一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1178   かげろうになる順番の列につく   敏子

2014年03月22日 | 

①  虫のカゲロウ(蜉蝣)には、カゲロウ、ウスバカゲロウ、クサカゲロウがある。カゲロウは、水中で幼虫期を過ごし、成虫となって空中を飛翔するが、陽炎(かげろう)のように弱弱しく飛ぶので、名付けられたとか。羽化の時期は春から冬まであって、種や地域によって異なるが、初夏の頃が最も多く、時間も夕方頃が多いそうである。夏の季語

②  もう一つのかげろう(陽炎)は、よく晴れて日射が強く、かつ風があまり強くないような日に、道路のアスファルト、自動車の屋根の上などに立ち昇る、もやもやとしたゆらめきのこと。春の季語

 この句の作者は、二つのうちのどちらの「かげろう」か分からないように、わざとひらがなにしたに違いない。常識的には、「虫のカゲロウ」だろうが、句集では春の部に入っているから、「陽炎」の可能性がないわけではない。

 いづれにしても、作者に弄ばれているような気がしてならない、面白い句ではある。

コメント
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