仏画を描くにあたり「曼荼羅」は必須の基本科目のように付いて回る。周知のとおり高野山や神護寺にある曼陀羅では仏様が描かれ、どの仏様がどの位置にというのは決められている。
古代インドで定められたのか、また、中国の天文学での方角などでまとめられたのか分からないが現代に伝承されている。それが、目で見てわかる事象として「曼荼羅絵図」として形づけられて存在する。
平安神宮の應天門をくぐると正面に大極殿、そしてその奥に本殿がある。應天門をくぐり東(右)に「蒼(青)龍」、西(左)に「白虎」の石像がある。魔除けの神様としての役割を果たすものだと想像がつく。
中国天文学では、東方・北方・西方・南方の四大区画に分け、それぞれに四神(四象)を定めた。これらを東方青龍・北方玄武・西方白虎・南方朱雀と呼び、「龍・玄武・虎・亀(正確には蛇が亀に絡まっている姿)」の4つの動物の姿に見立て、それぞれの方角に動物を当てはめた。
平安神宮の左右の定位置に座る蒼龍と白虎であるが、朱に染まる平安神宮の景色の一つとして時の移り行く姿を眺めている。
平安神宮の應天門
東方の蒼龍
西方の白虎
四方の神「東方青龍・北方玄武・西方白虎・南方朱雀」の図
文・写真/ 渡邉雄二
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