ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

枯山水を紙上で表現。自由な解釈で世界が広がる。【日本庭園】

2020-06-29 13:43:27 | 文化想造塾「曼荼羅」

禅寺を訪ねる理由のひとつに庭園がある。日本の四季を楽しめる池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)も美しくて大好きであるが、砂庭式枯山水を眺めていると時が止まっているかのような悠久の美を感じさせてくれる。

枯山水庭園はご承知の通り、散策が目的の庭ではなく、室内から静かに鑑賞するための庭である。石や砂の配置や組み合わせから、さまざまな風景を想像し自然と自らの存在を一体化し自分を見出すための庭という概念をもつ。だから心も体も自然に整っていく。

白砂の模様は水の流れを表現している。この砂紋が、川に見えたり大海に見えたり雲海に見えたり・・・。人によって解釈はさまざまで、水を使わないのに水を感じさせる。砂の中にある大きい岩は、不老不死の仙人が住むといわれる「蓬莱山(ほうらいさん)」に見立てたり、複数の岩や石を組み合わせて山が表現されている。

その枯山水庭園を紙上で表現しようと試みている。砂の紋様は線で表し、山や石は仏様や般若心経、そして墨で創作しようと描き始めた。あくまでも想像の世界なので、いろんなチャレンジが可能になる。それを楽しみたいと思っている。

現代の枯山水庭園は仏教思想的な意味合いは薄く、自然の景観を表現するために岩や石を置く。その配置は、どの部屋からもバランスよく見えるよう設置し、特定の場所からしかすべての岩や石が見えなかったり、また縁側や窓から見るのが一番美しい配置になっていたり、庭によってさまざまのようである。さらに、どの位置から眺めても必ずどこかの一つの石が見えないように配置される場合もあるようだ。

先入観を持たずに、自由に解釈すれば自分の世界がもっと広がり楽しく鑑賞できるような気がする。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

見事な作品が完成。強い思いが筆を動かす【仏画曼荼羅アート】

2020-06-28 15:46:53 | 文化想造塾「曼荼羅」

昨日の仏画曼荼羅アート教室は神戸だった。3カ月ぶりの再開である。それぞれの教室とも今月から再開し少しずつ活気を帯びてきた。お陰様で、参加いただく皆さんが元気で参加いただくことが何よりも嬉しいことである。

昨日は、一部の方がこのコロナ騒動でたっぷり時間があったので、率先して仏画曼陀羅を仕上げ持参いただいた。それらを皆さんに披露した。あまりに素晴らしい出来栄えなのでSNSでも公開させていたたく。

■70代女性の作品

天部像10体と観音像2体を縦35㎝×横300㎝の中に描き中心に般若心経を配置。微細な部分まで細かく描かれている。

■50代女性の作品

胎蔵界曼荼羅の中心部を描き、その周りを雲に舞う飛天を描く。独創性に富んだ作品に。縦70㎝×100㎝

■80代女性の作品

胎蔵界曼荼羅の中心部をユニークなタッチ表現。中心の大日如来をはじめ仏像の顔の描き方が独自の表現方法で描かれている。縦40㎝×横50㎝

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初夏の風物詩「蓮」は、寺院の伽藍を彩る。 【蓮シリーズⅡ】 

2020-06-25 17:13:15 | 自然の美しさ

東寺の蓮池のほとりに柳の木がある。平安時代の能書家 小野道風の逸話に、蛙が柳に飛びつこうと何度も繰り返す。このひたむきの蛙の努力を見ていると、努力すれば運も味方する、という話がある。これから季節、東寺の伽藍の深緑も一段と鮮やかになる。


小野道風が「柳」と「蛙」を結びつけたことにより、その後、柳と蛙が一対で俳句や川柳にもよく登場する。そこに初夏の寺院の風物詩である「蓮」が池を彩る。そんな風景が、寺院の静寂とよくマッチする。

「柳」といえば、中国の古典によく出てくる。別れの場面で近親者が別れの餞に柳を輪にして手渡す風習があったようだ。そんな数々の風習の素が、空海が唐から持ち帰った行李(こうり/柳で編まれた収納箱)の中に詰まっていたのかも知れない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蓮にみる、命の循環。 [蓮シリーズⅠ]

2020-06-24 21:24:12 | 自然の美しさ

蓮は、泥水を吸い上げながらも美しい花を咲かせる様子が清らかに生きる象徴だと称される。

人の手が入らない命の循環の美しさを楽しませてくれる。生きる象徴物に例えると、慈悲なる美的対象物になるが、ご存じのとおり、水面下の茎は野菜の蓮根である。

写真にあるのは、3年前、兵庫県加古川市に行った際に、移動中に見た蓮である。降りてみると、今までに見たこもない蓮畑が一面に広がっていた。蓮は、若草色の葉っぱの間から顔を出す淡いピンクの花が葉とのコントラストに映えていた。茎の下や根は泥の中に埋まっている。泥水を吸い上げながら可憐で美しい花を咲かせる。このアンバランスが絶妙に美的対象物になる。
仏教では慈悲の象徴とされ、死後の極楽浄土に咲く花とされている。そのためか、如来座像の台座や飾り物にも蓮の花が彫られている。
蓮を眺めているとなぜか穏やかな気持ちになれるのが不思議である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

風水思想を色濃く反映している中華街の門。

2020-06-23 17:06:06 | 有形文化財

中国では、城や寺院に必ず「門」が存在する。日本の鳥居や山門にあたるものであるが、その存在感は極めて大きい。それは、中国文化のルーツとして中国人の暮らしに根付いている「風水」というのが大きくかかわっているようだ。

それを見てとれるのが、横浜中華街にある10基の門である。そのうちもっとも風水に影響された主門が、東の「朝陽門」、南の「朱雀門」、西の「延平門」、北の「玄武門」の4基である。
調べてみると、風水思想のベースになっている五行説では、それぞれの方角を表す「色」と「聖獣」が決められている。東は「青」で「青龍」。南は「朱(赤)」で「朱雀」。西は「白」で「白虎」。そして北が「玄(黒)」で「玄武」。これらのモチーフが煌びやかに反映されている見事な主門である。

中国では古来より、皇帝が城を築くとき、城内に入ってくる邪気を見張るために東南西北のみに通路を開き、門衛を置いた。それらは「春夏秋冬」「朝昼暮夜」という陰陽五行に基づく色である「青赤白黒」で彩られ、さらに各方位の守護神として人々に根強く信仰された四神を据えたといわれている。
横浜中華街を大きな城として、関帝廟や媽祖廟を中心に伽藍が形成され、その城内には数多くの中華飯店が軒を連ねている。それらを守る主門4基が東西南北に建てられ、守護神が邪を見張り城内(街)の繁栄と安全をはかるために大きな役割を果たしている。見て(写真)のとおり、門柱が青・赤・白・黒と色分けされている。

朝陽門(チョウヨウモン)
日の出を迎える門。朝日が街全体を覆い繁栄をもたらす。守護神は青龍神。色は青。

 

朱雀門(スザクモン)
厄災をはらい、大いなる福を招く。守護神は朱雀神。色は赤。

 

延平門(エンペイモン)
平和と平安のやすらぎが末永く続くことを願う。守護神は白虎神。色は白。

 

玄武門(ゲンブモン)
子孫の繁栄をもたらす。守護神は玄武神。色は黒。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする