ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

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灘五郷を支え続けている、天然資源「宮水」

2022-09-29 10:18:40 | 天然資源

江戸時代、日本酒は夏を越すと味が落ちるというのが常識だったようである。ところが西宮で造る酒だけは、夏を越して秋を迎えるとますます味が良くなると称賛されたという。それは、西宮の仕込み水がうま味を増す最大の要因だということが、当時の調査で立証されている。

ご存じのとおり、美味しい酒を造るには、米と水、そして酒に適した風土が欠かせないといわれている。その中でもとくに「水」は飲み水には適してないが、酵母の発酵を促進させる水が求められる話はよく耳にする。

その西宮の水が「宮水」と呼ばれるようになり、酒を造りだす条件にあう水だとわかり、当時の醸造家たちはこぞって酒造りに使うようになったといわれている。

 

この宮水が湧き出す地域はむかし海だったため、その地層に含まれる塩分やミネラル成分と、六甲山系の花崗岩層を通る地下水が絶妙にブレンドされ、酒造りに欠かせない伏流水として西宮神社に近い一部の地域のみで湧き出たのである。それが灘五郷の酒造りの発展に寄与したことは言うまでもない。

 

 

前置きはこれくらいにして、先日、自転車で移動している時に「宮水発祥の地」の石碑が目に入った。近くに住みながら宮水の井戸場の話は聞くことはあっても見るのは初めて。古ぼけたアンテナが反応し自転車を止めて金網越しに歩き回った。櫻酒造、日本盛り、白鹿、大関という名だたる酒造メーカーの看板があり、それぞれの周辺には覆いが被された井戸らしきものがあった。宮水井戸敷地は整備され、中には入れないが「宮水庭園」となっている。

ちなみに灘五郷についての記すと、灘五郷は兵庫県の灘一帯にある5つの酒造地の総称。西郷、御影郷、魚崎郷(以上神戸市)、西宮郷、今津郷(以上西宮市)を指す。日本の清酒生産量の約3割を占める。

日本酒造りに適した上質の酒米(山田錦)とミネラルが豊富な上質の地下水(宮水)がとれ、寒造りに最適と呼ばれる六甲颪(おろし)が吹き、そして製品の水上輸送に便利な港があったことから、江戸時代以降、日本酒の名産地として栄えた。大手日本酒メーカーの多くが灘五郷を発祥地及び本社としているほか、現在も中小の酒蔵が点在する。

宮水井戸敷地は整備され、「宮水庭園」として公開されています。(庭園の中には入れない)

 

飲み水を含め名水といわれる湧水は全国でも多い。日本は天然資源が少ない国ではあるが、湧水は貴重な資源の一つである。美しい日本を創る四季の風土や、日本ならではの水や作物が日本を支えている。そんな環境を保全し整えていくことが人の役割のように思う。壊してはならないのである。

 

 

 

 

 

 

リポート&写真/ 渡邉雄二 参考/ ウィキペディア「宮水」

 

尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/

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