ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

住吉具慶の六曲一双が、月天・日天とシンクロ 【藤田美術館シリーズ-Ⅳ-】

2023-02-28 15:02:28 | 先進美術館

              住吉具慶筆の六曲一双の屏風図

 

最近、仏画曼陀羅アート教室で生徒さんが描いている題材に「月天」、「日天」の仏画がある。

見てのとおり(写真/作者不明) 左側が月天で手のひらの上には三日月(お椀形)の上に兎が描かれ、一方、右側の日天は右手に持つ蓮華の上に太陽を現わす円い火焔が描かれている。躰にまとう法衣の色合い、さらに頭光の火焔光は月と太陽を象徴する形になり着色されている。この月天、日天は対絵として表示されることが多い。

 

              月天日天の仏画

 

月天、日天もさることながら、先日、藤田美術館で鑑賞した絵の中で目に留まったのが六曲一双の屏風画。ご覧のとおり(写真) 対を成すシンプルな一円相の二隻の画。野原に草花がお生い茂り白色の花を咲かせ、その上に金地を背景に茶系と朱の円相図が一隻ずつ描かれている。

 

円相は、悟りや真理、仏性、宇宙などを円形で象徴的に表現したものとされているが、その解釈は見る人に任されている。

この絵を描いたのは、江戸時代前期に幕府の御用絵師として活躍した、大和絵の絵師「住吉具慶」という人。その名前が絵の隅に書かれていた。具慶は茶系を月に朱を太陽として描いた一双と思われる。

 

この絵は、月天、日天と同じように円相を仏様に見立て宇宙を表現したものだろう。絵の前にいると寺院の中で瞑想しているかのような感覚になるから不思議だ。

 

 

 

リポート&写真/ 渡邉雄二 

 

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迫力ある牛の頭に願いをこめ 【京都・北野天満宮】

2023-02-27 20:47:08 | 梅花祭

 

先日、仏画曼荼羅アート教室の前に急ぎ足で京都 北野天満宮に参拝した。梅花祭とあって参拝客でごった返えしていた。

天満宮は、ご存じ菅原道真公をお祀りしている。石鳥居をくぐり参道を本殿に向かう途中の右側にそれは大きな牛の像が据えられている。天満宮ではよく見かける牛の像。牛が道真公にたとえられているのか、参拝客が牛の頭部をさする姿をよく見かける。この日も、牛に駆け寄って頭をなでる光景を目にした。

 

903年に亡くなった藤原道真公は、亡くなる前に「遺体は人に引かせずに牛にひかせてほしい。そして牛が行くところに留め、そこを墓所にしてほしい」という遺言があったとされるほどで、牛への造詣が深かったことから天満宮には牛の像が随所に置かれている。諸説あるようだが、いろんなストーリーが生まれてくるのも道真公の寛容性の賜ものなのかも。

 

 

 

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

 

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「干支御守り御札」づくりを親子で体験 【仏画曼荼羅アート体験】

2023-02-26 14:45:14 | 仏画曼荼羅アート

親子でチャレンジした作品

 

2月8日に「仏画曼荼羅アート」の体験会が神戸市北区の文化センターで開催され、多くの方々が参加された。その中で、親子で参加されたお二人の作品が仕上がったということでフェイスブック(FB)に紹介されていた。

 

体験会で作るものは自作の「干支御守り御札」。それぞれの干支の仏画を写経用紙の裏面に写し取り、表に般若心経を写経するというもの。裏面に写した仏画を表面の般若心経で包み込み(折こみ)、それを自作した和紙袋の中に収め「御守り御札」にする。

 

体験会では幾人かの方は仕上げられたが、ほとんどが仏画を写しとるところまでしかできなかったようである。できなかった方々は、写経は自宅でしていただければというものになった。

参加者の中に親子でチャレンジされた方がおられた。お母様の方は、仏画を写すのが少々厳しいかもしれない。仏画の下絵を写すのに少々見えづらそうだった。ご本人も “見えない、見えない” といいながらも少しずつ手は動いていた。

一方、娘さんはロットリングのペンで丁寧に線を結んでいた。手慣れたさばきで仏画を写す。初心者とは思えない流れで下絵を描いておられた。

お二人とも家に持ち帰り、般若心経を写し仏画に着色されたものをFBアップされていた。その写真をお借りした。

 

出来上がりがこの写真(娘さんが撮影)である。お二人ともお見事! という出来映えである。娘さんは皆さんと違う縦長に和紙を使い素晴らしい作品に仕上げられていた。一方、お母様も娘さんに負けず劣らずの作品である。時間はかかったそうであるが、顔の表情がなんとまぁ~優しいこと。この顔だけで満点である。これこそが、自分を守ってくれる仏様と思える、慈悲に溢れる御守りになっていた。

 

娘さんの作品

 

お母様の作品

 

 

娘さんの制作過程

 

リポート/ 渡邉雄二  制作・写真 / 落合香様

 

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白梅、香で存在感を示す

2023-02-24 13:26:05 | 雑感

 

梅は春を告げる花として、中国古典や日本でいうなら万葉集、古今集にもよく詠まれている。季節の移ろいに必ず登場する梅は、いろんな思いを偲ばせる題材によく使われる。その中で、別れの際に詠まれた歌のひとつに「東風(こち)吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」は心のすみに残っている。ご存じ、菅原道真が太宰府に左遷されるときに、庭の梅の花に別れを惜しんで詠んだ歌として有名である。

道真公は、私の勝手な想像だが、この歌の題材は「白梅」だろうと想像する。悲恋や惜別の歌には紅梅は似合わない。やはり白梅であろう。

 

昨日投稿した紅梅に雪が積もった写真には紅と白の色彩コントラストが美しい。もし、白梅に雪であるならば、梅の存在感は失せてしまう。しかし、雪の中で覆いかぶさった白梅は香りで、 “わたしはここよ” という気品高く存在感を示す。その高貴さが白梅の魅力になっている。

 

桃や桜よりもひと足先に咲く梅、春の到来を待ちわびながら眺めるのも、また楽しい。

写真は、先日の仏画曼荼羅アート教室のあと佛日寺境内に咲く梅を見上げて撮影したもの。

 

 

 

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

 

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梅に雪となれば、風景が映える  【霊芝山光雲寺を訪ねーⅧ-】

2023-02-23 15:07:07 | 雑感

掛軸などで鶴に梅、そこに人物が描かれていたら、その人は、中国・北宋時代の詩人「林和靖(りんわせい)」といっても過言ではない。それほど、林和靖は、鶴と梅との関係性が深い人なのである。

梅を妻とし鶴を子として西湖の孤山で暮らしていたといわれている。
その林和靖の生活ぶりが、「梅妻鶴子(ばいさいかくし)」という中国の四文字故事につながったといわれている。俗世を離れ、清らかで風流な隠棲生活をする人が、妻の代わりに梅を愛し子の代わりに鶴を愛で、一人清らかに暮らす様を表している。

 

 

掛軸(写真)に描かれている人物が林和靖といわれても、鶴と戯れる姿ではあるが肝心の梅が見当たらない。解説曰く、鶴も梅も両方描いたらどこにもある絵になってしまう。お軸の中に描かれていないから面白い。茶席ならお軸の横に梅の木を添えて風雅を楽しむのもひとつ。
今回は、梅の木がないので梅探しをしてみたが見当たらない。

さて、ここで漢詩をひも解くと

有梅無雪不精神
有雪無詩俗了人
薄暮詩成天又雪
興梅併作十分春

という詩がその席の片隅のボードに書かれてあった。よく見るとこの詩の中に、「梅」がある。掛軸では見当たらない梅が、茶席の片隅のボードの中にあった。これですべてが揃った。
こんな楽しみ方も乙なものである。

漢詩の訳は、
梅が咲いていても雪が降ってないと風景が生き生きとしたものにならない。
雪が積もっていても詩心がないようではせっかくの風景も平凡なものになってしまう。
夕暮れの時、詩ができ雪が降ってきた。梅と雪と詩を合わせると春の趣が十分に味わえる。

 

 

この写真は、雪に覆われる紅梅の美しさに惹かれ、林和靖の詩を思い出したので掲載した。

写真は、前回とおなじ、看月亭、閑雲庵のお宿のオーナー根岸良子さんが撮影した一枚

 

リポート&写真/ 渡邉雄二 梅の写真/ 根岸良子さん 掛軸/ 文人煎茶一茶庵所蔵

 

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