半世紀近く前にインドを訪れたときに「砂絵マンダラ」の作成現場を見た記憶がある。その記憶がいまだに頭の片隅に残っている。それ以来、興味をもちいまだに関心を寄せ仏画曼荼羅アートとして楽しんでいる。
その砂絵マンダラは、数々の色の砂を細い筒状の道具のなかに入れ、その筒を揺らしながら事前に描かれたマンダラ形状の線画上に落とし絵のように描いていくものである。
マンダラ形状の線画上に落とし絵のように描いていく
私の浅識では十分な解説ができないので、分かりやすい解説されている書籍の力を借りた。
(株)イエロー ツー カンパニー発行の「MANDARA」の “チベット仏教におけるマンダラ世界” の項目(図録解説 北村大道氏)を一部引用させていただいた。分かりやすく解説されていたので、ご興味があればご一読ください。
曼陀羅の世界は、祈願のために神を地上に降臨させる古代インドの儀式に端を発している。曼陀羅の発祥地インドでは、地面の四隅に立てた棒にひもを回して結界することで聖なる空間をつくりだし、そのなかに築かれた土壇(どだん)に、砂や米粉などで仏や神を描いた。この聖域のなかで、密教の秘儀を授ける灌頂(かんじょう/頭頂部に水を注ぎ、悟りの境地に進んだことを証明する儀式)の儀式を行ったり、祈願の護摩を焚いたといわれている。
この原始的な形態を継承するチベットの砂絵マンダラは、「地儀軌(ちぎき)」という作法の書に則った作壇法で、描かれるマンダラに諸尊が “善く降りる” よう行われる儀式をはじめ、マンダラが無事完成するように祈願する護摩の儀式、完成したマンダラを壊し、水に投じて龍神に委ねる儀式などによって成り立っている。これらの儀式ひとつひとつが、仏神と直接融合するための手段になり、三昧耶形(さんまやぎょう/仏の持物がそのままその仏を象徴)の抽象世界を砂一粒一粒おとしながらつくりだし、壊し、自然に返す過程は、果てしない宇宙の営みを、身をもって感受するプロセスなのである。
砂絵マンダラはチベット密教の儀式であるが、それを仏教美術としてみる向きももちろんある。いろんな角度から仏教の歴史をひも解いていく大きな遺産であるのはまちがいない。
写真は、チベット仏教僧が数日間かけ砂絵マンダラをつくっている姿である。(写真は、FB友の楊振惠氏より提供)
リポート/ 渡邉雄二
写真/ 「MANDARA」((株) イエロー ツー カンパニー発行)・楊振惠氏
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