一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1193   湯の町の人気のなさに亀鳴けり   遊石

2014年04月07日 | 

 春の季語である「亀鳴く」であるが、実際は声帯が無く鳴かないそうである。では、何故季語になったかといえば、鎌倉時代の歌人・藤原為家の和歌

河越しのをちの田中の夕闇に何ぞと聞けば亀ぞ鳴くなる  

が元となり、その後鳴かない亀が鳴くことになったようである。尚、鳴かない動物を鳴かせているのに、「蚯蚓鳴く(秋)」がある。

 さて、この句の「人気」は「にんき」とも「ひとけ」とも読めるが、にんきもなくひとけもなかった、と両方に掛けるのが良いのではないだろうか。作者が、そんな侘しい湯の町に、何故亀を鳴かせたのか・・・・・

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする