ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

襖の両面で、時間差情景を表現する。【温山荘園 浜座敷】

2020-07-30 11:12:16 | 日本の美

ゴム製品をグローバルに展開するニッタ株式会社の創業者、新田長次郎翁の別荘として、和歌山県海南市の黒江湾を臨むところに「琴ノ浦温山荘園」が明治の終わり頃から大正初期にかけて建設、造園をされた。

敷地面積1万8千坪のなかに、主屋、茶室、そして黒江湾が眺望できる場所には浜座敷などがある。その浜座敷は、岩盤が露出する急な斜面の段丘にある。当時は、海から舟で行き来していたようだ。浜座敷の屋根は、文様装飾をもつ軒瓦や隅丸瓦でふいてあり寺院宮殿を思わせる古典的な造りになっている。



座敷内でまず目をひいたのが主室の「襖」。主室に入る側には「朝焼け」が描いてあり、その画柄には圧倒された。そしてその襖にはコウモリをモチーフにした引き手がついていた。コウモリは、東洋では「吉兆」「長寿」を意味する哺乳類ということでモチーフになったらしい。主室側の面の襖には、「夕焼け」が描かれていた。朝に入り、夕に出ていくときの時間差情景が襖で表現されていた。驚愕の思いで見入った。



庭園、建造物等は国の重要指定文化財に登録されている。その内部に至っては、日本の美しさが細部にまで表現されている。分かる範囲内で紹介させていただくつもりではあるが、なにせ薄学なのでこの程度である。

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仏画曼荼羅アート教室の体験会のお知らせ

2020-07-29 15:38:06 | 文化想造塾「曼荼羅」

仏画曼荼羅アート 体験会

仏画曼荼羅アートは、般若心経と仏画を自由に組み合わせて作るオリジナルの「曼陀羅絵図」です。体験会はどの教室でも随時行っています。体験していただく内容は、ご自分の干支の仏像や梵字で、自分だけの「守護御札」を作ります。そして、正しい姿勢で力を抜いて行う呼吸法も行います。ご関心のある方は、ぜひご参加ください。

【教室】                    

■泉佐野教室 (泉佐野生涯学習センター)      

  毎月第一土曜日 午後1時~3時       

 ※9月6日午後1時~3時は学習センター主催の体験会

■神戸教室 (アトリエ・アズール)

 毎月第四土曜日 午後1時~3時

■箕面教室 (東箕面学習センター)

  毎月第二土曜日 午後1時~3時

■明石教室 (ウィズ明石)

  8月2日(日)  午前10時~12時

  9月13日(日) 開催予定

■夙川教室 (香櫨園市民センター)

  毎月第二水曜日 午後1時~3時

お問い合わせは、Email ipc@wa2.so-net.ne.jp または090-3658-7804 (ワタナベまで)

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前代未聞の煎茶会と、エジプト料理の茶事を楽しむ。

2020-07-28 17:02:45 | 文化想造塾「煎茶」

私は、十数年前から文人会「一茶庵」の社中に所属している。

また古い話になるが、八年前の暑中に、大阪・北浜にある漆黒の小西邸(株式会社コニシ)で、一茶庵・易社(当時)グループ主催の「初秋の煎茶会」が行われた。

易社グループは初の煎茶会にもかかわらず、日本で初めて煎茶を始めたといわれている「売茶翁(ばいさおう)」と、売茶翁を師として尊敬していた絵師「伊藤若冲」をテーマにした煎茶会であった。

部屋には、伊藤若冲が売茶翁を画いた絵に、若冲の禅の師であった相国寺の大典顕常禅僧が書いた漢詩(経典のような)が添えられたお軸が掛かっていた。通常では見ることができない代物らしい。

当時、易社グループは、煎茶は初心者でも人生に長けた"人生暴れん坊将軍"の方たちばかり。その煎茶初心者が1席から3席までをすべて取り仕切るというのは前代未聞である。その大胆な発想を企画し支えていただいたのが一茶庵の佃一輝宗匠。宗匠がこの煎茶会の炊きつけては喜んでおられる。なんとも一茶庵らしい。



一席のお手前は不肖ながら私が務めさせていただいた。一席から常に、小西邸の当主の小西さんが大亭主として進行。そして各席で亭主が変わり、それぞれの持ち味で、この売茶翁と伊藤若冲を、掛け軸を通して出席者に解説。

大亭主と亭主の掛け合い漫才のような解説に各席とも笑いが起こる。知らないことは知らない、といい、知っていることは喋りまくる。お点前しながらもついつい当事者が笑ってしまうほどの煎茶会になった。

煎茶会のあと、打ち上げを兼ねた茶事を行い、道修町の少彦名神社の宮司さんや、北浜の老舗の社長さんらが加わり盛り上がった。亭主は私がさせていただき進行。料理は、グループの暴れん坊将軍の一人でうなぎ博士の方が提案した「エジプト家庭料理風のうなぎ料理」を堪能。うなぎのぶつ切りをから揚げにしたものと、うなぎのかやくご飯がメーン。そこに小西邸の当主ご自慢のお酒の数々。レバノン産の高級ワイン、年代物の紹興酒に日本酒などなど。煎茶に始まりうなぎのエジプト料理、お酒のオンパレードという一風変わった茶事となった。食べて、飲んで、語った一日であった。

※煎茶会は、文人会「一茶庵」が企画実施。

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想像力を称えあう。【仏画曼荼羅アート】

2020-07-26 15:01:52 | 文化想造塾「曼荼羅」

今日も、神戸教室では驚きの連続だった。

前回の課題が胎蔵界曼荼羅の中心部「中台八葉院」を描くことだった。

月一ペースで開講しているが、作品はほとんどが家で描いておられる。それがこの講座の理想形である。教室当日は皆さんの作品を全員にお披露目(制作途中でも)しながら解説させていただいている。そして、皆さんがそれぞれの想いを伝え、疎通を図る。大事にしていることは想像力を称えあっていることである。

 

今回は見ての通り(写真)、同じテーマだが、それぞれが違う。オリジナリティに溢れている。ひとり一人がこれほどに違うか、と思わせる作品ばかり。思いが込められているのに一驚する。と同時に、それぞれの秘められたエネルギーが伝わってくる。

 

サイズ 60㎝(ヨコ)×90㎝(タテ)

題目   胎蔵界曼荼羅 中台八葉院

描具   鉛筆・細ペン・水彩用色鉛筆

参加者 6名(50代~80代)

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居眠りしていたら達磨さんになれないよ、という声が・・・

2020-07-24 16:00:43 | 歴史文化

数年前に初夏に、京都のあるお寺で坐禅の体験をさせていただいた。
坐禅は、「体」「呼吸」「心」を整えるために行うものだ、ということを本で読んだことがある。むかし、合気道や太極拳の稽古をしていたときに、「呼吸法」は欠かせない稽古だったので、いまでも身体が覚えている。
坐禅同様に、武道でも呼吸法によって「心」と「体」を一つにすると言われている。とくに合気道の場合は、「心」と「体」を一体にしていくために研鑽を積むといわれている。

そんなことを思い出しながら坐禅に入った。問訊(もんじん/合掌し一礼をすること)し坐り足を組む。そして手を組み姿勢を整え、半眼で目線を決める。この一連の所作を済ませ坐禅に入る。
30分はいささか長いような気がした。はじめの15分くらいは、"お腹すいたなぁ~"とか"明日はどうしよう~"とかの雑念が頭に浮かんでは消え、また浮かぶ。考えるのをやめよと思えば思うほど集中できなくなっていく。
ところが、である。考えるのも面倒になったのか、気づくと30分が経っていた。後半は記憶が飛び何も覚えてない。坐禅の効用で瞑想状態に入ったかと思いきや、どうやら居眠りしていたようだ。

歳を重ねると穏やかに達磨さんのようになっていくのかと思っていたが、雑念が多く心と体が一体になれそうもない。

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