ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

上賀茂神社で薬膳料理「七草粥」を食す

2021-01-10 15:38:19 | 伝統食

日本では1月7日に七草粥を食べる風習がある。

お正月のごちそうで疲れ気味の胃を休めるために薬膳料理として食するものとされている。

その習慣は平安時代から始まり、今も伝統食として受け継がれている。

 

春の七草は"食して"楽しむ、秋の七草は花を"見て"楽しむ、と言われ、

季節によってその違いがあるようだ。

食して楽しむ春の七草はご存知「せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ」。

今では一度にすべてが手に入りにくくなっている。

 

上賀茂神社では、1月7日に参拝者にこの七草粥が振る舞われる。

それを楽しみに足を伸ばした。

無病息災の慣わしで、上賀茂神社は毎年の恒例行事になっている。

 

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大阪の食文化の原点は「船場料理」にあり!! 船場地域ならではの工夫が随所に。

2020-10-27 13:41:43 | 伝統食

先日、あるお店で、船場汁なるものを食べる機会があった。そのお店の御主人曰く、昔、大阪の問屋街である船場で生まれた料理の一品ということだった。魚類と野菜類を煮込んで作る具沢山の汁のことをいうらしい。

塩サバの身、頭、中骨などを切り、コンブをいれて水から煮る。アラが出汁の決め手で切り身だけでは味が出ない。具が煮えたら醤油で味を整え、薬味としてネギを入れる。そしてサバの臭みをとるために、また冬には体が温まるので欠かせないのが生姜である。

頭や中骨などのアラまで余さず使いムダがないこと、単価が安いこと、時間をかけずに食べられ、体が温まることなどから、忙しい問屋街で重宝され定着したらしい。船場地域ならではの料理といえそう。

船場汁をいただいた際に、ちょっと古い話であるが「船場料理を楽しむ会」という講習会に参加したことを思いだした。当時、船場料理というものは聞いてはいたが、どういう料理を船場料理と言うのか、またどういう概念のものなのか、というのに興味を持っていた。

お話をしていただいたのが近江晴子さん。近江さんは長年大阪の町人の生活史を研究している方なので暮らしの中の食文化に精通されている方である。

よく聞く郷土料理や地場料理と同じようなものには違いないだろうが、大阪・船場という商売処の小さい限られた地域に根付いた料理である。
ご存知のとおり、大阪・船場は薬や呉服、材木、米などを扱う大棚が並び、旦那さん、御寮さん、若旦那にいとさん(お嬢さん)たち家族と、番頭さんや丁稚などの使用人が寝食を共にしていたとこである。

普段は質素な食事であったようだが、大棚になればなるほど毎月の行事が多く、その行事にはご馳走が作られていた。そのご馳走を作っていたのが仕出し屋。だから船場地域には仕出し屋がしのぎを削っていたという。

その仕出し屋が後に料亭になり、大阪の食文化の土台を築いていった。この船場の料理が、いまの京料理につながっていったというもの事実のようである。近代の、日本の食文化の原点が船場にあり、まさに暮らしの料理として生きているという。
船場に店を構えていた大棚の一年間の行事や節句にあわせ、大阪の地の食材を使って作ったものを船場料理ということになるのだろう。
料理の内容というよりも、船場の暮らしに根付いた食文化を「船場料理」という名で呼ばれているのだろう。

その時の体験会でいただいた「船場弁当」(写真)の料理を紹介します。



柿膾(なます)
河内蓮根 白和え
泉南 太刀魚塩焼き
大阪しろ菜 薄揚げ炊合せ
富田林 板持海老芋と旬野菜 煮しめ
むかご塩蒸し
さつまいもの密煮
田辺大根の菜飯 赤飯
昆布佃煮
玄のこ おはぎ

料理は浪速魚菜の会
調理 広里貴子さん
監修 近江晴子さん

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京都 今宮神社門前のあぶり餅、郷愁を誘う。

2020-10-08 16:00:59 | 伝統食

京都市北区にある今宮神社の門前の参道に店を構える有名な「あぶり餅屋」さんがある。門前道を挟んで2軒とも見てのとおり長い行列ができている。

北側は、1000年以上も続く日本最古の和菓子屋さんと言われる「一文字屋和輔(一和)」。そして南側のお店は「本家 根元かざりや」さん。とくに一和さんは、長い歴史の中でいろんな伝説やエピソードが伝え継がれているお店で有名である。

さて、あぶり餅といってもご存知ない方に、店で聞きかじった話をすると、きな粉をまぶした親指大の餅を竹串に刺し、炭火であぶったあとに白味噌のタレをぬった、いたってシンプルな餅菓子。そのあぶり餅で使われる竹串が、今宮神社に奉納された斎串(いぐし)を使っていることから病気・厄除けの御利益があるとされ、わざわざ遠方からも食べにくる人気ぶりのようである。

この餅菓子にこれだけの人が並ぶ。餅の風味や御利益以外に、両店ともに昔の茶店風にアレンジされているのも惹きつける理由だろう。店先でお茶と餅をいただく。日本人の心の郷愁を誘うのかもしれない。

ちなみに、一和さんの店の屋根に守神の龍の如く這う松は、それは、それは見事なもである。

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忘れかけている「下味」。 【木津卸売市場 追想】

2020-08-25 15:05:21 | 伝統食

ラジオの生放送の立会いの当日、少し早めに着いたので、市場内をブラブラした。気になっていたお店がいくつかある中で、目を惹いたのが国産昆布を扱う「蒲生商店」さん。おじさんが一人で切り盛りされていた。まさに昭和の雰囲気が漂っているお店である。



魚も野菜も大好き人間としては、市場がミュージアムに思えてくる。この感覚はなんだろう。子供の頃の残像が蘇ってくる。瀬戸内海に面した小さな町で育ち、たまたま親戚が蒲鉾屋をしていた。親の都合でよく連れて行かれた。そのときの魚の匂いが脳にインプットされている。そのせいか、いい歳のオヤジになってもここ木津卸売市場が楽しい遊園地のように思えてくる。心が躍るのが自分でも分かる。まして建物や雰囲気が昭和の姿のままである。この姿も残りあと幾日もない。未来に向け取り壊されることになっている。(2008年リニュアルオープンされる)

その蒲生商店さんの前を通りかかると昆布が山済みされていた。ここのお店はほとんどが国産昆布。それも道南の松前町から恵山一帯の真昆布ばかりである。真昆布は山だし昆布とも呼ばれ、数々ある国産品の中でも最高級品の昆布として知られている。肉厚があり幅が広いのが特徴で、上品な甘みのある清澄な出汁がとれるので有名である。その真昆布が店先に積み重ねられている。ほとんどが料亭や料理屋さんなどへ卸されるものばかりである。


とくに関西人の舌を満足させるのは何をさておいても「出汁」である。削り節、いりこ、そして昆布の下味である。日本独特の絶妙な味を支えたのがこれらからとった出汁である。すべて自然のものばかりである。いつの時代にも「おふくろの味」としてこれからも食卓を支えてほしいものである。

※この記事は、2008年春に取材したものです。

リニュアル後の木津市場

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伝統食「茶粥」の温もり。「妙心華」

2020-08-11 13:59:25 | 伝統食

「茶は養生の仙薬なり、茶粥は延命の妙薬なり」という"茶"の真髄を説いた言葉がある。

以前、華道水月流の家元直々の「妙心華」のお稽古を見せていただく機会があった。「妙心華」というのは水月流独特の、お花を通して礼法・作法などの研鑚する儀礼のひとつとして続いている。

その妙心華には、お花を生けることはもちろん、香りを聞きお茶を楽しむ、そして最後に精進会席をいただく流儀として伝わっている。今回は精進会席として茶粥膳をいただいた。すべてにこと細かい作法がある。

作法は、面倒なことかも知れないが、日本の文化が凝縮されているように思える。そしてそのカタチは実に『美しい』。日本の妙美である。

今回いただいた「茶粥膳」は、手作りのゴマ豆腐と白州あえにお漬物に茶粥の膳。妙心華の締めくくりは身体が温まるものであった。

その茶粥膳を仕立てていただいたのが神戸・薩摩道場のご主人、郷原達人師。

日本の食文化の一端を茶粥を通してほんの少し紹介していただく。郷原師自らつくる茶粥を楽しみ、伝統食の温もりを感じられる交流会になれば、と思う。

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