ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

創造力、生産力を育む大学、京都美術工芸大学

2019-04-09 17:04:08 | 文化想像塾[教育]
大学生の作品とは思えない出来栄えである。
京都美術工芸大学の2018年度卒業生の卒業作品。最優秀賞、優秀賞を受賞した作品を1階のギャラリーに展示。建築学科と美術工芸学科の学生が半年以上の時間をかけて製作。
その中でも建築学科の学生が製作した社寺の模型は見事。美術工芸学科の学生の最優秀賞は1年がかりで製作した家具。そして優秀賞では椅子や木彫刻の他に、革靴がひときわ目立っていた。

同大学は、いまの日本の高等教育の方向性にあっているかどうかはわからないが、芸術・美術系の大学の中でも独自路線を歩んでいる。学生の100%とは言わないが、目的、目標を持って入ってくる。学生の間で想像力、表現力を高め、それを創造力に、そして生産力に変えられる力を養える教育現場になっていると思う。
これから特に、日本の教育の貧弱さが問われ中で価値ある存在の大学のひとつになるだろう、と予測している。



















コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

心の成長が伴わなかったら。[発達障害]

2018-05-25 15:55:17 | 文化想像塾[教育]
【教育現場】シリーズ4-3

子供たちは自分が障害をもっているとは思っていない。保護者の方々も我が子が病気だと認識している人は少ないような気がする。特別な症状や発作が出ないかぎりわかりにくいのが現状のようだ。
親が、早く起きないと学校に遅れるよ、と声がけしても起きない。学校へ行くのが怖い。人に会うのがいや。そんな子供たちの心叫びが親にも届かない。
子供の日々の精神状態が見過ごされ大人になっていく。大人になって心を開ける友だちができ、そして社会環境に順応していけば徐々に心も体の成長についていく。
しかしながら、心の成長が伴わなかった場合、大人になっても家族との会話はなく引きこもってしまうケースも多々ある。

昨年、ある33歳の女性が高等課程に入学したいと相談にきた。その女性は、中学卒業し公立高校に進学したが1学期で退学。その後は家に引きこもり11年間を過ごした。30代になってようやく働く気持ちになったという。そのためには高校卒業資格が必要と一念発起し、学校の門をくぐった。
が、難関が待ち受けていた。それは、生徒間の年齢差に息疎通のコミュニケーションはなかなか生まれこない。われわれの思いとは裏腹に人と話す気持ちがおこらない。自分の存在を表したくない。そんな行動が多々見受けられようになってきた。お姉さんだから他の生徒に歩み寄ってくれると期待をしたが崩れ去った。

授業開始チャイムが鳴って1、2分後に音を立てずこっそり入室し着席する。異常としか思えない彼女の行動に周りの生徒も無視はしつつも違和感を感じ始めていた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

不登校生の深い闇!【教育現場】シリーズ-3

2018-05-10 16:16:52 | 文化想像塾[教育]


起立性調節障害。
この病気名を聞いたことのある人は、そう多くはいないだろう。小中高生の年齢で発症しやすい病気といわれている。自律神経系のアンバランスによって、しばしば思春期に発症する自律神経失調症の一種のようだ。

症状としては、朝どうしても起きれない。午前中、体がだるい。立ち眩みがする。吐き気がする。食欲がない。といったようなことになるらしい。

考えてみると神戸カレッジ・オブ・ファッションの高等部に通っていた生徒にもそういう症状が見受けられた。
私ぐらいの世代の人たちはそういう病気の認識が極めて低い。私世代の幼少期、少年期時代に、朝が起きれない!という人がいれば、即座にどやされ、こんな言葉が発せられた。
「夜更かししてるからだろう!」
「何怠けたこと言ってるのだ!」と。

一部の生徒をみて、こんなどやし発言をしたくなるが、いまはほぼ禁句である。理解不足となってしまう。生徒にとってみれば、もしこんな怒鳴りを聞かされたものなら、二度と怒鳴った人とは口をきかなくなるだろう。
生徒すれば、そんな人にいくら説明をしても絶対に理解してもらえない、と心を閉ざしてしまうのが目に見えている。

では、なぜ?そんな症状が出てしまうのだろうか。医学的にはさまざまな成因があるようだが、分かりやすい成因の中には、水分の摂取不足、心理的ストレス、例えば、学校でのストレスや家庭でのストレスが影響するようだ。またよく耳にする低血圧による成因もあげられるらしい。日常の活動量が少なくなると筋力の衰えや自律神経機能が悪くなり下半身へ過剰な血液が移動し、脳への血流が低下してそのような症状が出てくるらしい。

資料によると、10歳から16歳に多く、日本の小学生の5%、中学生の約10%にみられ男女比は 1:1.5〜2 と報告されている。日々のリズムが5時間程度うしろにズレている事が原因で午前中に交感神経活動が活性化しない。その一方で、夜間に交感神経が活発化するため寝付きが悪くなる。つまり『朝寝坊』になりやすい。また、鼻周辺の気道のアレルギーを併発する割合が高いとする報告がある。

仮にこんな知識があったとしても、我が子や生徒の日々の生活態度をみると大人はついついイライラしがち。小言を言いたくなる。私もそんな大人で長く過ごしてきた。
が、在職していた学校で今までにない多くことを学ばせていただいた。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

時代で変わる学校の姿

2018-05-03 21:19:10 | 文化想像塾[教育]
教育現場シリーズ-2]
高等学校卒業後の進路の一つに将来、技術職を目指すための専門学校がある。専門学校は専修学校の一つで正式には専門課程という。その他に高等課程と一般課程がある。
先月末をもって退職した専門学校神戸カレッジ・オブ・ファッション(略称/KCF)には、専門課程と高等課程の二つが設置されている。

高等課程というのがKCFの高等部になり、中学校卒業後の進路の一つになっている。しかし、このような高等専修学校は全国で400校ほどで、そのうち6割程度が3年間で高校卒業資格が取得でき、一般の高等学校と同じ処遇になる。

10年くらい前までは、中学校の時から素行に問題がある、いわゆる"ヤンチャ"とレッテルを貼られた子たちが入学してくる学校だった。その時代は知らないのだが、その当時通っていた卒業生が今も子供を連れよく訪ねてくる。学校への思い入れが強いというわけではないようだが、私がいた間でも頻繁に当時の仲間と連れだってよく来ていた。

その当時の担任の先生に、結婚したよ、子どもができたよ、と報告にくるのだ。
その先生は、当時から生徒の父親、母親の役割をしておられる。いまの子どもたちに対してでもそうである。

それが時代の流れなのか、生徒の質が180度違う。半数近くが小学校、中学校時代から不登校気味の子どもたちである。
次回は、「〈不登校生〉の現状」





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

個を伸ばし、同じフィールドで。

2018-03-23 11:35:22 | 文化想像塾[教育]
私が勤務している専門学校には高等部がある。中学校を卒業し、将来、技術を活かし仕事をしたいと進学してくる生徒たちを迎え入れている。
それらの生徒たちに交じって、手に職をつけ一般企業で働けるよう、そして自立し生計が立てられるようにとがんばっている生徒たちが若干名いる。

その生徒たちは発達障害をもつ子供たちである。そして療育手帳を有し義務教育である中学校までは「特別支援学級」で学んだ生徒である。中学校卒業と同時にほとんどが特別支援学校高等部に進学する。しかしながら、高等学校卒業資格は取得できない。
“通えるだけでも”という保護者の希望に応えられるが、”できるなら高等学校卒業資格が取得でき、さらに自立できるように”という要望を持つ保護者も少なからずいる。それは発達障害者のなかでも障害度量の違いによって考え方や進路に対する捉え方が異なる。

本校は高等学校卒業資格が取得でき、技術も身につけることができる学校である。その卒業資格と技術習得を目指し3年間通う。
発達障害をもつ生徒は、いま高校2年生。男女1名ずつが在籍している。一般生とすべて一緒の授業をうけ学校生活を楽しんでいる。だが、二人とも他の生徒と話をすることはほとんどない。だからといって萎縮しているわけでもなく、疎外感をもつこともない。教師の指導や指示に逆らうこともなくマイペースで学んでいる。だから、教師が指導しやすく、通常科目や技術科目など理解が深まると上達が実に早い。
教師は、本人たちを名前のあとにワールドをつけて、”渡辺(仮名)ワールド”と呼んでいる。その領域を少しでも広げられるように熱心に指導されている。

その成果が現れてきている。三学期終業式表彰生徒一覧を見ていると、その二人の生徒は、各種技術検定試験、美術展入賞者、皆勤賞等々すべてを受賞した。
とくに洋裁技術検定初級ではその男子生徒が最高得点で合格。そして二人が、今年度一年間の登校日数を無遅刻・無早退・無欠席という快挙を達成している。この成果は、教師の指導やサポートはもちろんだが、なによりも保護者の献身的なサポートがあってこその成果である。
聞くと、小さいときからお母さんが勉強を教え、自立できるように、と親だからできる躾、支援がされてきている。

障害者施設で軽度な作業や、連携している事業所の清掃をしている若者が多数いる。10年前に比べれば障害者活動支援も充実してきているものの、健常者とともに一般社会で生活でき、一般企業で就業できるような社会制度の構築が望まれる。障害者であっても個の技能を活かせる環境が早く整えられるよう切に願っている。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする