ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

作家・朝吹真理子氏のおもてなし [おやじ感想文追想]

2021-06-22 11:01:53 | おやじ感想文シリーズ

昨日の朝日新聞朝刊に、ひときわ目を奪われた写真があった。

よく見ると、それは「将棋名人戦」。羽生善治名人と行方尚史八段の対局シーンなのであるが、

フォーカスされているのは、中央で鋭い視線をおくり対局をみつめる女性。

記事に目を移すと、「作家・朝吹真理子」寄稿と書かれていた。

2日間、対局に密着し、勝負を見て何を感じたかの想いを綴っていた。

まず写真に目が奪われ、そして文章に心が惹き付けられた。

文章の中で、読み返したところがいくつかあった。

前文後文を省いているので、少しニュアンスが伝わりにくいかも知れないが、拾ってみた。


向かい合う二人の息も重い。「一手さきの未来を考えては壊し、また考える」。

それを二日間繰り返している。「時間は流れるのではなく削りとられるものとして存在する」

書き出しは、対局室の閉塞感の描写で始まっている。

終わりが、また対局室の「床の間に生けられた蕾の鉄砲百合が咲き、青いにおいがしていた。

盤を挟む座布団に、ふたりの体の重みが残っている」と結ばれていた。

読み終えて思ったのが、描写する素材を繊細に感じとり、それを料理しもてなしていただいたような気分になった。

 

※この記事は2015年5月「心と体のなごみブログ」に掲載したものを加筆し転載

※写真は、2015年5月23日の朝日新聞に掲載された記事を転用

 

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行雲流水の教え、"日々の繰り返しの中から" [おやじ感想文追想]

2021-06-20 13:41:31 | おやじ感想文シリーズ

行雲流水。昔から好きな言葉である。

空をゆく雲と流れる水。物事に執着せず、淡々として自然の成り行きに任せて行動する、という意味である。

 

         東福寺の一斉坐禅


先日、読んだ本で「心を癒す禅の教え」(著者:嶺興嶽/みねこうがく)の第一章の一行目に、

「禅宗では、「僧堂」と呼ばれる修行道場で修行中の者を「雲水」と呼びます」 と記されている。

ゆく雲のごとく、流れる水のごとく、修行僧が師匠を求め全国を行脚したことに由来する言葉、という続きになっていた。

さて、この今の社会で、独りで生きていけるわけがない。

人を頼り、人に助けられ、生かされていることに気づき、感謝が生まれてくる。

そして、人のために、社会のために何かをしながら生きていく。

それが、行雲流水の中で日々繰り返され成長していくのだろう。

 

 

2015年3月の「心と体のなごみブログ」に掲載した記事を加筆し転載

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17番のヒーロー。 [おやじ感想文シリーズⅤ]

2021-03-14 14:58:15 | おやじ感想文シリーズ

第93回選抜高校野球大会が3月19日から始まる。

昨年は、春夏ともに新型コロナウイルスの感染拡大で中止となった。

そして今年は、感染拡大防止策を講じながら、アルプス席は学校関係者のみ、

ブラスバンドの演奏は中止。一般席は入場時に検温、マスク着用、

ソーシャルディスタンスをとりながら観戦になる。

 

今年も福井の敦賀気比高校が出場する。6年前の春の優勝校である。

この年の敦賀気比の試合は、記憶に焼き付いて忘れられない試合を見せてくれた。

ここから当時の記事を少し編集し転載する。
大阪桐蔭には、この春は優勝してほしいと願っていたが叶わなかった。
その大阪桐蔭をコッパ微塵に切り捨てたのが、この春の甲子園を沸かせた福井の敦賀気比。
その立役者が、言うまでもないがピッチャーの平沼翔太選手。

そしてもう一人、ヒーローがいた。「17番のヒーロー」、松本哲幣選手である。
17番の背番号からするとそれは外野の控え選手。

その松本選手が高校野球界の新しい記録を作り、大きく優勝に貢献した。

準決勝戦の大阪桐蔭戦で、2打席連続の満塁ホームラン弾を放った。

これが高校野球100年の歴史で、史上初となる大記録で後世に残るものとなった。
そして翌日の東海第四との決勝戦でも決勝打となるツーランオームランを放った。

そして見事、敦賀気比に優勝をもたらした。

 

毎日練習が終わって、宿舎で素振り1000回~1200回するという。

甲子園に臨む前の素振りで、いままでに感じたことのない

" 打てるポイント " を見つけた、とコメントしていた。

17番の選手の絶え間のない努力が大きな大きな晴舞台で実を結んだ。


とくにスポーツの世界では努力を重ね大記録を達成する直前には、

なにかが降りてくるという。そんな神がかりとしか思えないことが

今回、松本選手にもあったのだろう。

 

今年、こんな状況下で高校野球も幕を開けようとしている。

その中に敦賀気比が顔をそろえた。再び、コロナを吹っ飛ばしてくれる、

新たなヒーローが現れるのを期待してやまない。

レポート/ 渡邉雄二  写真 / スポニチアネックス & 日本高等学校野球連盟 より転載

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「神棚」効果で会社が儲かる、という話。 【おやじ感想文シリーズⅣ】

2021-03-12 15:24:11 | おやじ感想文シリーズ

数年前、「なぜ儲かる会社には神棚があるのか」

(あさ出版/著者:窪寺伸浩)という本がちょっと話題になった。
著者の窪寺伸浩氏は、東京・中野で材木屋を経営している社長さん。

それ以外に「神棚マイスター」というユニークな肩書き(?) をもっている。

神棚に関しては知る人ぞ知る有名人。

その窪寺氏が「なぜ儲かる会社には神棚があるのか」という

ちょっとユニークなビジネス分野の本を出版した。


窪寺氏によると、儲かる会社には神棚があり、

逆に倒産した会社の85%は会社に神棚が祀ってなかったというデータがあるそうだ。

考えると、会社の将来を神棚の有る無しで判断するなんて

非現実的で馬鹿げた話だ、と思うが・・

しかし、日本独特の慣習なのかもしれないが、

その会社に神棚が祀ってあるということは、

地域に根ざしているという見方ができるという。

神棚はだいたい天照大神をお祀りしているが、

併せて地域の神社のお札も祀っていることが多い。


ということは、地域との結びつきが強いということ。

地域の中にとけ込んで仕事をさせてもらっているという考え方につながっている。

その社風が社員にもよき慣習として根付き、

地域貢献につながっていくということになる。


もう一つ神棚を祀ることで経営に好影響を与えているのが、銀行員の目にある、という。

神棚があるから融資がスムーズということではないだろうが、

神棚がいつも清掃されているとか、お榊がいつも青々としていることが重要らしい。
この会社の代表者が神棚をきれいにすることで、

事業の発展を祈念しているということにつながっているようだ。


神頼みではなく、神棚を大切にする心(社風)が

会社の発展をより促進させるということになる。

非科学的な話ではなく理にかなった話として「神棚」を取り上げている本である。

 

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とどけ、福島へ 東北へ!世界で反響「起きあがりこぼし」【おやじ感想文シリーズⅢ】

2021-03-11 16:55:12 | おやじ感想文シリーズ

10年前の今日、2011年3月11日に発生した、マグニチュード9.0の巨大地震。

国内観測史上最大の津波が襲来、東日本の太平洋沿岸地域に甚大な被害をもたらした。

あれから10年、捨てるモノ、残すモノの葛藤の中でいまも復興は進んでいる。

 

その東日本大震災から2年後に、フランスで立ち上がった

「起き上がりこぼしプロジェクト」が震災復興に対する応援と、

原発事故による福島問題、そして福島のみなさんに

世界からの応援の声を届けようとファッションデザイナーの

高田賢三さん(昨年10月死去)が呼びかけて始まった。

この起きあがりこぼしの絵付けの1番目が高田賢三さん、

そして国内外のアーティストが絵付けに加わった。

このプロジェクトは、ヨーロッパ各地の日本イベントとして開催され、

来場者の目を引いたのが「起き上がりこぼし」。

起き上がりこぼしとは福島県会津地方の郷土玩具で縁起物として有名である。

 

そのプロジェクトの一環イベントが京都でも開催された。

京都伝統工芸館では一昨年の春に約1ヶ月間行われ、

その後、当時、私が勤務していた京都美術工芸大学の

1階ギャラリーでも一ヵ月間展示された。

それに併せ「カタツムリ作戦」が展開された。

これは、京都美術工芸大学の客員教授であるコシノジュンコさんの発案で、

起きあがりこぼしプロジェクト同様に、

東日本大地震で被害を受けた子どもたちへのアートメッセージとして

「カタツムリアート」(写真)を京都の小中学校の生徒や京都美術工芸大学の学生が制作。

起きあがりこぼしとコラボし、福島へ届けた。

このコラボの展示は斬新で洗練されたアート空間を創りだしていた。

高田賢三さん、コシノジュンコさん、そして京都府知事、市長などの

起きあがりこぼしも展示されていた。

"とどけ!福島へ、東北へ" の光が輝いていた。

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