五島つばきさんの曲を取り上げるのは、ちょうど10年前の『面影橋で』以来で2回目になります。その間、何曲か新曲は出ていたのですが、あまり印象には残らなかったようです。
9月4日に発売された新曲『偲び酒』は、酒もの演歌で彼女の新しい一面が見られる曲です。
この曲を聴いてまず印象的なのは、彼女の特徴的なビブラートで、一般的な演歌よりも波が大きくゆったりしている感じです。これは彼女が歌手としてのスタイルを確立するため習得した哀愁バイブレーションだそうで、今後これを彼女の個性として打ち出していくのも面白いと言えるでしょう。
内容的には酒もの演歌の定番的なもので、居酒屋にたたずむ主人公の女性の切ない未練心がテーマです。
メロディーラインは心地よいもので、彼女の温かみのある歌唱とあいまって、心に迫る優しさと哀愁が感じられる、とってもいい曲だと思います。
彼女の演歌歌手としての大きな飛躍のきっかけとなるヒットを期待したいです。カラオケでも人気が出ることでしょう。カラオケでの哀愁バイブレーションについては、歌う人それぞれの好みでいいと思います。
また、彼女は以前から「社会を明るくする運動」をライフワークとし、2016年には保護司を拝命したとのことです。今回のカップリング曲は『金原明善』で、これは更生保護の父と言われる人物の一代記になっています。ここにも彼女の他の歌手とは異なる信念がうかがえますし、ぜひこの方面でも頑張ってほしいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=TO4fH5AbnxA
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