登山の帰りに偶然見つけた山の中の湯治場のような、静かな知る人ぞ知る温泉宿。ガイドブックにもインターネットにも載っていない小さな宿。昔を思い出して女房を連れて久しぶりに行ってみた。
ところが、鄙びた隠れ宿のはずが、今ではおしゃれな温泉宿に変貌。山深い静けさと掛け流しの露天風呂はそのままであったが・・・・桜も満開で、宿も満館。確かに作者は、山に笑われていると感じたことだろう。「山笑う」は、以下の、臥遊録から来ているそうである。
春山淡冶(たんや)にして 笑うが如く→山笑う
夏山蒼翠(そうすい)として 滴たるが如し→山滴る
秋山明浄(めいじょう)にして 粧うが如く→山装う
冬山惨淡(さんたん)として 睡るが如し→山眠る