与えたとされている。

安土桃山時代から狩野派は織田信長、豊臣秀吉や公家貴族などの信頼を受け

大いにその世界では権力を振るったといわれている。

           大徳寺方丈襖絵 / 狩野探幽 筆

 

一方、同じ臨済宗の寺院として有名な建仁寺の方丈には桃山時代に狩野派と対抗していた

長谷川派の始祖、長谷川等伯の襖絵がある。等伯は、狩野探幽が活躍した江戸時代の前の桃山時代に、

探幽の祖父にあたる狩野永徳と絵師としてしのぎを削っていた。

その長谷川等伯の方丈襖絵が枯山水庭園を前に広がっている。等伯の独特の中国的詩情をかもし出している。

            建仁寺方丈襖絵 / 長谷川等伯 筆

 

両寺院を訪れる機会があれば、ぜひ方丈の襖絵に注目して鑑賞するのも楽しい。

狩野派、長谷川派の違いや特徴が感じられるはずである。

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国内最大の「涅槃図」を掲げ法要。【御寺泉涌寺】

2021-03-25 14:46:10 | 寺社絵画

釈迦像を本尊とする寺院では涅槃図を掲げ、

お釈迦様の遺徳を偲ぶ法要「涅槃会(ねはんえ)」が随所で行われた。

2月14日は大阪の池田市にある佛日寺へ参拝。

その一か月後の3月15日には、国内の最大の涅槃図が掲げられる、

京都東山の皇室の菩提寺である御寺泉涌寺の法要に伺った。

本尊の前に紙本極彩色の、縦16m、横8mの大涅槃図が

天井からコの字型に吊り下げられていた。

過去に観たことのない大迫力に圧巻。

午前10時からお昼まで、大涅槃図の前で十数人の僧侶による読経が続いた。

読経のさなかに、僧侶が、蓮の花びらの形をした紙をばら撒き

それを参拝者がいただく。つまり散華という儀式にも触れながら

お釈迦様の命日の法要に同席させていただいた。

その後、東福寺に参拝したが、

残念ながら大涅槃図は修復中ということで見ることは叶わなかった。

 

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