今日は「節分」。冬と春の分かれる節目の日である。
「寒さあけて春に入る日」といいたいが、寒中に震える日々に加えコロナウィルス(オミクロン株)が猛威ばく進中である。
以前、煎茶稽古で「節分」が題目として取り上げられたことがあった。
そのときに掛けてあったお軸は、鬼が逃げ出していく姿のものだった。そして横のボードには唐の詩人姚合(ようごう)が詠んだ「晦日送窮(みそかそうきゅう)」が書かれていた。
中国ではその昔、大晦日や正月晦日に「送窮」とか「送窮鬼」という家の中の貧乏神を送り出し、福禄の神を迎えて一年の幸福と安寧を祈る行事があったようだ。
古い時代の話ではあるが、大阪の金持ちの家でも「貧乏神送り」といって毎月晦日に焼き味噌を二つ作って家中をもってまわって、家にある災厄を焼き味噌につけ川に流す風習があったという。
いまの節分の「鬼は外 福は内」の原型のような風習なのかもしれない。
晦日送窮
年年到此日 毎年この日になれば
瀝酒拜街中 酒をそそいで、街中で拝んでいる
萬戸千門看 どこの家でも
無人不送窮 貧乏神を送り出さない人は無い
送窮窮不去 貧乏神を送り出しても、貧乏神は去ってくれない
相泥欲何爲 私になじんでしまって、どうしようとするのだ
今日官家宅 私もお役人になったのだから、
淹留又幾何 この家に居座っていられるのも、もうちょっとだ
古人皆恨別 昔の人は皆んな別れを恨んだが
此別恨消魂 この別れにはがっかりしない
只是空相送 でもこれは空しく送り出すだけ
年年不出門 毎年お前はこの門から出て行かないのだから
中国神話伝説大事典より引用
令和四年の春の始まりである。穏やかな春の訪れにとともに福禄の神を迎え、平和な一年になることを祈って。
リポート&写真/ 渡邉雄二・ネット画像より 場所/ 文人会一茶庵 Reported & Photos by Yuji Watanabe
※トップの写真は2018年に八坂神社で撮影したもの ※下段の写真は、数年前の神戸長田神社で撮影されたものをネットより転載
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