(しゅんぎくを ふんわりしぼる じゅっしかな)
シュンギク(春菊)は、栄養素が豊富で、動脈硬化や高血圧など成人病を防ぎ、風邪の予防、便秘の改善、整腸作用、食欲増進などの効果が期待できるそうで、古くから「食べる風邪薬」として珍重されていたそうである。特に多く含まれているβ-カロテンは、ビタミンAの前駆体(不活性型)で、水には溶けないが脂には溶け易いという。
春菊は、春咲く菊なのでそう名付けられたようだが、冬の鍋物に欠かせず冬野菜のイメージが強い。実際、10月から4月が出荷のピークである。
茹でた春菊をどのくらい強く搾るかは、汁物、サラダ、和え物、冷凍保存にするかで微妙に違うが、青野菜は搾り具合で食感がかなり変わる。その加減は、料理人の指先と掌が知っている。ふんわり搾った春菊ならば、サラダ感覚の自家製ポン酢でいただきたい。
それにしても、「搾る」は、乳牛の乳を搾る感触が蘇ってくるから面白い。もう一つの「絞る」では、雑巾を絞るや絞殺などがイメージされて台無しである。