♬ 歌・唄・詩の日々

いい歌、いい歌手と出会いたい・・・
そんな気持ちを込めて綴る気ままな雑記帳です

平成歌謡塾・サブ歌

2006年03月18日 | 演歌・歌謡曲
★「平成歌謡塾」と「サブちゃんと歌仲間」をまとめて録画で見た。「平成歌謡塾」のゲストは、一葉と角川博だった。一葉の『涙のリバー』をテレビで聴いたのは初めて。唄っている姿はなかなか格好よかったし、スタジオのセットも都会の夜景の感じがよかった。この曲はカントリーミュージックのテイストなのかなと思う。演歌の哀感とはまた違った、何となくドライな寂寥感がある。あさみちゆきと共に、個性を生かして活躍してほしい歌手だ。
角川博の『迷い雪』は、今度も抒情演歌の女歌で、本人もこの道を極めたいと言っていた。ところがその心構えを聞かれると、意外にも何も考えないほうがいい、あまり考えたらいやらしくなってしまうとコメントしていたのが面白い。確かにあまり感情が入りすぎると嫌味に聴こえるかもしれない。
これで思い出したのが、以前あさみちゆきが、『港のカラス』を唄うときの心構えは、やはり何も考えず真っ白な気持ちで唄うとコメントしていたことだ。でも何も考えずに唄うのは難しいと思う。角川博は、今晩のおかずのことでも考えながらなんて言っていたが、それもまた難しい。

★「サブ歌」は竹川美子が出るかと期待していたが、こちらでは次回の放送分で、今回のゲストは音羽しのぶ、川野夏美、山本譲二、真咲ようこ。そして真木ことみは歌だけだった。始まってすぐに音羽しのぶの『風の吹きよで』が流れた。これもテレビでは初めて聴く。彼女の持つ雰囲気によく合った曲だ。
お化粧についての話題の後、真木ことみの『きずな川』は1コーラスだけ。続いて真咲ようこの『京都冬化粧』。視聴者からのお手紙のリクエストに応える形で川野夏美の『じょんがら恋唄』。これは何ヶ月ぶりかで聴いた。山本譲二の『風鈴』は、メジャーの親しみやすい旋律で、歌詞は七五調を基本とし、詩情がある。
ラストは北島三郎の『路地の雨』。こういうマイナーのしっとり系もさすがにうまい。

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鼻歌のススメ

2006年03月16日 | 演歌・歌謡曲
★若手男性演歌歌手で、超人気者の氷川きよし、そして昨年紅白初出場を果たした北山たけしも一応別格として、頑張っているが人気がいま一つの歌手として上げられる何人かのうちで、山内恵介と黒川真一朗の二人が最近相次いでレトロな雰囲気の新曲を出した。

●まず山内恵介は、『船酒場(ふねさかば)』である。NHK歌謡スクランブルの曲目紹介では、「平成の『昔の名前で出ています』をイメージした」とのことだった。舞鶴から小樽へ向かうフェリーの中にある酒場のママが主人公で、客との一夜の他愛のないやりとりを描いている。メロディーは何となくのんびりしていて、なつかしい雰囲気がただよってくる。歌詞は簡単な話し言葉が中心で親しみやすい。そんなところが『昔の名前で出ています』との共通点だともいえる。

●片や黒川真一朗は、『グラスの氷』だ。あるネット通販サイトのコピーでは、「ぴんから兄弟の時代を彷彿させるノリの良い歌謡曲路線の楽曲」とあった。確かにこれも昔どこかで聴いたようななつかしいメロディーだ。
出だしは山田太郎の『新聞少年』に似ていなくもない。歌詞の内容は女歌で、男にふられた女がひとりでグラスの酒を飲んでいるという情景なのだが、先日も書いたように、衣装は明るく振りも派手で、少しも暗い感じのない曲だ。

★これら2曲に通じるのが「鼻歌」のイメージである。風呂につかりながらちょっと唄ってみたくなる。そういえば最近はそんな曲が少なくなった。大衆の歌謡曲はやはり「鼻歌」なのではないだろうか。
若くてルックスもいい男性歌手が「鼻歌」で口ずさめるような親しみやすい曲を唄う。それもなかなか面白いものだ。彼らがもっと売れれば、演歌界も活性化するのだが。

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若手の新曲を試聴

2006年03月12日 | 演歌・歌謡曲
★4月に発売される演歌新曲を試聴したので、そのうち今日は若手3人の新曲についてコメントしてみたい。今回も大いに期待できるいい曲がそろった。

◎岩出和也 『北ターミナル』
私がいま男性歌手で最も気に入っているのがこの岩出和也である。声がよくてムードがあり、カラオケでも気持よく歌える曲が多い。『北フェリー』に続く新曲は、似たような傾向の曲のようだが、前作よりムード歌謡的でいい感じだと思う。

◎沢田美紀 『歌姫』
エレガントな美貌とさわやかな声の彼女には、歌謡曲路線で頑張ってほしい。前作『タイムマシンの恋人』は、風変わりなタイトルだったが聴き込むほどに良さのわかる曲だった。新曲も荒木とよひさ氏の歌詞が冴えていて、なかなかいい曲のように思う。

◎小桜舞子 『浜あざみ』
最近見かけないし、話題にものぼらないなと思っていたが、新曲が出るというので安心した。前作はなぜか聴く機会がなかった。『北の花嫁』のときに比べるとずいぶん歌がうまくなったように思う。

★長崎県壱岐市からの「NHKのど自慢」で、トップに登場したのが大学のナツメロ同好会の女性二人で、ピンクレディーの『ペッパー警部』を唄っていた。インタビューでは、対象は昭和歌謡全般で、今はピンクレディーやキャンディーズに取り組んでいるとのことだ。面白いサークルがあるものだと思った。
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女性演歌の新曲

2006年03月11日 | 演歌・歌謡曲
★2月に発売された演歌新曲のうち、若手女性二人の曲に何となく心が引かれている。音羽しのぶの『風の吹きよで』と、上杉香緒里の『おんな酒』である。どちらも女がひとりで淋しく酒をあおりながら、別れた男への未練を吐露するという、まあ演歌にはよくあるパターンといえる。演歌が嫌いな人には、いじいじしていて退嬰的でと、さんざんけなされそうな内容である。
でもその歌詞をじっくり味わってみると、微妙な感情のあやが面白いのであって、それも演歌を聴く楽しみだと思う。旅情演歌の場合は主人公が旅に出ていて、情景描写でメリハリをつけることができるが、こういう内面的な心理描写だけの曲は歌詞のよしあしがより重要な気がする。

●『風の吹きよで』は、大ベテラン星野哲郎氏の作詞だ。各コーラスとも、単語を二度くりかえすところが3回出てくるのが特色。1番が「よしな よしな」「飲んで 飲んで」「そうね そうね」、2番が「昔 昔」「恋の 恋の」「ばかね ばかね」、3番が「だめね だめね」「憎む 憎む」「そうよ そうよ」。この曲全体が、自分に言い聞かせている内容なので効果的である。音羽しのぶは『泣き酒』や『二年酒』など、こういう傾向の曲が多く、ひとつの個性になっている。やはり声質がどちらかといえば重いので向いているのだろう。

●『おんな酒』は、大阪在住の新進女性作詞家の城岡れい氏の歌詞である。この作詞家には大いに期待している。「あんたなんかにゃ わかるまい」とあるように、これも演歌によくある強がる気持とうらはらの悲しさの表現である。この曲の歌詞で面白いと思ったのは、3番の「こころ二つを持つひとは どちら向いても 淋しいはずよ」という部分。この微妙な思いやりの感情がいい。上杉香緒里は最近海峡ものが3曲続いたが、一区切りつけた感じ。若手というより実力派中堅として地歩を固める曲になってほしい。

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演歌百撰より

2006年03月09日 | 演歌・歌謡曲
★今週はNHK歌謡コンサートは録画を忘れて、見ることができなかったが、「演歌百撰」を録画で見た。渥美二郎がマンスリーゲストだった。その中から3曲を取り上げてみたい。

*渥美二郎 『哀愁』
『慟哭のエレジー』に続く、デビュー30周年記念の第二弾とのこと。前作がタイトルも曲調も重かったのに比べ、今回は意外なくらいあっさりしたタイトルだ。曲の感じは五木ひろしが唄う曲のようなイメージがあった。実は10周年のときに出したアルバムの中に入っていた曲で、20年間ずっと暖めてきて晴れて世に出るといったところ。

*黒川真一朗 『グラスの氷』
曲の一部は前に試聴していたが、テレビで初めて見て目を引いたのがライトブルーの華やかな衣装と、派手な振り。氷川きよしをイメージしたのだろうか。これが3作目となり、毎回イメージが変化する。今回は明るさ、軽快さにポイントを置いた感じだ。
私は彼を初めて見た『家族』のときの印象が大変よかったので、今回もどうも物足らないのだが。

*松原のぶえ 『霧幻海峡』
「夢幻」ではなく「霧幻」である。こんな単語は辞書にものっておらず造語であろう。でもこの曲の歌詞にはどこを探しても「霧幻」は出てこない。初めて聴く人にタイトルを当ててごらんと言えば、10人中10人が「北海峡」と答えるだろう。それではあまりに平凡だから凝ったタイトルにしたようだ。
タイトルはさておき、歌詞もメロディーも直球勝負の演歌である。ベテランの味を聴かせてくれる。
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