ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

本尊である「釈迦如来坐像」と寺宝の「十一面観音菩薩坐像」が建仁寺の尊顔 【建仁寺を訪ねⅡ】

2023-12-27 20:19:25 | 歴史遺産「仏像」

建仁寺は身近な禅宗系(臨済宗)の寺院として多くの人に親しまれている。京都を訪ねれば寺院巡りで欠かせない寺院の一つになっている。それは、見どころ満載のお寺として広く知られているからである。

 

上げればきりないが、代表的なものとしはご存じの俵屋宗達作の国宝「風神雷神図屏風」は言わずと知れている。そして仏殿である法堂の天井一面に描かれている驚天動地の双龍図は拝観者を魅了する。それに加え、禅宗系の寺院に色濃く伝わる “詫び・寂び” の日本独特の文化を形成している建築様式や庭園、そして宗教美術・芸術など豊富な文化財を楽しむことができるのも人気の秘密だ。それらを目当てに国内外から多くの人が訪れる。

 

私もその一人で、京都を訪ねた折は拝観させていただいている。文化財等を鑑賞するのはもちろんだが、何をさておき仏様への尊顔を拝するのが大前提である。

建仁寺の本尊は、双龍図が描かれている法堂に安置されている「釈迦如来坐像」である。釈迦如来に寄り添うように脇侍としての立像があり、釈迦三尊像として同寺の法を司っている。その須弥壇が天井まであり、そこに双龍が睨みをきかせ見守っているは圧巻。須弥壇の上部の両脇に安置されているは、釈迦の十大弟子である阿難像(あなんぞう)と迦葉像(かしょうぞう)で、釈迦滅後の教団統率者となった僧侶である。

 

 

 

法堂に安置されている本尊「釈迦如来坐像」と脇侍

 

 

そして同寺院を守り続けているもう一つの寺宝が、方丈に祀られている「十一面観音菩薩坐像」。約400年前、徳川二代将軍・徳川秀忠公の娘である東福門院(御水尾天皇の中宮で、明正天皇の生母)が寄進した像である。遠くからではあるが、神々しく輝きを放っているのが見てとれる。

共に建仁寺の尊顔であり、大きな役割を果たす貴重な寺宝であることは言うまでもない。

 

 

 

方丈の「十一面観音坐像」

 

 

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

 

#建仁寺 #建仁寺探訪 #風神雷神図屏風 #俵屋宗達作品 #双龍図 #釈迦如来坐像 #十一面観音菩薩坐像 #建仁寺の尊顔

 

#尾道 #尾道観光 #尾道千光寺 #尾道観光大使 #仏画曼荼羅アート #佛日寺 #福泉寺 #法楽寺 #渡邉雄二 #ライブインテリジェンスアカデミー

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白鳳文化の仏像造形が色濃く残る金堂内陣 【奈良の古刹めぐり―法隆寺Ⅵ-】

2023-09-06 14:14:36 | 歴史遺産「仏像」

金堂内陣 釈迦三尊像(中央/国宝)・薬師如来坐像 (右/国宝)・阿弥陀如来像(左/重文) すべて銅像

 

日本で最初に「世界文化遺産」に指定されたが法隆寺。ご存じ、法隆寺は聖徳太子が建立した斑鳩寺(いかるがでら)が、その前身であるとされている。西院伽藍の金堂と五重塔は、一直線に並ぶ堂塔配置ではなく東西に並ぶ伽藍形式で、その北側に大講堂が配置されている。すべてが国宝に指定されている堂塔である。

 

金堂の内陣には、須弥壇中央の中ノ間に「釈迦三尊像」が安置されている。釈迦如来像は座上に裳裾をひろげ結跏趺坐(けっかふざ/両足を組み合わせ、両腿の上に乗せる)、与願・施無畏(よがんせむい/手の形)の印を結んでいる。その左右の脇侍を配した一光三尊形式として現存する。東ノ間には「薬師如来像」、西ノ間には「阿弥陀如来像」がそれぞれ本尊として祀られている。

須弥壇の四方には内陣を守護するかのごとく木彫の四天王像(持国天立像・多聞天立像・広目天立像・増長天立像)が配されている。そして、釈迦三尊像の左右には、同じく木彫の毘沙門天立像と吉祥天立像が立っている。

内陣に安置されているこれらの仏像は阿弥陀如来坐像を除いて国宝に指定されている。

 

東ノ間の薬師如来坐像は、釈迦如来坐像と同じように与願・施無畏印を結び結跏趺坐し釈迦如来坐像とよく似ている。通常の薬師如来坐像とは少々異なるが中ノ間の釈迦像との違いといえば、頭部の螺髪がないくらい。本像は、古くは日光菩薩、月光菩薩の脇侍二体があったと伝えられているが、現在は脇侍の存在はない。

西ノ間の阿弥陀如来坐像は鎌倉時代に造立されたもので、新たに金堂に加わり三本像を形成した。

 

金堂に入って三本像の揃い組や四天王像や壁画を肉眼で見ようとしたが、薄暗いのと金網が張り巡らされ思うように観ることはできなかった。もちろん写真撮影も禁止である以上、金堂内陣の映像を刻むことはできなかった。

しかしながら、興味をもつ者には有難いことに図鑑がある。法隆寺金堂壁画と名宝日本の美術の両冊を眺めながら金堂内陣をじっくり拝見させてもらった。写真は、図書館で借りた図鑑で著作権制限期間が過ぎた書籍ということでコピーさせていただき掲載した。ご堪能あれ!

 

 

中ノ間 釈迦三尊像(国宝) 左端が吉祥天立像 右側が毘沙門天立像(共に国宝)

 

 

東ノ間 薬師如来坐像(国宝)

 

 

西ノ間 阿弥陀如来坐像 (重文)

 

 

四天王像の一つ増長天立像(国宝)

 

 

四天王像の一つ持国天立像 (国宝)

 

 

リポート/ 渡邉雄二

写真素材/ 名宝日本の美術 第1巻「法隆寺」(発行:小学館 著者:大西修也)より

    

#法隆寺 #法隆寺探訪 #金堂 #斑鳩寺 #聖徳太子建立 #釈迦三尊像 #薬師如来坐像 #阿弥陀如来坐像 #四天王像 #金堂立体曼荼羅

 

#尾道 #尾道観光 #尾道千光寺 #尾道文化紀行 #尾道観光大使 #仏画曼荼羅アート #佛日寺 #福泉寺 #渡邉雄二 #心と体のなごみブログ #ライブインテリジェンスアカデミー

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

たどり着いた先が白鳳文化を築いた仏像や絵画 【奈良の古刹めぐり―法隆寺Ⅱ-】

2023-08-13 15:33:16 | 歴史遺産「仏像」

【法隆寺Ⅰ】でも紹介したが、何気なく広げた名宝日本の美術「法隆寺」の見開き頁に、西院伽藍の金堂内の須弥壇の中央に「釈迦三尊像」、向かって右に「薬師如来坐像」、左に「阿弥陀如来坐像」、そして須弥壇の四方に天部四天王像が安置されていた。

 

今までに見た仏像と形姿や顔の造形が少し異なっていた。飛鳥時代の後期から奈良時代かけて渡来人や遣唐使などが伝えたアジアの仏像の造形が色濃く表れていた。仏教の影響を強く受けた白鳳文化を形成した。その代表的な仏像が薬師寺の「薬師三尊像」や法隆寺の「阿弥陀三尊像」など、また絵画でいえば法隆寺の「金堂壁画」である。

 

ご存じ法隆寺は、7世紀の初めに、聖徳太子が創建した寺院で、「金堂」や「五重塔」は、現存する世界最古の木造建築として有名。金堂の外陣の壁には、12面にわたって釈迦や阿弥陀がいる浄土の世界が描かれている。まさに仏画曼荼羅の世界が広がっている。

 

図書館から借りた大型図版の書籍に掲載されている仏像写真を見ながら心が躍った。いままでに見てきた仏像との違いが私でも解かるものだった。珍しさに加え、左右相称で体全体が細見に造られている。この時代の仏像は金銅製造ということもあり飛鳥時代から奈良時代に継がれてきた特徴のひとつで木像にない気品が現れている。

 

本物を鑑賞する前に大型図版の写真を見ては解説文を繰り返し読んでいる。まさに夏休みの読書感想文の宿題の様相を呈している。仏像を通して歴史をひも解いているかのようである。

 

 

法隆寺金堂壁画(岩波書店)&名宝日本の美術「法隆寺」(小学館)

 

 

#法隆寺 #書籍でみる法隆寺 #名宝日本の美術 #小学館 #法隆寺金堂 #岩波新書 #白鳳文化 #白鳳美術

 

#尾道 #尾道観光 #尾道千光寺 #尾道文化紀行 #尾道観光大使 #仏画曼荼羅アート #佛日寺 #福泉寺 #渡邉雄二 #心と体のなごみブログ #ライブインテリジェンスアカデミー

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

阿弥陀三尊像が燦燦と輝きを放つ 【極楽山 浄土寺 追想】

2023-08-03 10:39:53 | 歴史遺産「仏像」

 

 

2021年、秋の彼岸の中日だったと記憶している。

どうしても参拝したいと思っていた。それが実現した。

兵庫県小野市にある「極楽山 浄土寺」という寺院の浄土堂と、その堂内に安置されている「阿弥陀三尊像」(共に国宝)。

 

立像の背後に造られた釣り戸である蔀戸(しとみど)から差し込んだ西日が床に反射し、その光が天井にあたり三尊像を照らす。それまでの暗姿から燦燦と輝きを放つ姿に変わっていく。

 

その光景は阿弥陀如来が菩薩を連れ、雲に乗って西方浄土から降りる「ご来迎」のように見える。とくに夏からお彼岸にかけては陽射しが強く、夕方にその光景が楽しめる。午後4時前後から一時間ほど。

詳しくは寺院に確認してください。

 

※中央の阿弥陀如来立像が5m30㎝、両脇侍の観世音菩薩像と勢至菩薩像はそれぞれ3m70㎝

 

 

 

 

写真/ 浄土寺より提供

 

#極楽山浄土寺 #兵庫県小野市 #阿弥陀三尊像 #浄土堂 #国宝指定 #西日が差す頃 #阿弥陀如来立像が輝く#来迎

 

#尾道 #尾道観光 #尾道千光寺 #尾道文化紀行 #尾道観光大使 #仏画曼荼羅アート #佛日寺 #福泉寺 #渡邉雄二 #心と体のなごみブログ #ライブインテリジェンスアカデミー

 

尾道・文化紀行  https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

光雲寺の本堂に釈迦如来と十大弟子の二尊 【霊芝山光雲寺を訪ね-Ⅴ-】

2023-01-25 20:18:50 | 歴史遺産「仏像」

過去に参拝したことがない寺院を訪れて際に必ず確認するのが本尊。寺院によってさまざまで、また宗派によって異なる場合があるので確認は欠かせない。事前に調べていく場合でもできるだけ確かめる。まして大きい寺院になると本尊の両脇に仏像が並んでいる場合も多い。その仏像の名前も知ることで本尊への興味が増す。

 

前回紹介した御寺泉涌寺も三世仏として三尊が並んでいた。シリーズで紹介している「光雲寺」の本尊は釈迦如来坐像で、その釈迦像の両脇に二体の仏像が立っていた。釈迦像に向かって右に摩訶迦葉尊者(まかかしょうそんじゃ)、左に阿難尊者(あなんそんじゃ)という仏様。本尊として祀られている釈迦如来像にはこの二尊者が脇侍として安置されている場合が多い。

 

 

摩訶迦葉尊者は釈尊の十大弟子の一人で、釈尊の入滅後は、その教えをまとめるなど実質的な後継者として存在したことは伝えられている。一方、阿難尊者は、いつも釈尊に寄り添っていたので教えをまとめるに当たって、もっとも教えを身近で聞いたということで欠かすことができない存在であったという。そういうことから釈迦如来像には、この尊者が脇を固めることになったようである。

 

何百年という時を経てきた仏像も多い。多くの人たちの崇拝の対象として今に受け継がれ、そして未来へと続いていく。手を合わせ、眺め、そして心の声で語りかけるとすべてを救い取ってくれるような気がするから不思議だ。

 

 

本尊である釈迦如来坐像

脇侍の摩訶迦葉尊者 (ピンボケですいません)

脇侍の阿難尊者

 

リポート&写真/  渡邉雄二

 

#臨済宗南禅寺派 #光雲寺 #南禅寺禅センター #本堂須弥壇 #釈迦如来坐像 #脇侍 #摩訶迦葉尊者 #阿難尊者

 

#尾道 #尾道観光 #尾道千光寺 #尾道文化紀行 #尾道観光大志 #仏画曼荼羅アート #佛日寺 #福泉寺 #渡邉雄二 #心と体のなごみブログ #ライブインテリジェンスアカデミー

 

尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする