ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

「日本遺産」、ブランド構築でより注目度が増す

2021-08-31 11:13:50 | 地域発展

前回の「尾道・文化紀行」で「尾道水道が紡いだ中世からの箱庭的都市尾道は日本遺産」という内容を紹介した。

尾道が日本遺産に認定されていることを最近まで知らなかった。

というよりは、日本遺産ついての知識がないのに等しいものであった。

 

 

ということで、遅ればせながら「日本遺産」について少し調べてみた。

日本遺産は文化庁の管轄で、地域に受け継がれている有形・無形のあらゆる文化財群を対象に

価値付けや保護を目的に平成27年4月に制定された。その第一号として、

「国境の島 壱岐・対馬・五島~古代からの架け橋~」というストーリーで認定されたのが長崎県壱岐島である。

尾道は、というと2017年に「尾道水道が紡いだ中世からの箱庭的都市」として認定され、

現在では全国108カ所が日本遺産に登録されている。

 

 

認定されるもっとも大きな理由としては、文化庁のホームページによると、

「日本遺産(Japan Heritage)」は地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを

「日本遺産」として認定するものと記されている。

認定される最大の要因としては、その地域を語るうえで欠かせないポイント、

つまり魅力溢れる有形・無形の様々な文化遺産に相応しいストーリーが不可欠のようだ。

そしてその様々な文化財群を、地域が主体となって総合的に整備・活用し、

国内だけでなく海外へも戦略的に発信していくことにより、地域の活性化を図ることが目的と記されてあった。

 

日本遺産は、世界遺産の日本版のように思われるが少々違うようだ。

その違いというのは、世界遺産登録や文化財指定は、いずれも登録・指定される文化財(文化遺産)の価値付けを行い、

保護を担保することが目的である。

一方、日本遺産は地域に点在する遺産を「面」として活用し、

地域活性化を図ることを目的としている点が違うようだ。

認定にあたっては、

その地域(面)の歴史文化的ストーリーが認定の大きなカギになる。

そのストーリーは次の事項を踏まえた内容と定義されている。

・地域の風土に根ざし世代を超えて受け継がれている伝承、風習等を踏まえたストーリー

・そのストーリーの核になるのが、地域の魅力として発信する明確なテーマを設定の上、

建造物や遺跡・名勝地、祭りなど地域に根ざして継承・保存がされている文化財にまつわるものが据えられていること。

・単に地域の歴史や文化財の価値を解説するだけのものになってないこと

などが認定の大前提のようである。

 

 

日本遺産に認定されることで、対外的にはその地域が「日本遺産」というブランドとして価値付けに大きく貢献する。

それにより外へ向けての発信力が強くなるのは言うまでもない。

なによりも大きいのが、地域のコンセプトストーリーが明確になり、

その地域内の人々の意識向上に間違いなくつながっていく。

ただ、まだ「日本遺産」がハイクオリティとしてのブランドとして定着しているようには思えない。

歴史文化の宝庫である日本の文化遺産を国内で次世代を担う子供たちに広げていくことが、

何よりも肝要なことのように思えてならない。

 

リポート/ 渡邉雄二 写真 / 栗山主税・渡邉雄二

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「千体・といろ」神々しい立姿 【といろ(十色)シリーズ5】

2021-08-29 11:19:32 | 歴史遺産「仏像」

 

千体から放つかすかな微笑

 

どの表情みても十色

 

美しくも神々しい

 

ただただ手をあわすのみ

 

A faint smile from a thousand bodies
Every look is different
Beautiful and divine
Just squeeze my hands

 

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「千体・といろ」神々しい立姿 【といろ(十色)シリーズ5】

2021-08-29 11:19:32 | 歴史遺産「仏像」

 

千体から放つかすかなほほ笑

 

どの表情みても十色

 

美しくも神々しい

 

ただただ手をあわすのみ

 

A faint smile from a thousand bodies
Every look is different
Beautiful and divine
Just squeeze my hands

 

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アジアの神々が「須磨寺」に集う

2021-08-27 13:48:13 | 文化想造塾「神社仏閣」

 

先日、神戸の須磨区にある真言宗須磨寺派本山「須磨寺(正式名/上野山福祥寺)」を訪ねた。

その折に、仁王門前の太鼓橋横に異質な寺院が併設されていた。

気になったので覗くと、「亜細亜万神殿」と記された門札があった。

その建物の中には見たこともない飾り物や石像が並んでいた。

 

入口には、巨大なストゥーパ、仏法を象徴する輪宝、その周囲に居並ぶ仏と異形の神々。

亜細亜万神殿は、仏教の聖なる存在のみならず、アジアの神々が集う祈りの回廊、と案内板に表示されていた。

万神殿は、ネパールの首都カトマンズに所在するスワヤンブナート寺院を模倣して2016年に完成落慶法要されたばかりの建物である。

 

 

2015年4月25日に起きたネパール大震災からの復興を願いネパール大震災復興祈念堂とも名付けられた、

と記されていた。中には、龍の下で瞑想する仏陀や観音菩薩、そしてヒンドゥーの神々の石像が並び、

異質な石像としては、豊穣な女神・ヤクシーをはじめとする美しい女神像も安置されていた。

 

 

その横に一枚の興味深い写真パネルが展示されていた。仏教の教えや世界観を視覚的に表現したのが曼陀羅。

チベット仏教では、その曼荼羅を砂で描きあげていく「砂曼荼羅」がある。その砂曼荼羅の写真である。

描いている動画(ディリィ・ニュウス・エイジェンシィより)を転用、ご興味があれば視聴してください。

 

https://youtu.be/JdUFqkX2d6I

 

太字部の説明

注) ストゥーパとは、古代インドで土饅頭(どまんじゅう)(覆鉢(ふくばち))型に土を盛り上げた墓。

 

注) 輪宝(りんぽう) 仏教伝説の「転輪聖王(てんりんじょうおう/ 古代インドの思想における理想的な王を指す概念)の宝」の意。転輪聖王の行くところ必ずみずから前進して外敵を破る金輪宝、銀輪宝、銅輪宝、鉄輪宝(共に王がもつ金・銀・銅・鉄の輪)の4種があるという。仏法の象徴として崇拝されるようになり、のちに紋章化された。

 

注) ネパールの首都、カトマンズは、「人よりも神々のほうが多く住む町」と言われるこの街には、ヒンドゥー教や仏教を中心とした宗教施設が多く点在している。

注) スワヤンブナート寺院は、世界遺産にも登録されているネパール最古の仏教寺院とも言われている。

 

注) 須磨寺の正式名は上野山福祥寺(じょうやさんふくしょうじ)。古くから「須磨寺」の通称で親しまれてきた。平敦盛遺愛の青葉の笛や弁慶の鐘、さらに敦盛首塚や義経腰掛の松など、多数の重宝や史跡があり「源平ゆかりの古刹」として知られている。古来より源平の浪漫を偲んで訪れる文人墨客も数多く、広い境内のあちこちに句碑・歌碑が点在する。

 

※この記事は2017年9月「心と体のなごみブログ」に掲載したものを加筆し転載

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朱塀が本堂を照らす灯に

2021-08-26 13:44:57 | 文化想造塾「神社仏閣」

 

蓮華王院の本堂(三十三間堂)の正面は東側である。本堂を囲み南大門そして北門がある。

東側には朱に塗られた山門(朱門)がある。七条通りから朱門は見ることはできないが、

荘厳な神門としてひときわ目を惹いた。

 

境内側は、朱門(塀)はすべて朱に塗られた廻廊になっている。

廻廊の朱色が本堂を照らす灯りのように思える。夜のとばりが下りるころは趣のある風景に変わる。

 

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