ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

畳に坐し手を合わせ、椅子に座りて心のリラクゼーションを楽しむ 【お堂の景色Ⅰ―西本願寺―】

2024-12-04 13:47:55 | 歴史文化

浄土真宗本願寺派の総本山である西本願寺(通称:お西さん)は、境内が世界文化遺産に登録され、お堂である「御影堂(ごえいどう)」、「阿弥陀堂(あみだどう)」とともに「書院」や「飛雲閣」も国宝に指定されている歴史的建造物である。

 

御影堂の内陣の須弥壇中央に木像の親鸞聖人、両脇には本願寺歴代宗主の影像を安置され、両余間には十字名号(帰命尽十方無碍光如来)、九字名号(南無不可思議光如来)と書かれた絹の御軸が掛けられてある。

 

一方、阿弥陀堂には中央に阿弥陀如来の木像、両脇にインド・中国・日本の七高僧の内、龍樹菩薩・天親菩薩・曇鸞大師・道綽禅師・善導大師・源信和尚の六師、そして両余間に法然聖人と聖徳太子の影像の軸装が掛けてある。

 

両堂ともに多くの門徒を収容するために畳が敷かれている。御影堂の外陣は441畳もの広さを有し、太い柱が林立し上部に虹梁(こうりょう/梁の一種で弓形になっているから虹)を架け渡し,広大な内部空間を実現している。内陣の周りは金箔,彫刻欄間,障壁画,彩色等で荘厳に飾られている。

阿弥陀堂は285枚の畳が敷かれ、御影堂と同じように千人近い門徒が一堂に参拝できる広さである。

 

両堂には渡り廊下があり、行き来できるようになっている。参拝するときは畳に座して手を合わせ、そして畳の後方に椅子が用意されているので、座りしばし須弥壇を眺めて過ごす。広大なお堂の中は静寂に包まれ心のリラクゼーションには良いように思う。宗派を超えて楽しむものには絶好なステージである。

 

 

 

 

 

以上2点が御影堂

 

 

両余間の「十字名号」

 

 

 

 

 

 

 

上記3点が「阿弥陀堂」

 

 

 

親鸞聖人の影像軸装

 

 

 

聖徳太子の影像軸装

 

 

 

文・写真/ 渡邉雄二

 

#西本願寺 #お西さん #浄土真宗 #親鸞聖人 #御影堂 #阿弥陀堂 #世界文化遺産 #国宝の建造物 #心のリラクゼーション

 

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仏教五大色は五大思想に基づき宇宙を表す

2024-08-01 15:20:17 | 歴史文化

仏教では「五大色」である青・黄・赤・白・黒の色を特別な色としている。五大色は、五大思想に基づいた地・水・火・風・空の五大自然界にあわせたものである。これらの色は宇宙と自然界に深く関わりあっているといわれている。

 

とくに密教において教義に深く関連付けて説かれている。仏様はそれぞれの異なった威徳をもち、色によって常住の位置が定められている。たとえば東方の仏様は青、南方は赤、西方は白、北方は黒、さらに中心に金(黄)の仏様が配置される。中央と四方、すなわち五方を五色(ごしき)に分け位置が定められている。

 

それぞれの色が象徴する意味は、宇宙の基本的な要素と深く結びつき、それぞれが特定の方角、自然の力、つまり宇宙の調和を意味する色である。さらには人間の心理状態とも深く関連しているといわれ、自己の平穏を意味する五色でもある。

 

 

 

 

写真は、仏画のなかでも大好きな絵である。五色で表現されている宇宙を背景に、宇宙の中心に存在する大日如来坐像を上段に、そして下段には釈迦如来坐像を描き宇宙の調和を表現された傑作の一枚である。(小野大輔仏画師の「五行色曼荼羅」作品 1918~2002)

 

文/ 渡邉雄二

参考文献/ 仏画を描く(小野大輔著)・ウィキペディア「五色」等

写真資料/ 仏画を描く(小野大輔仏画師)の「五行色曼荼羅」

 

#仏画曼荼羅アート #五行思想 #五色 #宇宙の根本的要素 #仏教と深く関連する #五色旗 #宇宙と自然界 #宇宙の調和 #自己の平穏

 

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山鉾の車輪の軋み音と大歓声が真夏の京のまちに木霊する

2024-07-28 15:32:22 | 歴史文化

後祭の巡行のトリをとった「大船鉾」と、

その一つ前の「鷹山」の辻回しの動画を見ていただこうと思う。

 

巨大な山がきしみながら動く辻回しの瞬間は見応えがある。

河原町通から四条通へ方向転換の辻回りのシーン。

交差点の観客の渦の中で

“ウォー” という沿道からの大歓声と拍手が響く。

 

10tもあろうかという山や鉾の全重量が車輪にかかる。

その車輪の前に竹を敷きつめ、

その上で車輪を滑らせ少しずつ方向を変えていく。

それを3回ほど繰り返さし直角に向きを変える。

 

音頭取りの「エンヤラヤー」の合図で、

引き手などが心をひとつに一斉に綱をひく。

その瞬間の竹の上を滑る車輪の音と

観客の大歓声がビルの谷間に木霊するようだ。

 

 

 

 

四条河原町交差点での鷹山の辻回り

 

 

 

大船鉾の辻回り

 

大船鉾の辻回りの勇姿を見守る保存会の面々

 

 

 

文・映像/ 渡邉雄二

 

#祇園祭

#後祭

#山鉾巡行のクライマックス

#大船鉾

#鷹山

#四条河原町交差点

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むし暑い京のまちを前祭の「山鉾巡行」が彩った

2024-07-18 11:05:05 | 歴史文化

昨日は京都 祇園祭の前祭のクライマックス「山鉾巡行」を見に行ってきた。

雲が覆うむし暑い京都に外国人観光客の人出が目立つなか、14万人が一挙来襲の如し見入っていた。

 

山鉾巡行は、午前9時に長刀鉾を先頭に23基が四条烏丸周辺から四条通を通り四条河原町の交差点を北へ、そして河原町御池の交差点で西へ、市役所の前を通り新町通までを巡行。午後3時ごろにはそれぞれの場所に戻り役目を終えた。

 

交差点では水をまいた竹の上で車輪を滑らせ直角に方向転換する「辻回し」が披露され、沿道の人たちからはウォーという呻き声が鳴り響き拍手が送られていた。

 

京都の夏の風物詩である祇園祭の前祭が終わった。そして今日からは後祭の山鉾建てが始まる。11基が24日、前祭の逆巡行で烏丸御池をスタートし、河原町通を下り四条通を四条烏丸まで巡行する。

 

 

四条河原町の交差点で「辻回し」

 

 

河原町御池の交差点

 

 

巡行を終えて戻り解散式

 

 

 

文・写真/ 渡邉雄二

 

#京都

#祇園祭

#前祭

#山鉾巡行

#長刀鉾

#7月17日

#後祭

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空海展の図録の “ごあいさつ”の一行目に「虚空尽き、衆生尽き、涅槃尽きなば、わが願い尽きなん」と

2024-06-10 10:13:05 | 歴史文化

「空海 KUKAI―密教のルーツとマンダラ世界」展で大きな学びがあった。

仏画曼荼羅アート教室で描く仏画のなかで多いのが大日如来である。アート教室では様々な仏画を描き、般若心経を中心に経文を書くことが多いが、仏教宗派にこだわらず仏画アート活動を行っている。

 

先日、同展に行った折に図録を購入した。

その図録の冒頭に主催者の「ごあいさつ」があった。

その一行目に空海の『「性霊集(しょうりゅうしゅう)」巻第八』の

「虚空尽き、衆生尽き、涅槃尽きなば、わが願い尽きなん」が書かれている。

(この世のすべての物が消滅し、仏法の世界が尽きるまで、私は人々が救われることを願い続ける)

 

密教の奥義に到達するのは極めて難しいことであるが、さわりを知るためにはこの図録も参考書として大いに役立ちそうである。

ただ、日常では使わない専門用語がふんだんに出てくる。一つずつ言葉の意味を知ることで光明がさすが如く目の前が開け進むことができる。しかし、一歩進めば半歩、いや一歩下がることもある。それでも興味があればこそ足は動く。

 

 

 

空海自身が制作に関わったとされる国宝「紫綾金銀泥絵両界曼荼羅図」の金剛界曼陀羅の「大日如来」が図録の表紙になっている

 

 

 

トビラになっている「大日如来」の仏画

 

 

 

鑑賞後のロビーにはモニターでは「即日成仏」の解説がされていた

 

 

 

 

リポート/ 渡邉雄二

写真/ 同展の図録の表紙を転載

 

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