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最高齢の「猪名川亭ゑふで」のやる気 【社会人落語日本一決定戦②】

2022-12-14 14:09:12 | 社会人落語日本一決定戦

桂文枝大会名誉会長の表彰式後の挨拶

 

応募総数295通の中から155名が池田市に集まり6会場で予選会が行われ、10名が翌日11日の決勝戦に進出。ファイナリスト10名が日本一をめざし落語パーフォーマンスを魅せた。

甲乙つけがたい中から見事日本一を勝ちとったのは千葉の「ひかる亭源氏(園田光・実演販売士)」さん(34歳)。続いて2位が大阪(箕面市)の「浪遊亭春乃(なにゆーてはるの/荻野典子・主婦)」さん、3位が同じく大阪(豊中市)の「都亭エリザベート(椋本友子・フリーアナウンサー)」さん。そして特別賞(市長賞)を受賞したのが沖縄の「おきらく亭すい好(宜野座一・料理人)」さん。

 

今年の予選会に出場した中で、気になった二人の方に話を聞いてみた。一人は、最高齢の大阪府豊中市の86歳、「猪名川亭ゑふで(中谷規美子)」さん。そしてもう一人が最年少で東京から参加した23歳の「笑っ亭ヒンディー(伊東広香里)」さん。

 

ゑふでさんの高座

 

最高齢のゑふでさんは76歳で落語を始め10年、始めた年から社会人落語日本一決定戦に今年まで欠かさずチャレンジしている “落語おばあちゃん”。すべての決定戦で応募の中から予選会出場を成し遂げている。「年寄りだから、高座に上がらせてやろうという皆さんの配慮で予選会に出れているんですヮ!」と謙虚。「でも、いまでは高座でも正座できなく椅子に座らせてもらっています」。毎回そんなことを言いながらでも決定戦が近づくと気力が溢れてくるんです、と同居している息子さんがつかさずツッコミを入れた。

 

落語をするまでは、豊中市の特別支援のエプロンシスターとして介護の仕事などで絵本やむかし噺などを朗読をしていた。10年前、その経験から決定戦のチラシを見たのをキッカケに落語へのチャレンジが始まった。はじめは朗読の延長戦と気軽に考えていたが、やってみて落語の難しさに直面。何度となくやめようと思いつつ10年が経った。

「落語みゅーじあむに通い先生の励ましや息子たちが応援してくれたので何とかここまで」と振り返る。「今年で最後かな!?」と小声でポツリ。「毎年そんなこと言っているが、これが近づいてくると練習に熱が入るんですょ」と息子さん。

親子の掛け合いが、落語のネタに聞こえてきた。来年の高座でまた聴きたいものである。楽しみにしていますよ、と最後に声を掛けると「はい」という声が一段と大きくなった。

 

講座終了後に一枚

 

次回は、最年少の「笑っ亭ヒンディー」さん。

 

リポート&写真/ 渡邉雄二 高座の写真/ 猪名川亭ゑふでさんの御子息

 

尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/

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社会人落語日本一決定戦で、落語のすそ野が広がる 【社会人落語日本一決定戦 ①】

2022-12-12 13:44:37 | 社会人落語日本一決定戦

表彰式

 

平成21年に、大阪府池田市の市制70周年事業としてスタートした「社会人落語日本一決定戦」。今年で14回目を迎え、昨日決勝戦がアゼリアホール(池田市文化会館)で行われた。

全国から総数295通の応募があり、その中から審査を通過した153名が池田に集結。決勝戦の前日に予選会が池田市内の6会場に分かれ行われた。

 

同決定戦は「プロではない、社会人らしい落語」というテーマが掲げられている。アマチュア落語家にとって切磋琢磨し磨きに磨いた落語を、この池田で日本一をめざし披ろうするステージである。仕事するかたわら好きな落語に打ち込む姿も評価されるのが、この決定性の見どころでもある。

 

  

予選会場 (落語みゅーじあむ・池田市役所)

 

予選会に出場した人の年齢を見ると、50代が45名と一番多い。そして60代、40代、70代と続く。もちろん20代、30代をあわせ19名、80代では最高齢86歳の方を含め4名。改めて落語は幅広い世代に親しまれている日本の伝統芸能であることを知らされる。

そして、性別は男性98名、女性が54名。女性の演者が年々増えているようだ。今年は最高齢者、最年少出場者は女性だった。また客席をみても女性が目立つのも、聴く落語はもちろんだが、観て楽しむ芸能としてすそ野を広げている。落語ファンとして嬉しい限りである。

 

出場者一覧(一部)

 

もう一つ気になるデータとして、演者の出身地域である。開催地が関西であることから近畿からの出場者が81名と断トツであるが、関東から36名、中部13名、中・四国12名、九州・沖縄が7名だった。大阪はやはり落語ファンが多い。庶民のまちとして、大衆芸能の落語は “ボケ ツッコミ” なので生活そのものという馴染がある。

 

そんな落語が、池田のまちから全国に発信され定着してきている。聴く、観る落語から演じる落語へと幅が広がっている。プロの落語の後押しで、仕事の合間をぬって頑張るアマチュアの落語好きがさらに増えていくことを願っている。

 

池田の中心街には同決定戦の旗が掲げられる

 

リポート&写真/  渡邉雄二

 

尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/

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