ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

「和硝子・といろ」日本の伝統を進化再生させる 【といろ(十色)シリーズ】

2021-10-31 11:43:40 | といろ(十色)シリーズ

京都祇園にある「和硝子祇園ギャラリー」を訪ねた。

このギャラリーには、建築家である横田満康氏が創作した「ジャパニーズグラスアート」作品が展示されている。

横田氏は「未来へ、日本の伝統の進化再生」をコンセプトに作品を創作。

極められた日本の伝統美を後世に伝えようと独自の工夫とアイデアで「和硝子」という形で進化させた。

 

 

世界に誇れる「着物」や「帯」は、日本の伝統技術で作られた最高の美術作品。

この創作技術を伝承するのが難しくなっている、という。絹糸、金糸、銀糸を1本1本紡ぎ、そして織る。

さらに生地を染め、刺繍を施す。

 

こんな工程を、丁寧に思いを込め創り上げられた「着物」と「帯」の素材を硝子に特殊加工をして挟み込む。

何十年、何百年のむかしの「着物」や「帯」が「和硝子」として甦る。

歴史と伝統を次につなぐ役割を果たしているようだ。

 

 

※この記事は2016年10月「心と体のなごみブログ」に掲載したものを加筆し転載

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笑福亭鶴瓶の本当の顔が見える 【大西二士男氏が写した「笑福亭鶴瓶」】

2021-10-29 14:32:59 | 伝統芸能

NHK総合の番組「鶴瓶の家族に乾杯」の大ファンである。

四半世紀を超える長寿番組で、鶴瓶さんとゲストの旅紀行・バラエティ番組として中高齢者の熱いファンに支えられ、

20年以上もずっと視聴率15%前後の高視聴率を維持するオバケ番組。

その高視聴率をたたき出している理由の一つが鶴瓶さんとその地の人たちとの喋くりのおもしろさ。

その人間味あふれる光景が視聴者の心を捉えている。

 

私もこの番組を見始めて鶴瓶さんのファンになった。

彼の本業はご存じのとおり落語家さん。若手の頃はちょっとユニークな芸人さんとして活躍し、

ときたま世間を騒がす言動もあった。そんな鶴瓶さんが本業の落語に力を入れ始め、

最初の全国ツアーの最終日の大阪公演を観に行った。

鶴瓶さんの熱演もさることながら通常の落語会では見られない舞台演出や構成がすごかったのを覚えている。

 

以前、仕事の関係先で遠目で鶴瓶さんを何度か見たことはあるが、

その時から鶴瓶さんの人間味あふれる人柄を耳にしていた。

あるイベントの収録で使った旅館の女将さんは、

ただ場所をお貸ししただけのご縁にも関わらず鶴瓶さんは近くに来たのでと電話かメールをいただきます、という。

とくに仕事関係者でない人たちへの配慮は欠かさないようだ。

 

 

そんな鶴瓶さんを被写体に撮り続けている写真家大西二士男さんの

「笑福亭鶴瓶17年間の観察記 "ウラとオモテと本当の顔" 」という写真展を先日見に行ってきた。

落語家笑福亭鶴瓶の十色の表情が見える写真を堪能させていただいた。

大西さんは「被写体は一人だけど撮るたびに、それぞれのストーリーがレンズを通し見えてきます」という。

「ほんとウラもオモテもない人です」

「とにかく人が好きな人です」

「縁を大事にする人です」

「常に本気な人ですね」

 

身近にいる人が言う言葉と、テレビを通して見る鶴瓶さんが変わらない。これが笑福亭鶴瓶の姿なのだろう。

 

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伊藤若冲作の「釈迦如来坐像」を模写、驚きの出来映え 【仏画曼荼羅アート】

2021-10-27 14:21:05 | 文化想造塾「曼荼羅」

先週末、仏画曼荼羅アートの神戸教室では、李白の白鷺鷥の漢詩と地蔵菩薩を合わせた課題がスタートした。

まだ慣れない墨で描く菩薩に躊躇しながらも筆はスムーズに動いていた。

 

いつもどおりスタート前は般若心経の読誦と呼吸法を行う。そして前月の課題を皆さんが披ろうする。

どんな作品が仕上がっているのか、毎回、私も楽しみにしている。

 

 

前月の課題が、伊藤若冲が描いた国宝指定の「釈迦三尊像の“釈迦如来坐像”」。

これを模写することが課題だった。細密な仏画を模写することで技術向上につながればと思っていた。

しかしながら法衣の柄や模様が消え分かりにくくになっているところも多いので、

そこは独自で創作するようにと指示をしていた。

 

広げて見せていただいたのが、これ(写真)。一人の方は、釈迦像の上に「慈恵」という文字を入れていた。

共に驚きの出来映え。大変だったと想像はつくが、喋る口調は実に楽しそう。

模写ではあるが、りっぱな作品である。作品づくりを楽しんでいるのが何よりも嬉しい。

次月もまた、菩薩と李白の詩がどう絡み合っているのかが楽しみだ。

 

上記2点は、神戸教室の生徒さん作

 

伊藤若冲作の国宝

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「新世界・といろ」立体変形看板の世界 【といろ(十色)シリーズ】

2021-10-26 11:03:30 | といろ(十色)シリーズ

類をみない立体看板。

大阪 新世界を訪れた人ならこの看板を見て驚く人は多いはず。

この一角が「新世界」といわれ国内外から人気を博する街になっている。

ニューヨークや香港など華やかな屋外広告が彩る都市は多いが、

これだけ立体看板が集まるのは世界でも珍しい。

 

 

もとは、食とエンターテイメントの街 道頓堀がこの立体看板で賑わいを見せた街。

江戸時代から人形浄瑠璃や歌舞伎、芝居小屋などが集まり、

そして大正から昭和にかけてジャズや漫才の聖地として発展してきた。

そのため劇場や飲食店が多く、人の集まる地域としてそれぞれの店が

競うかのように面白くて斬新な大阪らしいド派手な立体看板を飾るようになった。

 

新世界では明治期に内国勧業博覧会が開催され、通天閣や遊園地が開業。

それに併せ映画館や見せ物小屋ができ、道頓堀と同様に賑わいの街に。

老舗ふぐ料理店「づぼらや」発祥の地もここ新世界。

本店のフグの看板は「わかりやすく、面白く」を尊ぶ大阪人の心をつかみ、

新世界のシンボルになったが、残念ながら道路法に基づく大阪市の道路占用許可基準から

「違法看板」ということで撤去された。

ただ、昨年6月、大阪の松井一郎市長は「大阪の名物看板なので安全性を担保できるなら、

残せる形を考えていきたい」と大阪のシンボルの存続を匂わせた。

 

新世界は、道頓堀と同様にむかしからの「大阪の顔」。

時代が変わっても大阪の誇りとしていつまでも賑わいでほしいものである。

 

 

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秋の煎茶会のお軸は、茶の効能を詠いあげた茶詩 【一茶庵稽古追想】

2021-10-24 11:36:05 | 一茶庵「易社」

煎茶会に掛けられていたのが、写真にあるお軸。漢字で埋め尽くされている。

さっぱり分からないので、本番前に解説してもらった。

分かったことは、茶の効能を巧みに歌い上げた茶詩、ということ。

茶の歴史の中でもっとも偉大な茶詩の一つということだった。作者は、唐の時代の「盧同(ろどう)」。

 

 

書かれているのは中国茶の効能。その一部を訳すと

 

一碗飲めば、喉を潤し。

二碗飲めば、孤独もなくなる。

三碗飲んで、俺のはらわたの中を探ってみると 文字五千巻が浮かんでくる。

四碗飲めば、軽く汗ばみ 平素の不満も毛穴から散っていく。

五碗飲めば、肌も骨も清らかに。

六碗飲めば、仙人にもなった気分でいられる。

七碗で、もうこれ以上飲めなくなり ただ、両脇からそよそよと清風が起こるだけ。

 

 

煎茶は、この茶詩に従ったのか、仙人にもなった気分を楽しむために六煎まで淹れることが多い。

今回の煎茶会では四煎だから、平素の不満を解消して帰っていただけたはずである。

 

リポート&写真/ 渡邉雄二 トップの写真/ 茶詩画像より転載

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